万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

苦境に立つ日本の自動車産業

2009年01月14日 15時08分45秒 | 日本経済
総合商社が堅調、自動車は大幅ダウン…就職人気ランキング(読売新聞) - goo ニュース
 昨今の景気後退のニュースにおいて、あまり表だって議論されてはいませんが、実のところ、あらゆる側面において、日本国の自動車産業には向かい風が吹いているようなのです。

 第1の向かい風は、上昇基調が続く円高です。日本国の自動車産業は国内よりも輸出志向ですので、円高は、自動車市場における日本車の競争力の低下を招いています。

 第2の向かい風は、アメリカ市場における消費の後退が、特に自動車の買い控えに現われているということです(http://news.goo.ne.jp/article/diamond/business/2009011302-diamond.html)。このことは、当然に、日本車の対米輸出の減少に繋がり、日本国の自動車産業は、生産調整や雇用調整を余儀なくされています。

 第3の向かい風は、アメリカのビッグ3救済問題です。もし、アメリカが、自動車産業の復興に、国を挙げて取り組むとなりますと、日本車が、これまでのようにアメリカ市場で高いシェアを獲得することは難しくなるかもしれません。

 アメリカの地域別輸入の推移によりますと、対日貿易の落ち込みが最も激しく、中国やラテンアメリカからの輸入は、逆に増えていると言います。このまま、アメリカの低価格志向が続くとすれば、高い品質や低燃費を武器としている日本車の苦戦は、今後とも続きそうです。

 戦後、日本経済を牽引してきた自動車産業ですから、この危機を、乗り越えられると信じたいところです。そのためには、新たなコンセプトや次世代モデルを掲げて、低下価格プラス高品質の自動車、あるいは、”乗り物”を開発し(電気自動車、通勤用一人乗り自動車・・・)、早期に製品化する必要があるのかもしれません。

 よろしければ、クリックをお願い申し上げます。 

にほんブログ村 経済ブログへ
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする