万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

大統領就任演説に終戦のご詔勅を想う

2009年01月21日 15時15分59秒 | アメリカ
努力と責任感で「どんな嵐にも耐えよう」オバマ大統領の就任演説 全文翻訳 <特集・オバマのアメリカ>(gooニュース) - goo ニュース
 華々しい雰囲気に包まれたアメリカ大統領の就任式。世界中の人々が注目したオバマ大統領の演説内容を読んで、ふと頭に思い浮かんだのが、昭和天皇の終戦の御詔勅でした。

 21世紀のアメリカ大統領の演説と半世紀以上も前の日本国の天皇のお言葉の間に共通性などない、と思われる方は多いかもしれません。しかしながら、未曾有の危機に直面していた、という意味において、両者には共通点があると思うのです。現在のアメリカは、来るべき大不況に打ち勝たねばならず、半世紀前の日本国は、歴史上はじめての敗戦を経験し、焼け野原から国家の再建に立ち向かわねばなりませんでした。国家の危機を前にして、両国の最高責任者は、国民に対して、良き未来を切り開くために、忍耐と責任を訴えたのです。

 オバマ新大統領は、”どんな嵐にも耐えよう”と国民を鼓舞し、昭和天皇は、”忍びがたきを忍び、耐えがたきを耐え”るよう、国民に語りかけました。加えて、終戦の御詔勅には、”任重くして道遠きを念ひ、総力を将来の建設に傾け、道義を篤くして・・・”という下りもあります。この言葉もまた、就任演説で強調された責任とそれを支える価値観と共通しているのです。古今東西を問わず、国家的な危機を救うのは言葉なのかもしれないと、言霊のさきはう国から思うのです。

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コメント (2)
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