万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

原発のストレステスト―世界一のスパコンの出番では

2011年07月10日 15時21分32秒 | 日本政治
原発ストレステスト「再稼働の条件」 細野原発相が明言(朝日新聞) - goo ニュース
 菅首相が、突然に言い出したストレステスト。こともあろうか、言い出した当の本人さえどのようなテストなのか、具体的な内容を国民に説明できないのですから、無責任この上ありません。

 ところで、このストレステスト、EUで行われているものは、原発の稼働中に行うものなそうです。おそらく、現場の原子炉で実験するものではなく、地震や津波などによる衝撃に対する原発の耐性を調べるための、コンピューター上のシミュレーション・テストなのではないかと思うのですが、もし、そうであるならば、今こそ、世界一を記録したスパコンを役立てるべきなのではないでしょうか。また、既に原子炉の設計段階でのデータがあるならば、新たに作成した安全基準に照らした再検討でも済むはずです。そもそも、稼働中に実施できるならば、わざわざ再稼働の条件する必要もなく、問題が見つかった場合に、対策を講じるか、あるいは、稼働を停止すればよいのです。

 玄海原発などについては、簡易検査の後にあらためてストレステストを実施するとの合意が、三閣僚の間ではできているそうですが、首相が再び、テロ的な”妨害行為”の挙に出る可能性もあります。電力供給は、産業と国民のライフラインでもあるのですから、ストレステストが、再稼働の障害になってはならないと思うのです。

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