万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

中国は国内法では尖閣諸島を領有できない

2011年07月05日 15時47分49秒 | 日本政治
尖閣沖の日本漁船に中国抗議「日本の措置無効」(読売新聞) - goo ニュース

 本日、中国外務省は、八重山漁協所属の漁船10隻が、今月3日に尖閣諸島周辺海域に出航したことについて、尖閣諸島は自国の領土であり、日本側のとる如何なる措置も”違法で無効”であると主張したうえで、日本国政府に対して、日本漁船を関連海域から引き上げさせるよう要求した、と報じられています。

 中国側のいう”違法で無効”は、中国の”国内法”に基づけば、といことなのでしょうが、国際社会では、国際法に根拠がなければ、正当な領有権とは認められません。自国の国内法をもって、他国の領域に対して領有権を主張することはできないのです。つまり、国内法に基づいて、違法性”や”無効”という言葉を持ち出し抗議しても、日本国に対しては、何らの法的な効果も及びません。中国が、国際法においても尖閣諸島が自国の領土であると言い張りたいならば、それを証明する義務は、中国側にあります。もし、尖閣諸島の日本国の領有に異議を申し立てるならば、中国政府は、日本国政府に対して、国際司法裁判所への付託合意を提案するしかありません(ゆめゆめ、武力行使は慎むべき)。

 中国が、国際社会の一員となるか、あるいは、”無法者”のままであるかは、国内法ではなく、国際法による法の拘束を受け入れるか、否かにかかっているのではないかと思うのです。 

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