万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

止まらない負の連鎖―原発の再稼働で危機から脱出を

2011年07月30日 15時37分52秒 | 日本政治
失業者20万人増、現実味 全原発停止なら成長率3.6%押し下げも(産経新聞) - goo ニュース
 昨日開かれた政府のエネルギー・環境会議では、原発政策をめぐり、議論が紛糾したそうです。そうこうしている間にも、経済における負の連鎖は留まるところを知らず、20万人失業も現実味を帯びてきました。

 このままの状態では、(1)原発の停止⇒(2)電気料金値上がり⇒(3)海外への製造・研究拠点の移転+所得と購買力の低下⇒(4)失業の増加+産業の衰退⇒(5)株価下落+外国資本による安値買い⇒(6)歳入の減少+財政悪化・・・という負の連鎖が続きます。その行きつく先は、経済・財政破綻が待っているのですが、政府は、この状態を無責任にも放置しており、何らの手を打とうともしていません。加えて、昨今の急激な円高により輸出競争力も低下しており、外需主導の回復の道筋も遠のいています。電力会社も軒並み赤字転落となりますと、原発事故の賠償スキームにも影響を与える可能性も否定できません。これに追い打ちをかけるように、再生エネ法が成立しますと、もはや、お手上げ状態です。

 経済の麻痺は、被災地の復興をも遅延させます。この負の連鎖を断つ即効薬があるとすれば、それは、停止中の原発を再稼働させることです。世論調査では、脱原発を支持する国民は多いようですが、GNPが低下し、20万人もの失業が伴うとしますと、原発の再稼働には反対する声は少ないはずです。まずは応急措置として、原発を早期に再稼働させ、当面の危機から脱出すべきなのではないでしょうか。そうして、このシナリオの最大の障害が、菅首相、その人であることを考えますと、首相退陣をも急ぐ必要があると思うのです。

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コメント (12)
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