万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

遠い将来のエネルギー技術は核融合では

2011年07月14日 17時34分25秒 | 日本政治
脱原発は首相の希望、内閣の目標でない…枝野氏(読売新聞) - goo ニュース
 昨日、またもや菅首相は、脱原発依存宣言を唐突に発表し、各方面に波紋と懸念を広げているようです。枝野官房長官は、首相の個人的な”遠い将来の希望”とフォローしていますが、エネルギーに関する未来技術の本命の一つは、核融合炉であったのではないかと思うのです。

 脱原発派の人々は、核融合炉や放射性廃棄物の処理技術について、どのように考えているのでしょうか。こうした技術の確立を待つまでもなく、実際には、より安全性の高い新世代の原子炉も既に開発されてきています。また、脱原発とはいっても、放射性物質の処理技術が未熟な段階では、安全な廃炉さえできないはずです。原子炉の安全性の向上と廃炉技術は密接な関係にありますので、脱原発が、未来技術に向けての研究の放棄や撤退を意味するとなりますと、人類のエネルギー問題の解決を遅らせるか、停止させることにもなりかねません(日本国が抜ければ、それだけ、研究の進展の速度が遅れる・・・)。日本国は、ITER(国際熱核融合炉)のプロジェクトにも参加しており、原子力の技術開発の担い手でもありました。原発の導入や推進を掲げている国が多数存在することを考慮すれば、原発事故を起こしたからこそ、安全技術の確立に貢献するという道もあります(世界大で見れば、原発はなくならない・・・)。

 安全な原子炉や核融合炉が完成した時点で、ちゃっかり原発路線に戻るという方法もあるかもしれませんが、これもまた、”フリーライダー”の謗りを免れそうありません。遠い将来を見通せば、核融合の可能性があるのですから、現時点で、脱原発を政治的に決定する必要はないと思うのです。

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コメント (3)
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