万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

復興予算流用問題―復興費チェック機関を設けては

2012年10月27日 16時26分51秒 | 日本政治
仕分け対象 キャリア・アップ 復興予算5.8億円「流用」(産経新聞) - goo ニュース
 2011年11月、東日本大震災の復興費を賄うために、総額10兆円を越える復興財源法案が可決されました。増税の開始は来年1月からを予定していますが、増税を前に、既に、復興予算の別目的への流用が問題視されています。

 流用問題として発覚したのは、氷山の一角かもしれず、真相は闇の中です。財政再建を理由に増税路線を敷きながら、復興予算が被災地の復興に有効に使われていないとしますと、税を負担する国民も納得しません。そこで、国民に対して会計責任を負い、独立的な立場から復興費をチェックする機関を設けてはどうかと思うのです。復興費が、何らのチェックもなく、政府の利権と化してしまっては、今後とも、”どんぶり勘定”や”大判振る舞い”が横行しそうです。チェック機関は、国会議員による特別委員会を設立するとか、第3者機関を設立して、民間から人材を起用するといった方法が考えられます。あるいは、地方自治体や各省庁からの復興事業に関する予算要求を取り扱う機関と、支出に関する事後的なチェック機関を分けるといった方法もあります。事後的なチェック機関であれば、会計検査院から職員を選抜して震災復興予算専門の特別チームを編成することも一案かもしれません。何れにしましても、逐次に復興予算の使途を公開し、国民に対して報告義務を負う機関があれば、流用事件の発生をを抑えることができるのではないかと思うのです。

 良き統治の実現には、国民は、政治家に期待しがちですが、不正や腐敗を防ぐには、制度面からのアプローチも有効です。予算の無駄遣いは、国民負担を意味するのですから、政府は、信頼を回復するためにも、何らかの流用防止策をとるべきと思うのです。

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コメント (4)
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