万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

東アジアの狂犬-自ら”帝国アハト刑”を課す北朝鮮

2013年03月09日 15時24分48秒 | アジア
南北不可侵・非核化の破棄宣言、北が決議に反発(読売新聞) - goo ニュース
 ここ数日の北朝鮮の暴挙には、驚きを越えて呆れるばかりです。”中東の狂犬”ならぬ”東アジアの狂犬”が、我を忘れて吠えかかっているかのようです。

 国連の制裁決議を激しく批判すると共に、朝鮮戦争の休戦協定も南北不可侵や非核化の合意も何もかも破棄したのですから、北朝鮮の宣言は、国際社会からの離脱の表明に他なりません。こうした北朝鮮の行動で思い起こしますのは、”帝国アハト刑”と呼ばれた神聖ローマ帝国の刑罰です。この刑罰は、古代ゲルマン法に起源を遡るのですが、この刑を言い渡された者は、全ての法的権利を剥奪され上に、他者から支援を受けることも禁じられ、周囲との交流も、一切、遮断されたそうです。法的には存在しないものと見なされましたので、生命、身体、財産を含め、全ての法益は保護されず、たとえ殺害されても文句は言えなかったそうです。極めて過酷な刑なのですが、北朝鮮の行動は、まさに、自らをこの”帝国アハト”の状態に置いています。国際社会の法も掟も捨て去り、孤立の道を選んだのですから。つまり、北朝鮮が他国から攻撃を受け、亡国の憂き目を見ても、それは仕方がないと見なされるのです。

 北朝鮮は、国際法の拘束を振り払うことで、絶対的な行動の自由を得たと狂喜していることでしょう。しかしながら、鎖を断ち切った狂犬ゆえに、その自由は、他国にも、自国への攻撃の自由を認めることに他ならないことに、気付いていないようなのです。

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コメント (2)
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