万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

中国の対ジンバブエ賄賂工作-領有権は買収できない

2013年03月25日 15時42分32秒 | 国際政治
 本日、NHKの正午のニュースで、ロシアを後にした中国の習主席がアフリカのジンバブエを訪問し、大統領と会談したことが報じられていました。この会談、日本国としては、聞き捨てならない内容が含まれていたようです。

 報道によりますと、ジンバブエの大統領は、中国が抱える領土紛争については、全面的に中国を支持することを約束したそうです(おそらく尖閣諸島も含めて…)。無関係なジンバブエが、自発的に領土に関する発言をしたとは思えず、おそらく、中国が、何らかの見返りを提供する代わりに、中国支持の発言を引き出したのでしょう。つまり、中国は、お金でジンバブエの支持を買っているのです。いわば、賄賂工作なのですが、お金で支持を集めれば、領有権を手にできると考えているとしますと、この事件も、中国の腐敗体質を端的に顕わしています。国内向けの掛け声は、”汚職や腐敗官僚を一掃せよ”ですが、その実、トップ自らが、外国政府の買収に熱心なのですから。中国は、自国に飽き足らず、遂に、自国の腐敗構造をも外国に輸出しているかのようです。中国の影響力の拡大とは、国際社会を幸せにするどころか、世界を、確実に侵食し、腐敗させているのです(ジンバブエは、大いに反省すべきでは…)。

 しかも、領有権は、多数決、況してや財力で決まるものでもなく、法的な正当性こそ備えている必要があります。法的解決から逃げ回っている中国が、数の力で他国の領土を奪おうとしても、それは、所詮、無駄というものなのではないでしょうか。

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コメント (4)
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