万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

沖縄は日本国政府に”伝家の宝刀”を抜かせるのか

2013年03月24日 15時23分21秒 | その他
名護市長、辺野古埋め立て申請を批判 山本沖縄相と会談(朝日新聞) - goo ニュース
 一昨日、日本国政府が辺野古の埋め立て申請をしたことから、沖縄では、仲井真知事のみならず、名護市の稲峰市長もまた、”沖縄の心を汲みとってほしい”と述べ、基地移設が強権的に進められているとして批判しています。

 しかしながら、沖縄県の意向、少なくとも知事や市長レベルの意向が、断固として県外移設であるならば、もはや、話し合いの余地はないのではないでしょうか。安全保障上の必要性と日米同盟の信義を考慮すれば、日本国政府が、辺野古移設を断念するとは思えません。一方、沖縄県の仲井真知事もまた、埋め立ての申請書に知事印を押さないことを表明しており、こちらも徹底抗戦の構えです。もし、知事が許可しないとなりますと、日本国の防衛政策を地方自治体が阻止する構図となりますので、分裂含みの展開となります。いかなる問題も、円満に話し合いで解決できるわけではなく、両者の主張が平行線を辿る場合には、どちらの意向を優先せるのか、優先順位をつける必要があります。防衛、安全保障、外交といった分野では、国レベルで権限が一元化されていますので、国家と地方の意思が対立する場合、国の意向が優先されます。つまり、仮に、知事があくまでも押印を拒否した場合、日本国政府は、沖縄の意向に反しても、基地移転を進めざるを得なくなるのです。
 
 仲井真知事が、妥協の余地なく、強行に反対を唱えれば唱えるほど、日本国政府に、強権的な基地移設、すなわち、”伝家の宝刀”を抜かせることになるのではないでしょうか。そして、沖縄県民の多くが、内心では移設に賛成しているとしますと、この方法の方が、案外早くに騒ぎが収まり、沖縄の基地問題は落ち着くのではないかと思うのです。

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コメント (2)
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