衆院選改革、与党案を決定=民主は「30・50減」案提出方針(時事通信) - goo ニュース
自公の両党が、衆議院議員選挙の改革案として、比例代表制の150議席のうち、60を中小政党枠とする案を正式に決定したそうです。おそらく多くの国民が、この奇妙な優先枠案に、違和感と不公平感を感じているのではないでしょうか。
法案の内容は詳らかではないのですが、自民党による一党優位体制を念頭に提案されているようです。現在の自民党の支持率から予測しますと、小選挙区制における雪崩現象により、次回選挙でも自民党が圧勝することでしょう。相対多数で大政党が優位になる問題は、小選挙区制の見直しの方が効果的なのですが、何故か、この改革案では、比例代表制での”優先枠”という奇妙な方法で是正を図ろうとしています。連立相手である公明党への配慮と説明されていますが、一体、この60枠の優先枠とは、どのようにして決まるのでしょうか。90議席までを従来の方法で割り振り、残りの60は、小選挙区での議席数と比例代表90議席の結果を合わせて第一党となった政党を除き、再度、ドント式で議席を割り振るのでしょうか。それとも、小選挙区とは完全に切り離し、比例代表制の結果だけに基づいて、60議席を配分するのでしょうか。ところが、将来的に、政界の再編等により、政党間の勢力が変わるとしますと、思惑どおりにゆかないケースも想定されます。”下駄をはかせてもらった”第2党が、同じく優先枠で議席を水増しした第3党と組んで連立内閣を組閣したり、第1党でさえ、過半数を下回る場合には、結局、第1党だけが優先枠を得られず、不利になる場合もあり得るのです。また、支持率が低く、淘汰されるべき政党が、優先枠故に、何時までも居残ることも考えられます。このような事態が発生すれば、選挙の正当性までもが問われることになりかねません(不服を訴える政党が、憲法訴訟を起こすかもしれない…)。しかも、何故、中小政党を優遇しなければならないのか、理由もはっきりしていないのです。
このように考えますと、優先枠の設定は、政治的混乱を引き起こす地雷を埋設しているようなものなのかもしれません。そして、複数政党間で選挙が伯仲すればするほど、優先枠の存在は、リスクを増してゆくのです。党利党略を優先して国民が納得しない制度を無理に導入しますと、返って与党は支持率を下げてしまい、実際に選挙を実施する時には、最も危険な混戦状態になるのではないかと心配になるのです。
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自公の両党が、衆議院議員選挙の改革案として、比例代表制の150議席のうち、60を中小政党枠とする案を正式に決定したそうです。おそらく多くの国民が、この奇妙な優先枠案に、違和感と不公平感を感じているのではないでしょうか。
法案の内容は詳らかではないのですが、自民党による一党優位体制を念頭に提案されているようです。現在の自民党の支持率から予測しますと、小選挙区制における雪崩現象により、次回選挙でも自民党が圧勝することでしょう。相対多数で大政党が優位になる問題は、小選挙区制の見直しの方が効果的なのですが、何故か、この改革案では、比例代表制での”優先枠”という奇妙な方法で是正を図ろうとしています。連立相手である公明党への配慮と説明されていますが、一体、この60枠の優先枠とは、どのようにして決まるのでしょうか。90議席までを従来の方法で割り振り、残りの60は、小選挙区での議席数と比例代表90議席の結果を合わせて第一党となった政党を除き、再度、ドント式で議席を割り振るのでしょうか。それとも、小選挙区とは完全に切り離し、比例代表制の結果だけに基づいて、60議席を配分するのでしょうか。ところが、将来的に、政界の再編等により、政党間の勢力が変わるとしますと、思惑どおりにゆかないケースも想定されます。”下駄をはかせてもらった”第2党が、同じく優先枠で議席を水増しした第3党と組んで連立内閣を組閣したり、第1党でさえ、過半数を下回る場合には、結局、第1党だけが優先枠を得られず、不利になる場合もあり得るのです。また、支持率が低く、淘汰されるべき政党が、優先枠故に、何時までも居残ることも考えられます。このような事態が発生すれば、選挙の正当性までもが問われることになりかねません(不服を訴える政党が、憲法訴訟を起こすかもしれない…)。しかも、何故、中小政党を優遇しなければならないのか、理由もはっきりしていないのです。
このように考えますと、優先枠の設定は、政治的混乱を引き起こす地雷を埋設しているようなものなのかもしれません。そして、複数政党間で選挙が伯仲すればするほど、優先枠の存在は、リスクを増してゆくのです。党利党略を優先して国民が納得しない制度を無理に導入しますと、返って与党は支持率を下げてしまい、実際に選挙を実施する時には、最も危険な混戦状態になるのではないかと心配になるのです。
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