万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

イスラム国とは”この世の地獄”であった

2015年01月26日 15時32分39秒 | 国際政治
「ここは地獄の入り口」 トルコ南部検問所、困難な国境管理(産経新聞) - goo ニュース
 「イスラム国への玄関口」でもあるトルコ南部のキリス検問所は、”地獄の入り口”と称されているそうです。地元の人々がこのように呼んでいるそうなのですが、この名称こそ、イスラム国の本質を言い当てているのではないかと思うのです。

 イスラム過激派はイスラム教による理想社会を目指していると口では語りながら、その蛮行ぶりを見ますと、理想郷とも天国とも対極にあります。残酷極まりない人質事件を挙げるまでもなく、奴隷狩り、恣意的な殺人、女性の人身売買や貢物化、子供の虐待…など、ありとあらゆる悪が信仰の名の下で許されているのです。人々は、暴力と恐怖の支配の下にあり、そこは、この世の地獄以外の何ものでもありません。足を踏み入れたが最後、二度と戻ってくることができない世界でもあるのです。イスラム国を極左勢力が支援しているように、彼らの支配地域には神も仏もおらず、武器を手にしたテロリスト達が、人々の言動を威嚇しながら人々の生殺与奪の権を握っているのです。地獄の支配者たち、それは、サタニスト以外の何ものでもありません。

 マスコミなどでは、過激派の発生理由として、貧困や社会的な格差に対する若者の不満を挙げております。しかしながら、この説明はステレオタイプの定説であり、実際には、暴力的な過激派の存在は、人間の中には、数%であれ、サイコパスのように善悪の判断ができない人、他者への思いやりがゼロのエゴイスト、否、悪に魅せられてしまう人々がいることを示しております。特に反抗期にある若年層は勧誘されやすく、悪が容認されさえすれば、宗教でもイデオロギーでも何でも構わないのでしょう。このように考えますと、50人もの命をテロで奪った死刑囚の釈放は、凶暴な野獣を野に放つようなものであり、テロリストへの安易な妥協は、地獄への扉を自ら開くようなものなのではないかと思うのです。

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コメント (2)
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