万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

米議会調査局は史実の調査を

2015年01月17日 15時31分09秒 | アメリカ
安倍首相は「歴史修正主義的」 米議会が報告書で懸念(朝日新聞) - goo ニュース
 朝日新聞社の報道によりますと、米議会調査局は、報告書において安倍首相について「日本帝国の他のアジアの国々への侵略や虐待を否定する歴史修正主義的視点を持っていることを示唆している」と評したそうです。朝日の訳文ですので、どの程度、正確なのは怪しいところなのですが、米議会の調査局は、まずは、史実を調査すべきではないかと思うのです。

 米議会調査局の見解は、村山談話に述べられている”侵略と植民地支配”とおよそ一致しています。既に指摘されている通り、第二次世界大戦に関しては、残念ながら米中韓の”歴史認識”は、一致しております。情緒や主観に流されやすく、かつ、古来、歴史に対して常に修正を加えてきた中韓が”歴史認識”に拘るのは”然もありなん”と感じるものの(新王朝は常に自己正当化のために前王朝の歴史を改竄…)、アメリカ建国の過程を考慮しますと、史実の探求よりも”自己正当化のための歴史”に固執する姿勢には危惧を覚えます。アメリカ建国もまた、あらゆる物事を疑い(懐疑主義)、真実を見出そうとする近代合理主義の賜物であるからです。米議会調査局は、むしろ、常に歴史を自己の都合に合わせて改竄し、それに反する見解に監視の目を光らせている、ジョージ・オーウェルが描いた『1984年』に登場する「真理省」を髣髴させます。”侵略”の見解も、台湾が清国との戦争で割譲された夷外の地であり(台湾は清国に侵略され、直轄地となる…)、朝鮮半島の併合もまた武力ではなく条約によること、そして、第二次世界大戦にあっては、イギリスやオランダなど、植民地の宗主国と闘ったことなどを思い起こせば、史実との間に隔たりがあることはすぐにでも確認できます(満州国については、5日前に、記事を掲載しています…)。また、”虐待”についても、”台湾や朝鮮半島に対しては、近代化政策を進めると共に、巨額のインフラ投資を行い、搾取どころか、常に財政も日本からの持ち出しでした(台湾には親日の人々が多い…)。

 米議会調査局には、日本国に対する偏見を排し、難しいことではありますが、一旦、アメリカの国益から離れて、ひたすらに事実のみを調査していただきたいと思うのです。果たして”侵略と虐待(植民地支配)”とする認識を見直すことが批判に値すのかどうか、事実のみが自ずと明らかにするこでしょう。そしてそれは、やがて、心からの日米和解をもたらすのではないでしょうか。

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コメント (4)
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