「謝罪は重要な1章」=米国務省、新談話で指摘(時事通信) - goo ニュース
安倍首相が終戦の日に予定しているとされる戦後70年談話について、アメリカ国務省のサキ報道官は、村山談話と河野談話を挙げて”謝罪は重要な1章”と述べたと報じらております。原文では、日本国政府に対して両談話を踏襲せよ、といった強い表現ではないのですが、新談話をめぐっては、日米中韓関係はさらに混迷を深める気配がします。
日本国内では、アメリカによる内政干渉とする批判の声が上がりましたが、サキ報道官の発言は記者の質問に対する回答であり、事前に国務省として準備されていたのかどうかは不明です。しかしながら、日米関係に良い影響を与えるとは考えられず、とりわけ、日本国内において不満が高まることが予想されます。その第一の理由は、両談話で示された”歴史認識”と史実との間に大きな隔たりがあるからです。少なくとも日本国民の多くは、当時のアジアの悲惨な状況を知る故に、村山談話が述べた”植民地支配と侵略”とする見解はあまりにも表層的であり、イデオロギーに染まったステレオタイプであるとみなしております。第二に、サキ報道官の発言は、中韓による講和条約や基本条約の蒸し返しを容認しております。ニュアンスとしては、”両談話で既に謝罪が示されているだから、それ以上の措置は必要ない”とも受け取れますが、講和条約や基本条約を締結した以上、過去の戦争を理由に相手国に何らかの要求をすることはご法度なはずです。日本国民が、アメリカ政府に対して都市空爆や原爆投下等の非人道的な行為に対する謝罪を求めた場合、アメリカは、その要求に応じるのでしょうか(日本国は講和した以上、謝罪を要求していない…)。第三に、両談話に触れたことは、中韓に誤ったメッセージを送ることにもなりかねません。アメリカのお墨付きを得たとして、歴史認識に関する対日攻勢を、一層強めることでしょう。中国は、南京大虐殺の国際宣伝を堂々と繰り広げるでしょうし、韓国もまた、慰安婦問題で謝罪と賠償を執拗に求め続けることでしょう。また、中国が日本国の首相の新談話による村山・河野両談話の踏襲によって満足するとも思えず、別の口実を見つけては、”中国の夢”を追求するものと予測されます。そこかしこで米中対立も表面化してるのですから、状況は、まさしくカオスと化しそうです。
今日に生きる現代人の多くは、政府の発表する談話によって歴史を理解する程には単純ではなく、70周年の談話がもたらしたカオスをあるがままの現代史として受け入れています。戦後70年を機に各国政府は発想を転換し、”歴史”については、人々の意識の変化をも考慮した新たなアプローチを追求すべきなのではないでしょうか。
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安倍首相が終戦の日に予定しているとされる戦後70年談話について、アメリカ国務省のサキ報道官は、村山談話と河野談話を挙げて”謝罪は重要な1章”と述べたと報じらております。原文では、日本国政府に対して両談話を踏襲せよ、といった強い表現ではないのですが、新談話をめぐっては、日米中韓関係はさらに混迷を深める気配がします。
日本国内では、アメリカによる内政干渉とする批判の声が上がりましたが、サキ報道官の発言は記者の質問に対する回答であり、事前に国務省として準備されていたのかどうかは不明です。しかしながら、日米関係に良い影響を与えるとは考えられず、とりわけ、日本国内において不満が高まることが予想されます。その第一の理由は、両談話で示された”歴史認識”と史実との間に大きな隔たりがあるからです。少なくとも日本国民の多くは、当時のアジアの悲惨な状況を知る故に、村山談話が述べた”植民地支配と侵略”とする見解はあまりにも表層的であり、イデオロギーに染まったステレオタイプであるとみなしております。第二に、サキ報道官の発言は、中韓による講和条約や基本条約の蒸し返しを容認しております。ニュアンスとしては、”両談話で既に謝罪が示されているだから、それ以上の措置は必要ない”とも受け取れますが、講和条約や基本条約を締結した以上、過去の戦争を理由に相手国に何らかの要求をすることはご法度なはずです。日本国民が、アメリカ政府に対して都市空爆や原爆投下等の非人道的な行為に対する謝罪を求めた場合、アメリカは、その要求に応じるのでしょうか(日本国は講和した以上、謝罪を要求していない…)。第三に、両談話に触れたことは、中韓に誤ったメッセージを送ることにもなりかねません。アメリカのお墨付きを得たとして、歴史認識に関する対日攻勢を、一層強めることでしょう。中国は、南京大虐殺の国際宣伝を堂々と繰り広げるでしょうし、韓国もまた、慰安婦問題で謝罪と賠償を執拗に求め続けることでしょう。また、中国が日本国の首相の新談話による村山・河野両談話の踏襲によって満足するとも思えず、別の口実を見つけては、”中国の夢”を追求するものと予測されます。そこかしこで米中対立も表面化してるのですから、状況は、まさしくカオスと化しそうです。
今日に生きる現代人の多くは、政府の発表する談話によって歴史を理解する程には単純ではなく、70周年の談話がもたらしたカオスをあるがままの現代史として受け入れています。戦後70年を機に各国政府は発想を転換し、”歴史”については、人々の意識の変化をも考慮した新たなアプローチを追求すべきなのではないでしょうか。
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