万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

韓国人制作動画「軍艦島の真実」が語る”真実”

2015年07月13日 15時48分42秒 | その他
動画「軍艦島の真実」 韓国人教授が日本閣僚・議員に送信
 ユネスコ世界遺産委員会での「明治日本の産業革命遺産」登録の一件は、日本国民にとりましては後味の悪いものになりました。しかも、この後味、なかなか消えないようなのです。

 この一件については、ユネスコの世界遺産委員会の審議過程で、日本国側の発言を都合よく解釈した韓国側は、あたかも日本国が”朝鮮人の強制労働”を認めたかのように報じております。こうした中、韓国人の教授が、「軍艦島の真実」なる動画を作製していたことが判明しました。果たして、この動画は、何を語っているのでしょうか。もちろん、視聴したところ、動画の内容自体は日本国による”朝鮮人の強制労働”を印象付けるものですが、実のところ、この一本の動画は、韓国の徴用工問題に向けた巧妙な策略の一端を”暴露”しております。第1に、6月21日の日韓外相会談での合意を、韓国側が一方的に反故にしていることです。報道によりますと、日韓両国は、双方が相手国の遺産登録に協力し、韓国側も、反対しないことを約したそうです。ところが、この動画は、ネット上での公開のみならず(YouTube上のアップは6月17日)、世界遺産委員会の各委員にも送付されており、登録反対活動に使用されました。現地でも、韓国系団体が活発なロビー活動を展開していたことが報告されていますので、両国の外相合意は、戦略上の”ポーズ”であったことが分かります。第2に、韓国は、委員会の議長国であったドイツを味方に付けたことです。動画の最後の方に、ドイツのツォルフェライン炭鉱業遺跡を登場させ、ドイツが、世界遺産登録に際してユダヤ人や捕虜の強制労働を説明に加えたため、反対なく登録されたと述べています。これは、ドイツ人議長の心理が韓国に偏る効果を狙ったものと憶測されます。第3に、ドイツへの言及は、ユダヤ人勢力を取り込む手段でもあります。動画には、ブラント首相がワルシャワのゲットーでユダヤ人犠牲者に花輪を手向けけ謝罪したシーンもあり、ユダヤ人=朝鮮人のイメージを植え付けています。おそらく、この場面は、ユダヤ勢力の影響が強いとされるメディア対策であり、実際に、海外メディアでは、韓国の主張通りの報道がなされました。第4に、この動画は、韓国の最終的な目的が、日本国から謝罪と賠償を勝ち取ることにあることを自ら明らかにしています。動画は、事実上の日本国に対する要求で締めくくられるのです。そして、第5に指摘できることは、この動画の説明は、極めて信憑性が怪しいことです。使用されている写真の中には、日本人と見られる炭鉱夫の姿もありますし、朝鮮人一家の写真は、子供達もきれいな身なりをしており、むしろ、”奴隷”ではなかったことの証拠となります。実際に、軍艦島では、一般の雇用契約の下で訪日した朝鮮人世帯も生活していたとする記録が残されています。

 「軍艦島の真実」は、製作者の意図とは逆に、韓国の手の内を明かすとともに、韓国の主張が覆される切っ掛けとなるかもしれません。日本国政府は、動画の説明や写真の真偽を検証し、誤りや捏造部分を公表すべきではないかと思うのです。

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コメント (2)
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