「反緊縮」勝利でユーロ離脱も=敗北なら首相退陣―ギリシャ、5日に国民投票
瀬戸際作戦で支援者の立場にあるEUに揺さぶりをかけてきたチプラス政権。いよいよ本日、ギリシャでは、EU側が提示した緊縮財政案の是非を問う国民投票が実施されることとなりました。
国民投票に際して、チプラス政権は、EU側の緊縮案支持の要請にも応じず、”EUの脅迫にNOを”と叫び、ギリシャが不当にEUから圧力をかけられているかの印象を国民に与えています。ギリシャ国民の独立心に訴えているのですが、この問題の根本的な原因がギリシャの”借金漬け体質”にあることを考えますと、チプラス政権の主張は自己矛盾としか言いようがありません。何故ならば、仮に、自国の財政が外部から介入を受けず、EUから政策上の注文を付けられないようにしたければ、”始めから借金をしなければよかった”ということになるからです。そして、ギリシャ財政の依存性は、たとえ、国民投票において「反緊縮」派が勝利したとしても、緊縮財政は不可避であることを示してもいます。チプラス首相が思い描くように、EU側がギリシャの債務削減案を受け入れる、つまり、当面の債権放棄に応じたとしても、今後、ギリシャが、従来通り国債を発行できるとは思えません。ユーロ圏から離脱すれば、なおさらのことでしょう(財政破綻は免れても高率のインフレに…)。ギリシャ国債が回収不能になる可能性が高いことを、現実に示してしまったのですから。ギリシャ政府は、国債の引き受け手の減少、利率の急上昇、悪性のインフレ等に、単独で対応せざるを得なくなるのです。
結局、EUが外部から緊縮財政を迫らなくとも、ギリシャは、国内の財政事情によって緊縮を迫られることでしょう。国民投票の結果の如何に拘わらず、将来的には財政緊縮が不可避であれば、緊縮財政案を受け入れ、EUとの良好な関係を保つ方がギリシャの財政再建は円滑に進むものと推測されます。もっとも、先日、中国高官がギリシャ救済の準備がある旨、発言しておりましたが、中国の支援は、ギリシャの主権にとりましては、EUとは比較にならない程、真の脅威となるのではないでしょうか。
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結局、EUが外部から緊縮財政を迫らなくとも、ギリシャは、国内の財政事情によって緊縮を迫られることでしょう。国民投票の結果の如何に拘わらず、将来的には財政緊縮が不可避であれば、緊縮財政案を受け入れ、EUとの良好な関係を保つ方がギリシャの財政再建は円滑に進むものと推測されます。もっとも、先日、中国高官がギリシャ救済の準備がある旨、発言しておりましたが、中国の支援は、ギリシャの主権にとりましては、EUとは比較にならない程、真の脅威となるのではないでしょうか。
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