「核兵器なき世界」の推進に重点 オバマ米大統領、広島訪問へ
5月27日という具体的な日程が挙がったことで、オバマ大統領の広島訪問は、俄かに現実味を帯びてきました。ネット上でも、最初の現職米大統領による被災地訪問への関心は高く、様々な憶測も飛び交っております。
この件に関しては、オバマ大統領の広島訪問を是非とも実現したい日本国政府が、”核なき世界”の理想に賛意を示し、”核の傘”の日本からの撤退を促すのではないかとする推測も見られます。”核なき世界”を実現するために、まずは、”核の傘”から廃絶しよう、というものです。しかしながら、現時点における”核の傘”の撤去は、核の脅威を拡大することは明らかなことです。第一に、”核の傘”の撤去は、NPT体制で曲がりなりにも維持されている核の抑止力が、非核国である日本国には及ばなくなり、核保有国の核攻撃に対して無防備となることを意味します。中国の核兵器は、既に日本国の主要都市に照準を合わせて配備されおり、中国側は、先制核攻撃の可能性をも口にしています。中国には、核保有国としての”ノブレス・オブリージュ”のかけらもないのです。第二に、公然と核・ミサイル開発を進める北朝鮮の核保有の動機を強めることも、もう一つの逆効果です。本来、北朝鮮は、NPT体制にあっては厳格な取り締まりを受ける立場にあります。しかしながら、”核なき世界”の追求によって、日本国から”核の傘”がなくなれば、核保有による対日脅迫効果は格段に上がると期待することでしょう。
オバマ大統領は、被爆地広島においても、ノーベル平和賞受賞の切っ掛けとなった2009年4月のプラハ演説のような名演説を行い、任期終了を前にした政治的遺産として、世界に向けて”核なき世界”をアピールする意向とも報じられております。しかしながら、上記のように考えますと、予定されている演説の内容は、”核の傘”の日本国からの撤去ではなく、中国と北朝鮮に向けて核廃絶を訴える内容をお願いしたいと思うのです。米ロ間には、STARTなど、核削減交渉の成果がありますが、米中の間には、今日に至るまでこうした削減交渉の枠組みがありません。また、北朝鮮は、目下、”核なき世界”への最大の障害となっているのですから。
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この件に関しては、オバマ大統領の広島訪問を是非とも実現したい日本国政府が、”核なき世界”の理想に賛意を示し、”核の傘”の日本からの撤退を促すのではないかとする推測も見られます。”核なき世界”を実現するために、まずは、”核の傘”から廃絶しよう、というものです。しかしながら、現時点における”核の傘”の撤去は、核の脅威を拡大することは明らかなことです。第一に、”核の傘”の撤去は、NPT体制で曲がりなりにも維持されている核の抑止力が、非核国である日本国には及ばなくなり、核保有国の核攻撃に対して無防備となることを意味します。中国の核兵器は、既に日本国の主要都市に照準を合わせて配備されおり、中国側は、先制核攻撃の可能性をも口にしています。中国には、核保有国としての”ノブレス・オブリージュ”のかけらもないのです。第二に、公然と核・ミサイル開発を進める北朝鮮の核保有の動機を強めることも、もう一つの逆効果です。本来、北朝鮮は、NPT体制にあっては厳格な取り締まりを受ける立場にあります。しかしながら、”核なき世界”の追求によって、日本国から”核の傘”がなくなれば、核保有による対日脅迫効果は格段に上がると期待することでしょう。
オバマ大統領は、被爆地広島においても、ノーベル平和賞受賞の切っ掛けとなった2009年4月のプラハ演説のような名演説を行い、任期終了を前にした政治的遺産として、世界に向けて”核なき世界”をアピールする意向とも報じられております。しかしながら、上記のように考えますと、予定されている演説の内容は、”核の傘”の日本国からの撤去ではなく、中国と北朝鮮に向けて核廃絶を訴える内容をお願いしたいと思うのです。米ロ間には、STARTなど、核削減交渉の成果がありますが、米中の間には、今日に至るまでこうした削減交渉の枠組みがありません。また、北朝鮮は、目下、”核なき世界”への最大の障害となっているのですから。
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