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大学教授キョトンCブログ!!
33名、帰国!
2008年夏以降、EPAに基づき来日し、日本の特別養護老人ホームや病院で働いているインドネシア人、フィリピン人に関わる話である。
昨日、修士のM君に、毎日新聞の1面と3面に掲載された、外国人介護福祉士・看護師候補者の記事をコピーして、プレゼントした。
今日、そのM君からの耳寄り情報として、ヨミウリオンラインの記事をいただいた。
師弟で、最新情報を交換し共有している。
33名は、ショックな数字である。
インドネシア人15名(そのうち、介護福祉士候補者3名、看護師候補者12名)とフィリピン人18名(そのうち、介護福祉士候補者7名、看護師候補者11名)とが帰国したそうな。
これまで、インドネシア人とフィリピン人合計880名が、日本の特別養護老人ホームや病院で研修・就労している。
看護師候補者は毎年国家試験を受験できるので、昨年と今年受験した候補者も多い。
今年は3名の候補者が看護師の国家試験に合格している。
このように成功している方が3名いる一方で、国家試験の難しさに<心が折れた>方や受験勉強に疲れてしまった方が多い。
でも
待てよ。
本当に33名は多いのだろうか??
ヨミウリオンラインのタイトルは、<「日本での看護師」続々断念>となっているが、続々なのだろうか。
880人中の33名。
率にして、約3.8%
確かに、難解な専門用語だらけの日本語の国家試験は改善すべきであるが、
その構造的な問題は、33名と切り離して考えるべきであろう。
日本に初めて来て、生活環境が合わない、文化の違いについていけない、普段の日本語が想像以上に困難である、などなど。
最初に帰国したケースは、冬の寒さが原因であった。
次のケースは、給与が予想外にやすかったことがその原因であった。
その後、新聞ではほとんど帰国者について報道されることがなかったので、いきなり33名と聞いて驚いたが・・・。
冷静に考えてみると、<さもありなん>の世界である。
帰国者が100人を超える状況なら、<続々>だけれども、
現段階で、<続々>とは言えない。
新聞の表現に我々は、惑わされてはいけない。