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大学教授キョトンCブログ!!
農村花嫁の悲劇。
第1次産業から第2次産業へ、第2次産業から第3次産業へ、
一つの社会の<産業化>が進行すると、
必然的に、第1次産業での配偶者選択が難しくなる。
そこそこの年齢になっても配偶者が見つからないということになる。
日本では、若者による第1次産業再評価の動きがあるが、この動きが、配偶者選択に至るほど、構造は熟していない。
勢い、発展途上の国々から配偶者を見つけることになる。
もちろん後継者育成を諦め、独身を貫く第1次産業の男性もいるが、他方、国際結婚斡旋事業者の仲介を経て、<第1次産業花嫁>を得るケースも多い。
発展途上国の若い女性も、産業化した国の男性と結婚することで、ある種のドリームを手に入れることができ、得られた収入を本国の家族に<仕送り>することもできる。
花嫁も花婿もお互いに<国際結婚に対する強い動機付けがあるから>
ゴールインするわけでR.
日本の農村然り、またお隣の韓国農村然り。
その韓国で、農村花嫁の悲劇が発生した。
所は、釜山。
釜山は漁村だけでなく農村も多い。
韓国人男性(47歳)がベトナムから来日した花嫁を1週間後に殺害した。
両国の国際問題に発展しかねない火種だ。
新郎は精神的に不安定な状態で、妻を殺せという幻聴があったそうな。
国際結婚してから、夫婦のどちらかが精神的な課題をかかえることがあるが、今回のケースは、結婚時に新郎側に精神的な課題があったと言える。
仲介した斡旋業者もそのあたりの事情が分かっていたのではないか。
この8年間に韓国での国際結婚は3倍に急増している。最も多いのは中国であるが、次に多いのがベトナム。
スムーズな結婚に至るように数か月の婚約期間を設け、お互いの人間性を確認しあうようにしなければならない。
日本でも、農村花嫁をめぐる構造的な問題は、ほぼ同じであるので、対岸の火事と思わず、
農村花嫁の悲劇を未然に防ぐために、当事者、行政、斡旋事業者、国際結婚研究者の強固なスクラムを組むべきである。