先日、波瀬宿を歩いてみましたけど、その手前の宮前宿もほんの少しだけ歩いてみました。
土日、今まで経験したこともないような巨大な台風10号が来るということで、はるか東シナ海を北上しているだけなのに、うちはもう影響を受けて、雨が降ったり、風も吹いたり、雷が近所に落ちたり、何だか落ち着かない天気にはなっています。
でも、金曜と土曜の午前まではまだ余裕があるということなので、フラッと歩いてみたんです。
波瀬宿まで何キロくらいあるんだろう。やはり、20キロとか、それ以上とか、それなりに遠いでしょうね。そして、その向こうは高見峠があります。そこを越えないと、大和の国に行けないんですから、旅人は少し憂鬱だったかな。いや、そんなの序の口だから、どんな坂でもやってこい、だったのかどうか。
まあ、江戸時代の旅人は、峠越えなんて、当たり前というのか、峠を越えなきゃ新しい世界に行けないというのか、とにかく、みんな当たり前で越えてったんでしょう。
そして、私は4か月ぶりに珍布峠(めずらしとうげ)に来ていました。ここにたどり着くまで、たったの1.5kmですから、わりとすぐに着くんだけれど、山道とっかかりのところでは、「クマが出たら、どうしよう?」「ヘビはいるかな?」「シカはいないだろう」とか、おっかなびっくりではあったのです。
しばらく歩いたら、道の雰囲気に慣れて、普通に歩けるようになったら、わりと簡単に峠の切通しのところにたどり着きました。
小雨も降ったり止んだりでした。お天気は落ち着きがなかった。
ひと通り写真を撮ったら、もう帰ろうとしたんです。そうです。この日も峠の東から西に向かってゆっくり風が抜けているようでした。
坂道を歩いている時には感じなかった風なのに、ここだけ通り道になっているのか、しっかり抜けていますよというアピールがありました。
やはり、風は東から西なのか……。
それで、もうジットリ汗ばんでいました。もう、ほんの少しだけ歩くだけでしたので、帰ることにしました。そうしたら、フル装備のご夫婦がやってきて、私も自分から挨拶して、何かことばも交わしたんですけど、もう忘れてしまった。何の話したっけなあ。「暑いですねえ」くらいだったかな。ご夫婦は、岩から滲みて出て来る水に感心しているようでした。
もう、クマは怖くなくなりました。ご夫婦だって、普通に歩いてきているようでした。しばらくいくと、今度はスポーツウェアの黒ずくめの女性二人ともすれ違いました。彼女たちは、いつものルーティーンで、峠まで来たら引き返すというウォーキングをしている感じでした。
私は、光と影を求めて、フラフラもと来た道を歩いていたら、引き返して来た彼女たちにこの辺りで抜かれて、あとは更にゆっくり歩いて、宮前宿のお宮さんの花岡神社にお参りして、近所の道の駅で温泉に入り、帰ってきたんでした。
道の駅で草餅が半額だったから、家のお土産に買いました。明日の朝、食べようと思います。