リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

風邪には大食、熱には小食はまちがいだって

2022年09月25日 | 日々の風の吹くまま
9月24日(土曜日)。☀🌤。朝日がまぶしい。ゆうべは咳も少なくて、かなりよく眠れた気分。きのうはウォーキングを休んで、ひたすら休養に務めていたんだけど、夜の9時を過ぎたあたりになって、もろにガス欠の状態。前の夜に咳がひどくてあまり眠れなかったせいだと思うけど、あくび連発で頭はもやっとして来るしで、どうしても座っていられなくなって、とうとう10時前にソファにバタン。そのまま11時までうとうとしたけど、何とも経験したことのないような疲労困憊感だった。ワタシの身体がありったけのエネルギー資源を総動員して風邪ウィルスに総反撃をかけたんだろうな。寝る前の体重はいつもの朝の体重(だいたい夜の体重マイナス1キロ)に下がっていて、けさ起きて量ったら、さらに減って維持目標からマイナス1キロ。必死の風邪ウィルスと戦うにはそれなりの戦力(体力)がいるってことだね。

朝ご飯を食べながら、体重がちょっと減り過ぎたと言ったら、カレシが「今日の断食は晩ご飯だけにした方がいいかもしれないね。昔からfeed a cold, starve a feverと言うから、食べた方がいいよ」。これ、今でもよく耳にする古い格言で、「風邪には大食、熱には小食」とでも言う意味。でも、風邪をひいて高い熱が出てうんうん言うことだってあるわけで、そんなときはどうすりゃいいの?食べさせるの?食べさせないの?と迷ってしまわないのかな。ワタシの感覚としては、特に消化器系の病気じゃないなら体力をつけるために栄養のあるものを食べさせるのが真っ当に思えるけどね。そう思うとちょっと気になってしまうのがワタシで、さっそくググって見つけたのがずっと昔購読していたことがある『サイエンティフィックアメリカン』の記事。それによると、格言の起源は1574年に遡るそうで、身体がcoldの時は食べて体温を上げ、feverの時は食べるのを控えて体温を下げるということなんだけど、この「cold」の解釈が微妙。今でこそ名詞として使えば誰でも真っ先に「風邪」と解釈するけど、医学的知識の乏しい中世のことだから、ここは体が「冷えている時」(寒気がするとか?)と考えれば、feverは身体が「カッカと熱い時」で、食べ物によって体温を調節すると言う発想だったんじゃないかな。

記事によると、「現代の医学によると格言は間違っていて、feed a cold, feed a feverであるべき」なんだそうで、身体は病気と闘うのにエネルギーを必要とするから、ヘルシーな食事をするのが何よりも役に立つ。発熱は病原体を退治するための免疫機能のひとつで、体温を上げることで新陳代謝が高まって燃焼するカロリーが増える。つまり、熱が上がるにつれて代謝機能を支えるエネルギーの需要が増えるわけで、そのためにカロリーの供給量を増やすことが重要になる。要するに、風邪をひいて熱を出したら、(ヘルシーな)カロリーのあるものを食べなさいと言うこと。だけど、カロリーよりももっと重要なのは水分の摂取。熱が出ると発汗などで脱水しがちで、そうなると粘液が固まってしまって鼻詰まりや咳がひどくなるなので、とにかくただただへたり込みたい気分でも、自分のお尻を叩いて水分を摂りなさい、食欲がないときでも(アルコールやカフェインのない)水分の補給だけはがんばりなさいってことね。

そこで思い浮かんで来るのが、これまた風邪の季節のジョークにしょっちゅう出て来る「チキンスープ」。遠く12世紀に哲学者で医者だったユダヤ人のマイモニデスがその著書に風邪の症状を軽減し、喘息の治療に効果があると書いたとかで、チキンスープは「ユダヤのペニシリン」と呼ばれるようになったそうで、この季節にはあちこちの料理サイトにとっておきのチキンスープのレシピがたくさん登場する。読んでいた記事も、「風邪を引いたらチキンスープを飲むといいと言うのはどうなんだろう」。それによると、チキンスープそのものには「魔法の成分」は何も入っていないけど、代謝に必要なカロリーや最も大切な水分の補給をしてくれるし、ボウルから立ち昇る湯気は乾いて硬くなった粘液を緩めるのに役に立つということで、今のように何にでも薬がある時代じゃなかった昔の人たちの知恵の賜物ということかな。何よりも、ほっかほかのおいしいスープを飲めば身体も心も温まって、自然と元気が出て来るもんね。そうだ、明日のランチにはチキンスープを作ってみようっと。