リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

お金は使ってなんぼのものというじゃない

2023年10月14日 | 日々の風の吹くまま
10月13日(金曜日)。☀⛅☁🌧。朝焼け。予報は夜から雨。今日は13日の金曜日。ワタシにはこの日はなぜかラッキーがことがよくあるんだけど、今日はどうかな。何も不運なことがなければ、それはそれでラッキーと言うことになるのかな。つまりは、幸運も不運もあざなえる縄のごとしってことか。でも、すでに遠い昔になって、いつだったかは思い出せないけど、何かひどくがっかりするようなことがあって、13日の金曜日だもんなあと自分を慰めたことがあるような気がするな。思い出せないのなら、それほどひどくがっかりしなかったのかもしれないけど。


朝焼けの空

コロナのパンデミック中の「終わりのない幕間」を経て、3年ぶりに通常のシーズンに戻ったArts Clubだけど、現状はまだ厳しく、チケットの売れ行きは緩慢ながら回復して来てはいるけど、柱であるサブスクリプションが25%も減少して、結果的にかなりの赤字になったらしい。そこで来年の5月にBMOセンターのニューモント劇場で上演を予定していた『Cambodian Rock Band』をキャンセルせざるを得なくなったというメールが来た。ニューモント劇場は240席ほどの小さなところで、小規模な新作や実験的な作品を1シーズンに3本上演しているんだけど、キャンセルした作品はキャストが大きすぎて、コストの大半をカバーできるだけの売り上げは見込めないと判断した結果だそう。いったんはラインアップに入っていたのがコロナでキャンセルになったといういわく付きで、せっかく復活かと思ったらまたキャンセルになって気の毒だけど、来年秋からのシーズンに440席のグランヴィルアイランド劇場に移して上演する予定だそうだから、3度目の正直で実現するといいね。

演劇界はコロナの「幕間」からの回復が今ひとつで、Arts Clubのようなメジャーの劇団でも、あるいはメジャーだからこそ、財政難に頭を抱えているわけ。サブスクリプションが減り、単発のチケットの売り上げが伸びないのは、コロナでリモートワークが普及したおかげで、定期的に芝居を観に行くような階層の多くがバンクーバー市から郊外に移動して、多額のマイホームローンを抱えて経済的な余裕がなくなり、バンクーバー市の隣の隣に住む私たちでも片道1時間はかかるから、もっと遠い郊外に移った人たちは時間的にも遠くなったという事情もあるんじゃないかな。メトロバンクーバーのどの市にも劇場があるんだから、かなりの郊外からでもアクセスしやすいニューウェストミンスターかコクィットラム、あるいはピットメドウズあたりに350席くらいのサテライト劇場を設けて、1シーズンのラインアップの半分でもいいから、バンクーバーで終演後に例えば2週間くらい腰を落ち着けて公演を続ければ、郊外に移ったために観劇を諦めた人たちを呼び戻して、さらにこれまで遠いから行きたくても行けないでいた人たちも引き付けるのに役立つと思うんだけどな。

共有の投資口座から少し引き出して預金口座に入れておこうと思っていたので、当初の「少し」よりもう少し多め出して、ワタシの家族であるArts Clubに寄付しようかな。焼け石に水なのは当たり前だけど、クリスマスが来ることだしね。(宝くじが大当たりしたらどぉ~んと寄付できるんだけど、さっぱり当たらない・・・。)私たちの年になると、幸か不幸か子供がいないし、リタイア生活に不自由がないんだから、持っているお金をがんばって増やすよりは楽しいことに使った方が、お金も喜ぶと思うんだけどな。お金は使ってなんぼと言うもの、一緒になってほぼ50年を2人してがんばって来たご褒美のつもりでね。



雲行きが怪しくなって来た・・・

秋たけなわで芸術と味覚と食欲をひとまとめ

2023年10月14日 | 日々の風の吹くまま
10月12日(木曜日)。☀。何となく目が覚めたら7時。日の出はほぼ7時半で、山の稜線が朝焼けっぽい色で、フレーザー川に沿って濃い川霧が立ち込めて、ポートマン橋は何となく暖かそう。川向こうのサレーは朝のようだけど、ニューウェストミンスター側はまだ夜の風景。何だか夜と朝の間と言う感じ・・・。


夜明け前・・・

川霧に埋もれたポートマン橋

カスケード山脈(アメリカ側)の荒々しい稜線

夜と朝の間

きのうの芝居はおもしろかった。『シラノ・ド・ベルジュラック』の翻案で、バンクーバーの多文化メッカであるコマーシャルドライブ(通称ザ・ドライブ)に舞台を移して、ぶ男のシラノはネットの商品説明を書くのが仕事の超肥満体の女性イサベル。ルームメートのクリスティンの出会いアプリのプロフィールを直してあげて、出会ったインド系の男ハジットとのデートをためらうクリスティンに代わって男に会いに行って好感を持ち、2人を出会わせた後はクリスティンに代わってSMSのメッセージを書いてあげて、クリスティンがバルコニーに立っているハジットに愛を告白するのを生垣の後ろに隠れて代演。原作ではシラノが愛するロクサーヌの腕の中で死んでしまうんだけど、イサベルはDV男の元彼を捨て切れないクリスティンと別れたハジットと結ばれて、めでたし、めでたし。Arts Clubのプロモ写真を拝借して来たけど、イサベルを演じたステファニー・デイヴィスはとってもキュートで、いい味を出していた。


『Someone Like You』のプロモ写真(Arts Club)


午後、抜けるような青空にぽかり、ぽかりと浮いていた白い雲。何となくコンピュータで描いたみたいな感じがするな。人が動物の顔が見えるような、見えないような。動物が見えるような、見えないような。大空で刻々と姿かたちを変えて行く雲は、自由奔放でいいなあ。気持ちが軽くなるような空の下をマーケットへ。ケイラのテントでカレシ注文のトマト、赤いのと黄色いのと取り混ぜて、大きくてみごとなのを5個。黄色いのがちょっと四角っぽかったので、ケイラに日本には出荷の便を考えて開発した四角いスイカがあるという話をしたら、「それは名案だわ」。でも、四角いトマトって、はて。ポールのテントでは今が盛りのシャンテレル(アンズタケ)をどっさり。ポールが「おまけだよ」とふたつかみも入れてくれて、一番大きなマイタケが入っているミックスのパックも買ったら、中のヤマブシタケが小さいからとそれよりも大きいのを「おまけ」に入れてくれて、もうきのこのOD(過剰摂取)になっちゃいそう。シャンテレルは明日注文したバックリブを取りに行くときにヴィクターにお裾分けしようっと。

今日の晩ご飯は分厚いアヒまぐろのたたき風ステーキに大根おろしと刻みネギを載せて、残っていた白かぶとポールの新鮮なシイタケとケイラのべか菜の煮物風と、シソの花芽入りの玄米麦ご飯。ワタシ得意の思いつき料理はみぃ~んな極楽とんぼ亭スペシャルの「ナンチャッテなんちゃら風」。あはは。でも、おいしくできたら文句なしだよね。



インフルエンザのワクチン接種の予約

2023年10月13日 | 日々の風の吹くまま
10月11日(水曜日)。☁🌤🌥。まあまあの秋らしい日に戻った感じ。朝ご飯を食べながら携帯でメールをチェックしたら、おっ、来たっ。インフルエンザのワクチン接種の「お誘い」。義務じゃないから、「ワクチンをしに来い」と言うわけに行かないので、invite、つまり「お誘い」。感謝祭明けから高齢者と基礎疾患のある人に優先して「お誘い」の送信を始めると聞いていたので、クルーズに行く前にできるかどうかがが懸念事項だったけど、2日目にお誘いが来るとは思っていなかったな。


お誘いメール

コロナのワクチン接種が始まったときに、接種済みの証明などを発行するために、州の保健省が接種記録を集中管理するようになって、それを拡大してインフルエンザのワクチン(たぶん他の病気のワクチンも)も対象にしたもので、メールアドレスを登録しておくと、こうやって「お誘い」が来るわけ。メールには専用サイトへのリンクと登録確認コードが付いていて、そこをクリックすると、名前と共に登録コードがすでに入力されているので、個人の医療保険番号を打ち込むだけで予約のページへ。呼吸器疾患の季節なので、インフルエンザとコロナのワクチンを同時に受けることができるんだけど、コロナのブースターの場合は、前回接種から6ヵ月経過すると「お誘い」が来るので、春にヨーロッパで感染したために、帰って来てすぐに来たお誘いを3ヵ月の延ばして7月初めに6回目を受けた私たちは、今回ワクチンの選択ボックスに表示されているのはインフルエンザだけ。それをクリックするとワクチンの種類の選択ボックスに自動的に65歳以上が無料で受けられる高用量四価ワクチンが選択されているという効率の良さ。

次のページで接種場所を探して、日にちと一緒に選ぶと、その場所での時間表が15分刻みで表示されるので、都合のいい時間を選んで、確認メールを受け取るためのアドレスを入力して、「予約」ボタンをクリックすれば予約が完了して、確認メールが送られて来る。接種場所はだいたいが薬局で、初めは行きつけのスーパーの薬局を選んだら接種予定がないとのことで、リストをずっとスクロールしていたら、あは、最後に道路向かいに最近開店したばかりの薬局が出て来た。この近さでは選ばない手はないと、来週の水曜日を選んでクリックしたら、午後いっぱい空きがずらり。まだ新しいところだからかな。薬剤師の注射の腕がどんなものかわからないけど、駐車なんて一瞬のことだし、道路を渡って30秒の便利さには勝てないから、来週水曜日の午後1時と1時15分に予約。それぞれ確認メールが来て、カレンダーにまたフラグがひとつ。


予約確認メール

懸案がまたひとつ解決して、やれやれ。きのうからほんとに予約、予約、予約だったな。予約のことをbooking、予約するという動詞はbook。ネットもスマホもなかった大昔、後日のサービスをメモ帳か台帳のようなものに書き込んだから、その「本」が動詞になったんだそうで、デジタル時代の今なら「電子手帳」というところかな。アナログ時代の言葉がそのまま受け継がれているところがおもしろいね。読書好きな人のことをbookworm(文字通り「本の虫」)と言うから、予約、予約で大忙しだったワタシはまさにbookwormってことになるけど、あは、日本語にしたら「予約の虫」で駄洒落にもならないや。さてさて、今夜はArts Clubのシーズン第2作『Someone Like You』の初演オープニング。ロスタンの名作『シラノ・ド・ベルジュラック』のミレニアル版というところで、スマホでデートアプリやSMSを駆使しての現代劇というところがおもしろそう。

予約、予約、予約・・・

2023年10月11日 | 日々の風の吹くまま
10月10日(火曜日)。🌧☁🌥。連休明けは本格的な雨でスタート。風もあって肌寒いけど、これがまあ普通。でも、午後になってもこんな天気なら、買い物は晴れの予報が出ている明日の方が良さそうかな。雨の中をトロリーを引っ張って歩くのはちょっときついもの。雨期に入るこれからの季節は、買い物のタイミングを決めるのに天気予報と冷蔵庫の中との睨めっこ。

クルーズまでほぼ2週間になったので、今日はまず自宅と空港の間の(無料)リムジンサービスの予約。(ローマの空港からホテルまで、ベニスでは船から空港までの送迎は、従来通りシルバーシーの管轄。)案内メールのリンクを辿って、ブラックレーンのサイトで同じメールアドレスを使ってアカウントを作ったら、シルバーシーのロゴを併記したページが開いて、行きと帰りの利用期間が表示されて、なるほど。ここで行きの26日を指定して、離陸は午後5時45分だけど、手荷物を預けたり、セキュリティで並んだりする時間を勘案して、迎えは午後2時半に指定。(時間が余ったらラウンジでのんびりすればいい。)自宅住所と行き先、連絡用の携帯番号を入力して、「予約」のボタンをクリックしたら、わっ、予感した通りに黒塗りのベンツの写真。ダイムラー社が多額の出資をしたそうだから、他のメーカーの車を使うわけには行かないだろうな。帰りの空港からの分も、エールフランス機の到着後45分を選んだら、お迎えは12時10分と出て来て、到着が遅れても1時間まで無料で待機と出て来た。どちらもすぐに確認メールが来て、は、簡単じゃないの。

次に旅行保険を買うために、BCAA(BC自動車協会)に時間を予約。オフィスは道路向かいでリビングの窓から見えるんだけど、コロナが登場してからは予約を優先するようになっていて、BCAAのサイトでニューウェストミンスター支店を指定して、旅行保険を選択。希望として23日を選ぶと、その日に空いている30分刻みのスロットが表示されるから、「午後1時」をクリックして選択。保険は2人分別々なので、ページの最後の「もう1人分予約」をチェックして、「予約」ボタンをクリック。確認メールが来たら、すぐに支店のサイトに戻って、同じ要領で「もう1人」の予約。同じ日を選ぶと、「午後1時」は消えているから、30分後の1時30分を選択。これで1件の予約と言う形になって、ひとりの担当者が通しで手続きできるし、支払いはひとつにまとめてできるので効率的。こっちもすぐに確認メールが来て、予約完了。

最後の仕上げに、エージェントのジェフとのメールのやり取りでビザやワクチン接種証明が不要なことを確認。今日Arts Clubの常務理事のキャシーと会ったそうで、「来年の12月に南極クルーズってのはどう思う?」と聞くので、さては来年のArts Clubのグループ旅行の候補か。興味はあるけど、私たち、来年は東京行のクルーズから帰るのが10月半ばだし、翌25年の3 月にはまたアジアのクルーズがあるから、半年で3回のクルーズは体力的にも無理だなあ。(カレシは興味ないそうだし。)午後になって晴れ間が出て来て、「やることリスト」も半分になったので、今のうちに買い物。帰って来たら、今度はディナーに招待していたケイトお姉ちゃんから「ロバートと相談して、22日がいいということになったけどどう?」とメール。もちろんオッケーで、おうちレストランに予約を入れたよぉと返信。忙しくなって来たぞ。午後5時半を過ぎて、さて晩ご飯と言う時にきれいな虹が出たけど、何と4分後には跡形もなく消えてしまった。忙しないねえ・・・。


ダブルの虹が出て・・・(午後5時36分)

ぐんと大空に伸びて・・・(午後5時38分)

アーチになりそうと思ったら・・・(午後5時39分)

感謝祭のごちそうはローカルの食材で

2023年10月11日 | 日々の風の吹くまま
10月9日(月曜日)。☁🌧☁。三連休最終日の感謝祭は、予報通りに雨が降ったり止んだり。きのうまで20度台だった気温もほぼ今ごろの平均的な温度。そのせいか何とも静かなもの。いつものモールが開く時間にウォーキングに行ったら、2階はオフィスがみんな休みで、下の店も閉まっているところがあるし、シニアの社交場のようになっているフードコートも閑散として、ここもいたって静か。

のんびりしているうちにランチタイムになって、今日はきのうの晩ご飯の残りのスシ。握りとロールのパック2個の他にカリフォルニアロールのパックも2個買って来たら食べ切れなかった。冷蔵庫に入れておくとご飯が乾いて硬くなるのは知っていたから、ランチで食べるのはネタだけ。残っているのはサーモンとビンナガの握り3個の他に、カリフォルニアロールとダイナマイトロールだけで、ロールはどっちもご飯が外側だから簡単に取れて、何だかネタの海苔巻きと言う感じ。こっちでは定番のカリフォルニアロールは実はバンクーバーが発祥の地で、私たちのお気に入りの和食レストランTojo’sの大将が考案したというのが定説になっている。ダイナマイトロールと言うのは、最近はやっているカリフォルニアロールにエビフライを突っ込んだような巻きで、端っこはえびの尻尾が突き出している。スシ屋がひしめいているバンクーバーではバラエティに富んだ巻きずしに、日本から来た人が目を白黒させること請け合い。


ダイナマイトロール

感謝祭のごちそうは大きな七面鳥が定番だけど、2人だけでは食べ切れないので、我が家はだいたいコーニッシュヘンか鴨の足。カナダの鴨はフランス系のケベック州が大産地で、こっち端のBC州のスーパーではだいたいスペシャルティのフリーザーに冷凍したものを置いている。皮付き、骨付きのもも肉はちょうどいい1人前の大きさで、フランスの田舎料理であるコンフィはびっくりするほど簡単。皮にぶつぶつと穴を開けて、塩を擦り込んだもも肉をニンニクとタイムと一緒に耐熱容器に入れた鴨の脂に沈めて、普通のローストよりずっと低い150度くらいのオーブンで2時間ほど調理してから、脂から出して上火で皮に焼き目を付けるだけ。肉が骨からほろほろと外れるくらい柔らかくなるので食べやすい。今日はワイルドライス入りの長粒米ミックスを炊いてバターで炒めた松茸を混ぜたものと、かぶ、にんじん、べか菜、サイコロポテトをチキンブロスで電子レンジで蒸し煮したものを付け合わせて、ちょっぴりごちそう風。鴨とライスミックス以外はぜぇ~んぶローカルの食材で、新鮮な秋の収穫に感謝ってところ。



日本では地震らしい地震がなかったのに津波が起きたそうだけど、きのうかおとといにはバンクーバー島のビクトリアで地震を観測したというニュースがあった。震源地はアメリカ側のシアトルから北東に62キロの島の近くで、マグニチュード4.3。太古のプレートのかけらである小さなプレートが太平洋プレートに押されるように北アメリカ大陸の下に沈み込むこの辺りは日本と同じく地震の巣で、巨大地震が起きるのはそう遠くない将来だと言われていて、バンクーバー島の北からさらに先のハイダグワイ諸島の周辺ではときどき地震が起きている。ハイダグワイの西には大きな海底火山があるし、火山と言えば、新雪に輝くベーカー山は数千年噴火していなくてもれっきとした活火山だし、はてさて・・・。

きわどいシーンが満載のベッドルーム喜劇

2023年10月10日 | 日々の風の吹くまま
10月8日(日曜日)。☀。今日もいい天気。きのうの最高気温は10月の平均より10度も高い24度。州内の各地で新記録を樹立したそうで、バンクーバー圏では郊外のピットメドウズ27.77度だったそうな。今日もそのくらい行きそうな感じで、日曜日の掃除の間も汗だく。でも、明日は平均的な気温に戻って雨が降るという予報には変わりがないので、束の間の夏を楽しむのは今日限りというところ。

郊外を巡演中のArts Clubの『The Birds & The Bees』がきのうと今日の予定でニューウェストミンスターに来ていて、今日のマチネにチケットを取ってあるので、ランチを済ませて、ひと息入れて、ウォーキングを兼ねて1時過ぎに坂下のアンヴィル劇場へ。電車の駅の道路向かいで、歩いて20分ちょっとだけど、ロイヤルアベニューを渡ってからの最後の300メートルが急な下り坂で、おまけに歩道が左右に傾いているから、年寄りの膝には少々きつい。(だから帰りは駅からバス。)アンヴィル劇場は市が多目的施設として作ったアンヴィルセンターの3階にある360席の劇場で、小さいけどオープンステージ形式の最新設備。作品は、いずれ翻訳したいと思っている『Bed and Breakfast』の作者マーク・クロフォードのもので、4年前にグランヴィルアイランド劇場で上演された時は、個人スポンサーとしてキャストのサイン入りのポスターをもらい、オープニングのレセプションではマークと話をする機会があった。




タイトルの「鳥と蜂」は子供にセックスについて教える、要するに性教育の比喩的表現で、ストーリーは、七面鳥農家の夫と別れて養蜂家の母親のところに転がり込んで来たアラフォーの娘と蜂の研究で修士号を取ろうとしてしている青年、母親とその土地を借りている隣人の農家の男(2人の元夫と元妻が結婚して交流できる距離で暮らしているらしい)のしっちゃめっちゃかなベッドルームコメディ。セットは隣り合わせの寝室2つで、セックスレスやら出会い系サイトやら七面鳥の人工授精やら、笑いで包んだきわどい台詞やシーンが満載。最後は娘に子供が生まれて、初体験でパパになってしまった青年とそれぞれ自立した新しいカップルになり、母親が孫が早産であわやと言う時にサポートしてくれた男に「愛してる」と告白し、出会い系でのもてぶりが自慢だった男がしおらしく「オレもだ」と言って、めでたし、めでたし。

そこに至る伏線として、青年が人生は計画通りに行かないものだから、自然の成り行きに任せることも大事で、どのようにそれを実現できるかという研究論文を書くつもりだと言い、それを聞いた男がミツバチの大量死と農薬の関係性を巡ってたびたび口論していた母親に、「オレの畑とあんたの蜂の巣箱の間にたくさん花を植えて、ミツバチがナニをして増えるようにしよう」と持ちかけるシーンを入れて、さりげなく環境問題に言及しているところが心憎い。芝居が終わって、駅のスシ屋で晩ご飯をテイクアウトして、バスに乗って、ほんわりした気分で帰館。夜、夜景の光が見渡す限りちらちらと揺れていて、とってもきれい。予報通りに天気が変わるのかな。


楽しむための投資哲学と味わうための老後哲学

2023年10月08日 | 日々の風の吹くまま
10月7日(土曜日)。☀。感謝祭の連休初日。まるで初夏みたい。きのうは22度まで行ったそうで、今日も20度を超えそうな陽気。空は抜けるような青さだし、空気はきれいだし、ほんとにいい気分。聞くところによると日本も連休らしい。中国なんか大型連休が終わるところで、まさに秋は行楽シーズン。

急落していたガソリン価格は、今日もまたちょっと下がって174円。三連休でみんなどこかへ行ってしまったようで、スタンドはあまり忙しそうには見えないけどね。だいたいは連休の直前に値上がりして、連休入りしたとたんに下がることの方が多いのに、ほんとに予想外の値動き。もしかして、サウジアラビアが原油増産に踏み切るかもしれないというニュースが流れているのと関係があるのかな。債券市場の低迷で今月に入って春のレベルに落ち込んだワタシの老後の虎の子も、きのう今日でかなり上がって、夏の水準に戻りつつある感じだけど、これも関係があるのかな。値上がりしている時はお金に楽しんでもらって、値下がりしたら、今度はワタシがそのお金を楽しいことに使う、というのがワタシの投資哲学なので、損切りもかねて共有口座から少しお金を出そうかな。でも、投資家心と秋の空は・・・。

ウォーキングに行って来たら、後は1日のんびりを決め込むことにして、翻訳原稿を見直したり、カメムシ退治に精を出したり、クロスワードパズルをやったり。晩ご飯と寝酒だけをスキップするプチ断食の日なので、ランチは定番になりつつあるベーコンときのこのオムレツ風スクランブルエッグ。スーパーのベーコンは「煙風味」の燻製液に漬けて作ったものだからべちゃべちゃだし、1枚100円くらいの超厚切りでもまだ水っぽいんだけど、向かいのヴィクターの店で売っているのは本物の煙でしっかりダブルスモークしたものなので、水っぽさがなくて、焼けばいい脂が出て、歯ごたえがしっかりしているので、スーパーの超厚切りとほとんど同じ値段でも品質は格段に上。普通の朝ご飯なら1人22枚とか焼くだろうけど、スクランブルなら細切れにするから2人分で2枚、多くて3枚。まあ、余生のあるうちにおいしいもの、好きなものを堪能しようというのがワタシの老後哲学で、年を取って食べる量が減れば、単価の高いものでも結果的には概ねプラマイゼロで、幸せ気分は倍増。

土曜日と言うことで、きのこ屋のマットにまだ松茸があるかとテキストしたら、「あるから、マーケットの帰りに寄るね」という返事。ニューウェストのマーケットに来るきのこ栽培が本業のポールとは山から採って来るきのこが違うので、2人から買えばバラエティが広がって、言うことなし。今日持って来たのは松茸と小ぶりのシロカノシタ(アンズタケ)で、マットが車から降ろしたバスケットの松茸はかなり大きくなっていて、傘が開いたのも多いけど、香りはまだたっぷり。(価格は急降下。)ぶっとい軸は何種類も一緒にして作るきのこブロスに加えれば、贅沢なコクのある風味。太いのと小さいのを合わせて6本選んで、シロカノシタは両手いっぱいにざっくり2杯。合計を聞いて、来週の土曜日に見られる部分日食の話やパリのトコジラミ騒動の話をして、じゃあねというところで、マットが裏庭で採れたという小ぶりでつやのある桃を2個くれた。ありがとぉ。ほんと、味覚の秋は贅沢な味が満載で、感謝祭のご馳走、どうしよう・・・。




グルメきのこ、今6種類(松茸、シロカノシタ、シャンテレル、シイタケ、ヤマブシタケ、ヒラタケ)

秋の空はカメムシとタカとカラスと飛行機

2023年10月08日 | 日々の風の吹くまま
10月6日(金曜日)。☀。うわ、いい天気。短い週の終わりで、明日からまた三連休。窓の下のガソリンスタンドの表示は1リットル何と176円。たった3日くらいで30円も値下がりなんて、連休の前は値上がりすることの方が多いのに、いったい何が起きているのやら。さすがに行列と言うほどでもないけど、わりとひっきりなしで車が出入りしている。連休に遠出するのかな。

急に晴れて気温が上がったせいか、今日はやたらとクサギカメムシが飛んで来て、日が当たって温まった窓ガラスにへばりついてうろうろ。冬越しできそうな穴場を探しているってことだけど、ふと窓を見た時にこんなのが前の前にあるとぎょぎょっとなる請け合い。そこで大きな黒い点がもぞもぞしているのが見えたら、丸めた古いカタログと洗剤とピクルス用の酢を混ぜたスプレーで武装してルーフデッキへ。そろそろと近づいて、こっちに気づいて屁を引っかけてくる前にカタログでえいやっと叩いて、ポロリと落ちたところでスプレーで集中攻撃して、動かなくなったらカタログの先で隅の方に転がして、一丁上がり。退治のコツは叩き落す時の手加減かな。あまり強くたたくと潰れるし、手加減をし過ぎるとふらふらと飛んで行ってしまう。それにしても、今日は次々と来るなあ。窓が日陰になって冷えて来るまでの3時間ほどの戦果は17匹と、新記録。やぁ~だっ。



カメムシ退治が一段落して、さぁて脚本の翻訳の仕上げに集中しようと思ったら、ルーフデッキの手すりの向こうに何やら黒っぽい大きな塊。よく見たら、うは、タカ。手すりの外の庇に陣取って、世の中を睥睨しているみたい。速攻でカメラを掴んで写真をパチリ。カラスどもが5羽か6羽、タカの前を旋回したり、急降下したりと、ちょっかいを出すのに、羽を広げて威嚇したりしていたけど、こんな奴らに付き合ってられんわいと大空へ。カラスも、よく空中戦をやるカモメもいないので、遊び相手を探してどこかへ退散。静かになった大空を行くのは白い旅客機。ズームインして写真を撮ったら、飛んでいる方向からして東京から来たANA。最近バンクーバー国際空港の離着陸のアプローチが変わったようで、これまでは窓から見える飛行機のほとんどが空港に向かっていたのが、頭の上から北東から東の方に飛んで消えて行くのが見えるようになった。尾翼のロゴが肉眼で見えるくらい近くを飛んで行く飛行機もあって、ニューウェストミンスターの空も忙しくなったもんだ。




静かになった午後は、The Piano Teacherの改稿バージョン5の仕上げに集中。クルーズに出る前に印刷して閉じたものを東京の先生に送って、引退して名誉芸術監督になっているビルに「コンタクトしてみたら」と言われた、先生が共同創設者になっている劇団にコンタクトしてもいいかどうかお伺いを立てようという魂胆。ユウ君を見ていてわかったんだけど、とにかく行動あるのみなんだよね、この「業界」は。日没はもう7時前。夕日に染まったベーカー山がとってもきれい。



パリではトコジラミが大発生、ナポリでは火山が鳴動?

2023年10月06日 | 日々の風の吹くまま
10月5日(木曜日)。☁🌤☀。ちょっと夏っぽいような気配。予報では週末まで20度を超える陽気だけど、感謝祭の月曜日からはまた雨がちの寒々とした週。でも、感謝祭は伝統的に家族が集まって、七面鳥を焼いて、飲んで食べてする祭日だから、天気はあまり関係ないかな。我が家は2人だけだから、どうしようか。フリーザーから鴨のももと脂を出して来て、久しぶりにコンフィを作ろうかな。

週の初めには206円くらいだったガソリンが、どうしてか知らないけどいきなり186円になって、きのうなんかリビングの窓から見えるガソリンスタンドは1日中給油しに来る車が引きも切らずで、道路にまで行列ができる始末。けさはさらに2円くらい下がっていたけど、行列はできなかったのは、みんな満タンだからかな。我が家のチビ車に給油したのはいつだったかな。何しろ1年に千キロしか走らないもので、給油も年に3回くらいだから思い出せないけど、200円くらいしていたと思う。まあ、ガソリン価格はしょっちゅう乱高下するから、高い時、安い時は運次第なのかもしれないな。

ニュースサイトを見ていたら、ナポリに近いところで火山が鳴動しているらしいと言う話。おいおい。私たちの船は30日の朝にナポリに入港して、翌日31日の夕方までいることになっていて、ポンペイとアマルフィ海岸の観光を予約してあるけど、大丈夫かいな。まあ、シルバーシーが情報を集めて、何らかの安全措置を取るだろうけどね。フランスでトコジラミが大量に発生して、パリでは映画館や電車の中で噛まれる人が続発しているらしい。トコジラミというのは南京虫のことで、英語ではbed bugと呼んでいるもの。だいぶ前だけど、バンクーバーでもホテルなどでトコジラミが大発生してひと騒ぎしたことがあったな。観光客の荷物に便乗して渡来したと言っていたっけ。パリでは(たぶん発展途上国からの)移民に疑いの目が向けられているそうだけど、世界中から観光客が集まるんだから、どこから来たかなんてわからないよね。私たちは帰りの便がパリで乗継になっているけど、1時間半の滞在だから「ベッド虫」に遭遇する確率は低そう。実は我が家にもトコジラミがいるんだけど、サンフランシスコの科学館で買って来たぬいぐるみ。アメリカのGiant Microbesと言うメーカーが教育玩具として作っているもので、細菌やウィルス(もちろんコロナもあり)、臓器やがん細胞から害虫まで実に多彩。(日本でも売っているらしい。)はしかのウィルスなんかあんまりカワイイもので、つい買いたくなっちゃったりしてね。



今日はマーケットの日なので、スーパーは明日にしようと思っていたら、あら、バナナがないし、スパゲティーニもない。と言うことで、急遽スーパー行きを繰り上げて、牛乳やコーヒー、オリーブ油、カレシのクッキーも買い込んで、ヴィクターの店に寄ってサーロとボルシチミックスと豚ヒレとベーコンを買って来て、とんぼ返りで反対方向のマーケットへ。ケイラ(出産まであと1ヵ月)のテントでべか菜にレタスにニンジンにじゃがいもにラディッシュににんにく。ポールのテントでおいしそうな野生のシャンテレルときのこのミックス。となりにいたおばさんがシャンテレルのパックの量が多過ぎると悩んでいたので、要るだけ取って残りはワタシが買ってもいいと提案したら、結局ポールの威勢のいい勧めに乗ってパックを丸ごと買って行ったので、「オレって商売上手だろ」。あはは、先週はプロモーションのビデオで大根役者ぶりを発揮して、今週はきのこのたたき売り。冬の間はポートムーディのマーケットで親友のマットと隣り合わせのテントで商売するんだそうで、まじめ人間のマットとずっこけたポールのコンビっておもしろそう。マーケットに行けるのもあと2回かあ・・・。


シャンテレルとミックス(ヤマブシタケ、シイタケ、ヒラタケ、ベビーエリンギ)

ヨーロッパへのフライトをチェックしていて知ったこと

2023年10月06日 | 日々の風の吹くまま
10月4日(水曜日)。☁。週中のこぶの日だけど、連休明けの短い週だから「こぶ」はないのかな。調子が出かけたところで週末になって、また三連休。アメリカよりひと足先にサンクスギビングデイ(感謝祭)。夏がちょっとだけ戻って来るらしく、金曜日の予想最高気温は22度。もっとも肝心の感謝祭の月曜日は雨模様に戻るらしい。当てにならない天気予報が当たればの話だけど。

カレシの生徒のユウ君はオーディションに受かって、何と南アフリカまで行くんだそうで、ニューヨーク経由で丸々1日がかり。それでほんの数日の仕事でまた1日がかりで帰って来るというから、若いからできることとはいえ、世界を股にかけての役者稼業は楽じゃないな。一方で、ドイツと日本を行き来している渡り鳥の友だちは、手荷物なし、機内持込みもリュック1個だけという格安料金の便で日本に帰着。荷造りがないし、重いスーツケースを運ばなくてもいいし、預けたのが出て来るのを待たなくてもいいしで、これまでの最短記録だったとか。日本のパスポートなら入国管理も「外国人用」の長蛇の列に並ばなくてもいいしね。そういう話につられた感じで、ワタシもKLMの予約を確認。シルバーシーが送って来たインボイスの中にあったPNRナンバーを入力したら、アカウントなしであっさりログイン。まず2人のパスポート番号を登録したら、ローマ行きの便と一緒に帰りのベニス発のエールフランスの便も表示されていてびっくり。午前6時25分だったベニスからの便が6時55分に変更になっていたので、うわ、30分よけいに寝られるっ。(パリでの乗り換えの時間が30分減るけど・・・。)




どっちもオンラインのチェックインの開始時刻が太字で表示してあって、スクロールして行くと、行程ごとに航空会社、便名、出発時刻、機材、座席番号(矢印をクリックすると座席表が出る)、手荷物の数、食事の回数。PNRナンバーは4つのフライトを通して2人とも同じだから、すごく便利。座席は、国際線はフル装備のフルフラットで、EU域内は大きめのシート3席の真ん中にテーブルを取り付けた、プレミアムエコノミーをちょっと良くしたような形式。座席マップはクラスごとに色分けしてあって、後ろの方にごく少数だけど2席で1席みたいなのがあったので、何だろうと思ってググってみたら、何と超肥満体の乗客用の席。(「プライバシーを求めるカップル用」なんて書いてあったりするけど、「超メタボ様用」なんて書けないからね。)まあ、最近はどこに行ってもびっくり仰天するような超肥満体がいるのに、エコノミーの座席は小さくなる一方で、「幅の広い」人は席に座れなかったり、隣の席に身体がはみ出して苦情が出たりしていたから、ところどころに並んだ2席をくっつけて(窓際の席は空席にして)専用席を設けたんだろうな。料金がどうなのかは不明だけど、航空会社としては苦肉の策というところかな。(カナダではかなり前から最高裁が超肥満体の人が1席分の料金で2席を占拠するのを「権利」として認めているしね。)

出発便が26日午後5時45分ということを確認して、念のためスケジュールをPDFでダウンロードして、サイトを閉じたけど、KLMのサイトは実にすっきりしたデザインで、すごく使いやすくて、春に乗った時よりも改良されているという印象。エールフランスとKLMはひとつのグループになっているから、グループ外の航空会社を乗り継いだり、利用したりする場合はどんな具合か知らないけどね。それにしてもPNRって、政府が個人情報を把握できるとしても、テロや国際犯罪が横行する現代は、脛に傷がない身なら、利便性を享受するための必要悪というところかな。何しろ、善人も悪人も一緒に同じ飛行機に乗って世界を飛んで回れるんだから、自衛策と言えないこともないしね。ま、これで今日の「やること」はおしまい。


原風景のことを考えていたら・・・

2023年10月04日 | 日々の風の吹くまま
10月3日(火曜日)。🌫☁🌤☁。連休明け。起きたら、窓の外は道路向かいのマンションがぼんやり見えている程度で、後はなぁ~んにも見えない五里霧中。でも、どんより曇っているのと違って、何となく明るいから、ゆったりと宙を漂っているような心地の良さを感じる。霧深い釧路の海の見える丘の上で生まれ育ったワタシにとっては、果てしない空と海が出会う水平線のイメージと共に、霧に包まれているのもワタシと言う人間の原風景そのものなんだろうな。

この「原風景」と言うのは、まだ文字も言葉も論理思考も発達していなかった幼少時の「視覚的な」記憶のことを言っているんだと思うけど、その後の思考タイプや性格の形成にかなりの影響力を持っているらしい。だとすれば、霧の中の風景と空と海だけの風景はワタシの性格や思考にどんな影響を与えたんだろうな。霧に包まれた風景は物心つく前から見ていたはずだけど、いつ記憶として脳裏に記録されたのかは知りようがない。空と海と水平線の風景は、3歳ぐらいの頃の晴れた日に父と一緒に崖の上から海を眺めていた時の記憶だと思う。霧笛で有名だった灯台の近くに住んでいて、崖っぷちから見えるのは空と海とその間を一直線に突っ切る水平線。その水平線を指さして父が言ったの、「海の向こうにはいろんな人がいるんだよ。海と空の間を通り抜けて行けばいいんだ」と。何を考えて3歳児にそんなことを言ったのかな。若い頃に海外雄飛を夢見たらしいから、もしかしたら、戦争でその夢を果たせなかった自分に言っていたのかな。その時に父の言葉の意味をどこまで理解したかわからないけど、ぴったりとくっつき合った見渡す限りの空と海はその言葉と一緒にしっかり脳裏に焼き付いて「原風景」になったのは確か。だから船に乗るのが好きなんだろうな。(大きな船の船長になりたいと思ったときもあったし・・・。)

船に乗ると言えば、地中海クルーズまであと3週間半。シルバーシーから送迎サービスの予約をしなさいと、ブラックレーンと言うリムジンサービスのURLを送って来たので、ちょっと覗いてみたら、へえ、何かすごいね。ドイツの企業らしくて、ダイムラー社が相当に出資していると言うから、もしかして黒塗りのベンツで迎えに来るのかな。名前からして「黒」だもんね。おととしローマのホテルでガイドを頼んだら、ピカピカの黒塗りベンツに黒のスーツのガイド氏が現れて面食らったし、カルカソンヌに行ったときも旅行会社が手配したガイド兼運転手が黒塗りのベンツでバルセロナの埠頭まで迎えに来てくれたしで、ヨーロッパでは黒塗りベンツが送迎サービスの定番なんだと思ったっけ。それをシルバーシーがオールインクルーシブのサービスに組み入れたわけだけど、バンクーバーでも黒塗りのベンツに黒のスーツの運転手なのか、興味津々。ま、ウーバーのデラックス版てところかな。我が家から空港までは規定の距離以内だから、飛行機の出発時刻を確認して予約しようっと。

きのう月末から2週間ほど留守になるとの連絡メールを送っておいたクリニックから、シャサヴァン先生との面接は10月16日月曜日の午前9時45分か午後3時10分のどちらがいいかとの返事が来ていて、おお、やったぁ。カレシに聞いたら、即断で「3時10分」。すぐに「16日午後3時10分」でお願いしますとメールしたら、ほどなくして確認のメール。ばんざぁ~いっ。これでかかりつけの家庭医ができることが確定的(家庭医を通さないと専門医にかかれないシステムなので・・・)。さっそくカレンダーにフラグをペタン。明日はカレシが歯医者に行き、日曜日はArts Clubの郊外巡演の芝居、来週水曜日はArts Clubのシーズン2作目のオープニングで、16日にシャサヴァン先生との面接、23日あたりには旅行保険を掛けて(要予約)、26日にローマに向けて出発。何だかまた忙しくなって来たけど、2人の肩にのしかかっていた重荷がすっと降りた感じで、飛行機に乗ったら思いっきり手足を伸ばしてバケーションモードになろうね。


何だか「修理」がテーマのような月曜日だった

2023年10月03日 | 日々の風の吹くまま
10月2日(月曜日)。☁🌧☁。三連休最終日の月曜日。天気は急変。きのうはあんなに晴れていたのに、朝からどんよりと曇っていて、そのうちルーフデッキがポチポチと水玉模様になって、雨。まあ、予報通りなんだけど、もろにメトロバンクーバーの「雨期」と言う感じ。「雨、止むのを忘れないてほしいね」と言うのが、この時期に雨が降り始めると飛び出す挨拶。旱魃が続いた後の恵みの雨ではあるけど、春までの長い雨期はやっぱりうんざりするなあ。

天気のせいか、朝ご飯が終わっても何となくだらだらしていたら、朝っぱらから電話。おや、土曜日にカレシが架けた歯を治療してもらいに行った歯科から。長くさぼっていたクリーニングの予約を取るのに、英語レッスンのスケジュールと重ならないように、空いている時間を3つほど候補にもらって来て、「水曜日にお願い」とメッセージを残してあったんだ。水曜日の午後2時という好都合な時間が取れて、カレシが忘れないようにワタシのカレンダーにグリーンのフラグをペタン。ちなみに土曜日は2本の治療が必要で、何と2時間もかかったもので、椅子から立ち上がったらめまいがしたんだそうな。そうだろうねえ、口を開けて2時間だもんね。でも、ソニア先生が気に入ったようで何より。先生はセルビア人で、発音しにくい名字なので名前の方で呼ばれている。小柄でいつも楽しそうな雰囲気の人なので、先生を指名する患者が多くて、いつも大忙し。

朝の電話で勢いづいて、きのうメールを送った病院近くのクリニックから返事が来ていないかとチェック。ちょっと前からGmailのスパムのフォルダが太字になっていたのを消すつもりで開いたら、何とクリニックからで、ウォークイン担当のシャサヴァン先生がファミリードクター(かかりつけの家庭医)になるので、アルバータに行ってしまったスラニナ先生の患者を優先的に登録するというもの。何でこんな大事なメールをスパムのフォルダに入れたんだよっと怒りながら、これこれの事情で返事が遅れたけどまだ空きがあるかどうか問い合わせのメールを出してあった。その返事が「リストに載せました」と言うもので、近々「再度」面接の日を決めて連絡してくれるとか。やったぁ。「再度」ということは、最初の面接で登録枠が埋まらなかったということだろうな。スラニナ先生がルーマニア人で東欧系の患者が多かったのに対して、シャサヴァン先生は50歳くらいのイラン人で英語が完璧とは言えないので、こと医療となると言葉の壁は不安材料になるから、登録をためらう人も多いのかもしれない。私たちとしては、カレシが2度(2度目はワタシも同席)会って好印象を持ったので、シャサヴァン先生がかかりつけのドクターになってくれたら安心できると言うもの。うまく行くといいな。

歯科の予約を取って、家庭医が見つかる可能性が出て来て、何か2人ともいい気分。カレシがやぶから棒にバルコニーのプランターをルーフデッキに移したいと言い出したもので、バルコニーに置いてある鉢を移動するキカイ(ポットムーバー)で運ぼうとしたら、おや、鉢を抑えるフックが下がらないじゃないの。とりあえず、2人がかりでプランターをルーフデッキに運んで、ムーバーはレクルームに持って行って、フックの付いている金属のパイプを台座から外して、よぉ~く観察。上げ下げするためのハンドルは動くけど、下げようとしても頑として動かない。パイプがかなり錆びているので、どこかで引っかかっている可能性が大。そこで床に古雑誌を置いて、その上にパイプを立てて、フックの上にえいっと体重をかけたら、いきなりずずっ。後には茶色の錆がフックを固定するパッドのあったところを残してびっしり。なんだ、そういうことだったの。紙やすりでそっと錆びを落として、WD40(錆止め潤滑剤)をたっぷり吹き付けて、ぞうきんで磨いて、パイプを台座にはめ込んで、ねじを締めて、復旧作業は完了。重いプランターを移動するのにこれほど便利なものはないから、錆で固まっていただけで良かったね。何とも忙しい気分の月曜日だったな。


ポットムーバーはこんな道具(去年の写真)

普通の三連休の普通の日曜日

2023年10月02日 | 日々の風の吹くまま
10月1日(日曜日)。☀🌤。あ~あ、もう10月になっちゃった。普通の三連休の中日の普通の日曜日。今日もいい天気で、抜けるような(と言うよりは天高く抜けてしまっている)青空の下、ポートマン橋の向こうに川霧がびっしり。太陽がずいぶん低くなって、リビングの窓からダイニングエリアまで朝の日が差し込むもので、あ~あ、床の埃やごみが・・・。




今日は掃除の日だからいいんだけど、反射がまぶしいもので、箒で掃こうとしても肝心の埃もごみもよく見えない。それでも、まじめに掃除。寝室はベッドの夏のシーツを外して洗濯に回して、冬用に新調したフランネルのシーツと枕カバーに切り替え。トップのキングサイズのシーツの上にクィーンサイズのセットに入っていたトップを重ねて広げたので、しばらくは毛布を変えなくても暖かいと思う。担当のバスルームの掃除を済ませたカレシが11時のレッスンを始める前に、オフィスだけ箒で掃いた後に掃除機をかけてから、残りの掃除とモップかけ。大汗をかいた後で、ヴィクターの店で作っているボルシチミックスにチキンブロスを足して、ビーツ1個とジャガイモ半分とサーロのスライスを入れて、ランチのしたく。ボルシチは冬の間だけ(たぶんお母さんが)作っていて、人気アイテムのひとつ。出来上がったスープをカレシが絶賛。ほんとにおいしくて、病みつきになりそう。

午後一番でウォーキングに出たら、ロビーのメールルームの外で乾燥機がごうごう。上向きなので、天井を見たら、あはっ、穴が開いている。水漏れ事故らしいけど、上の階はキッチンの設備がある共有のパーティルームのあたり。もしかして食洗機が壊れたとか?モールの2階なんか雨漏りで穴だらけだから、この穴も上の方の2階か3階で起きた雨漏りの水かもしれないな。保険の自己負担の範囲で修理できるといいけど、そうでなければまた保険料が上がるなあ。保険料が高くなると、月々の管理費も値上げせざるを得なくなるかな。管理費はユニットの面積に応じて決まるので、4番目に大きい我が家は今9万円ちょっと。水道やガス、ごみ収集の料金が含まれているから高いんだけど、公共料金もインフレだから、保険料が上がったら来年は10万円を超えるのかな。もっとも、住宅難のバンクーバー圏では1LDKの家賃が平均30万円だそうで、3LDKだったら40万を超えているだろうから、持ち家の管理費とは比較できないかもしれないけど、住居費としてはまだましな額かな。



午後3時過ぎ、久しぶりにベーカー山がくっきり。急に9月になって気温が下がったので、かなりの雪が降ったみたい。見えているのは北斜面だけど、去年とおととしは猛暑が続いたせいで、黒い部分が大きかった。引っ越してから8年間に撮った写真がたくさんあるので、雪の量を比べてみたら気候変動の進み具合がわかるかもしれないな。ベーカー山を背景にしたサレーのセントラル地区も、8年前はタワーが5棟くらいだったのに、今はいったいどれだけあるのか。工事用クレーンもそこここに見えているし、サレー市の人口がバンクーバー市を追い越すのは時間の問題だな。あっという間に過ぎた気がする88は、やっぱり長い年月なんだね。なんて、ルーフデッキに出て秋の日を楽しんでいたら、あれ、また植えた覚えのないキンギョソウが花を咲かせていて、1本は今年は使わなかったプランター、もう1本はデッキのタイルの隙間。がんばるなあ。よく見たら、同じく使わなかったプランターでイチゴが育っているじゃないの。これも植えた覚えはないんだけど、どうなってるんだろう。イチゴ、食べられるかな。





意味があるのかどうか今ひとつよくわからない休日

2023年10月01日 | 日々の風の吹くまま
9月30日(土曜日)。☀。朝、フレーザー川に沿って低く霧がかかり、無風状態で工場の湯気はまっすぐ昇って、ほんとにそういう季節になったんだなあと実感。日が高く昇った頃には、山沿いの地平線に白い雲が浮き沈みしている以外はどこまでも抜けるような青空で、ほんとに「天高く」と言う表現がぴったり。

今日は去年?だかにトルドー君の思いつきで作られたみたいな法定休日で、たまたま土曜日なので月曜日が振替えで三連休。次の週末は月曜日が感謝祭でまた三連休。何だか日本の9月みたいだな。この休日、ざっと訳すと「真実と和解の日」。つまり、植民地時代の先住民の扱いの真相を知り、反省して和解を目指そうという日だそうで、特に家族から引き離されて寄宿学校で同化教育を強制されて、病気や虐待で死んでそのまま学校周辺の土地に墓標もなしで埋葬された子供たちを偲ぶためにオレンジ色のシャツを着ようという運動もあって、かなり政治色が濃厚。歴史上の事実を受け入れて人権意識や人種差別撤廃を啓蒙しようと言う趣旨には異論はないけど、ミレニアル族の活動家が主導権を握るとどうしてもその日限りの「集客イベント」になってしまいつつあるような感じがするな。

いつもかけっぱなしのハードロック専門のラジオ局でも、今日は1日中(もろに植民者文化の産物である)懐メロロックの合間に「話を聞く日」と称して先住民の人たちの談話が流れているんだけど、環境や人権運動の活動家でもあった(ワタシは好きじゃなかった)ロック歌手の死後に作られた財団が企画したらしく、全国のラジオ局が参加しているということだった。でも、聞くともなしに聞いていると、先住民の話を聞いてもらおうと言うよりは、自分たちのウェブアドレスを連呼しては意識高い私という、若い活動家たちにありがちな鼻もちのならない驕りを感じられて、なんだ、アーティストを標榜する連中の自己表現の場だったのかとちょっと失望してしまった。まあ、それがソーシャルメディアの世界で注目されることで自己肯定感を高めようとするのが21世紀の社会の潮流なんだろうけど、どれだけの人が耳を傾けていたかは甚だ疑問だな。三連休だし、天気はいいしで、みんなどこかに遊びに行ってるんじゃないかな。結局はメディア主導のイベントの日で、主役であるはずの先住民の人たちには恩恵と言えるものはあまりないだろうという気がする。

日本でもアイヌ民族を先住民と認めるのに1世紀半もかかったし、未だにいろいろな差別問題があるのは事実。アイヌ民族の音楽や舞踊にBC州の先住民との遠い遠いつながりを感じるしね。だから、「平治郎」を翻訳した上でカナダのステージに合うように脚色して、先住民の演劇グループに上演してもらいたいと考えているわけで、こっちの先住民グループの作品を日本語訳してアイヌ人のグループに上演してもらえたらなおすばらしいと思う。アイヌ人は縄文人の遺伝子を強く受け継いでいるそうで、ワタシ自身も縄文人の遺伝子を平均的日本人より多く持っていると感じるからそういう気持になるのかもしれない。人類はみんな同じ祖先から枝分かれして来たんだから、互いに違うところをあげつらって分別するよりも、多様性の中に互いの共通点を見つけ合った方が世の中のためになるんじゃないかと思うんだけど、どうも近ごろは自分にも他人にもラベルを付けて細かく分類して、ラベルが同じ同士で固まって外と敵対し、内では「同じ」を維持するために互いに圧力をかけて、結局は孤立化を進めているような観がある。ワタシにはわざわざ生きづらくしているとしか見えないんだけど、「違い」ってそんなに怖いものなのかな。人類、二本足で立って、頭でっかちになったのがそもそもの間違いだったのか・・・。

日本人は遺伝的に糖尿病になりやすいらしい

2023年10月01日 | 日々の風の吹くまま
9月29日(金曜日)。☀。ずいぶん奥まで差し込むようになった朝日がまぶしい。明る過ぎて、窓の汚れも床のゴミもみぃ~んな丸見え。やっぱり窓拭きしないとダメかなあと思案しつつ、朝ご飯の前に大匙1杯のEVOO(エクストラバージンオリーブ油)をぱくり。血糖値が糖尿病予備軍になるラインすれすれと言うことで、ドクターに勧められた「薬」がこれ。でも、聞くところによると、スペインでは干ばつと酷暑でオリーブが極端な不作で、今年はオリーブ油が品不足になるらしい。ワタシが愛用しているのはイタリアのフィリッポベリオなんだけど、こっちは大丈夫なのかな。薬なんだから、品不足になると困るのよ。もしかして、マティニに欠かせないオリーブも品不足になるのかな。やぁだ。

朝ご飯を食べながら、「歯が欠けて舌にひっかかる」とカレシ。歯が欠けたって、もう3日も前から言ってるじゃないの。そのたびに歯医者の予約を取りなさいって言ってるのに、ちっとも腰を上げないから、ワタシはもう知らん顔。それでやっとその気になったのか、「ウォーキングのときに歯医者に寄って予約して来よう」。あっ、そう。ま、見てのお楽しみってことで、モールが開く10時にウォーキングに出たら、「先に歯医者に行く」。うん、気が変わる前にそうしなさいね。かかりつけの歯科はモールに直結したタワマンの中にあるので、2階に上がる前にマンションのロビーへの通路へ直行。受付で「前から手入れをしておくべきだったけど」なんて寝ぼけたことをいいながら、明日の午後4時に予約。この辺は歯医者の数が多すぎて過当競争気味なので、クリーニングの勧誘電話がしょっちゅうかかって来るのに、「そのうちに行くから」と無視していたのは誰だっけ。自分の歯なんだから、子供じゃあるまいし、普段から自分で管理すべきだと思わない?

自主管理と言えば、ワタシが毎朝オリーブ油を飲むのも糖尿病のリスクが高いと言われて、スラニナ先生に勧められて、ネットで研究報告などをいろいろと調べた結果に納得してやっていること。体重は安定していて太ってはいないし(BMI21.5~22)、甘いものはあまり食べないし、間食も大食いも大酒もしないのに、何でぇ?と思っていたけど、どうも遺伝因子によるものらしいとわかって、なるほどね。つまり、アジア人は遺伝的にインスリンの分泌が低いために糖尿病になりやすいんだそうで、アメリカでは肥満が少ないアジア系の糖尿病リスクは肥満体の多い白人より50%も高いらしく、日系人は日本にいる日本人よりも罹患率が高いんだそうな。遺伝因子に加えて食生活が深く関連しているそうで、それは急速に食事の「欧米化」が進んでいるアジア全域で糖尿病が急増していることにも反映されているという。これはちょっとショックだな。だって、我が家も基本的にはカナダではごく普通の食生活なんだもの。

それでも、年を取って全体的に小食になって、1枚のステーキを2人で分けて食べるし、けっこう野菜を食べているし、豚肉以外は脂身を取り除くし、揚げ物を控えているし、料理用にはもっぱらアボカド油(マヨネーズもアボカド油使用のもの)を使うし、白米はごくたまに寿司を食べる時だけだし、お酒を飲むときはワインでも何でも必ず一緒に何か食べるし(コニャックならチーズ、スコッチならニシンの酢漬けとか)、こうしてみたら、わりとしっかり健康管理をしている方じゃないかと思う。だけどねえ、2人とも老い先が短い年令(カレシ80、ワタシ75)なんだから、いわゆる生活習慣病で寿命が縮むのを怖がっておいしいものや好きなものを我慢するよりは、何でも適度に楽しく食べて暮らす方が幸せな老後と言えるんじゃないかなあ。だから、そのためには歯を大事にしてやるべきなの。


髭の生えた中秋の名月