らびおがゆく Vol.3

山形県を中心とした演奏活動等

ピアノ Vol.1

2012年05月18日 23時59分12秒 | 音楽
 ピアノと言っても鍵盤楽器のことではなくて、楽譜に書かれる強弱記号のひとつピアノについて、少し書いてゆこうと思う。

 我々、演奏家が見ている楽譜というのは、極端に言ってしまえばかなりいい加減なもので、作曲者の意図を完全には楽譜には書き切れていないものである。その一つ強弱法は、ダイナミクス・デュナーミク・ディナーミク・ニュアンスなどのことを指すが、f(フォルテ)やp(ピアノ)などを、前者は強く、後者は弱くと単純に解釈して良いものか、作曲者によって、作品によって、場面によって、演奏者はいつも問題意識を持ちながら演奏している(と思う)。

 今日はp(ピアノ)について少し思っている事を書くつもりだが、強弱法の全般についても書いてしまうので、話があっちこっちに飛ぶかもしれないがご了承願いたい。元々はP(以下P=ピアノ)は、やさしくという意味も含むそうだが、一般には「弱く」の意味で、小さい音で演奏される。ただ絶対に、お客様に聞こえないような死んだような音を出すという意味ではなく、その意味は演奏者側の自由がかなり任されている。

 同じpでもやさしいだけではなく、緊張感のあるP、雄弁に歌うpなどあげれば、数限りないのだ。音楽教育初歩の段階だと、強く&弱くの二元的なことばかり意識してしまうが、例えば、pp(ピアニッシモ)=非常に弱くが、後に続く音楽にあれば、その前のpは弱く演奏しすぎてしまえば、ppの効果が薄れるために少し大きく演奏する事が普通だ。

 演奏者にとって、強弱法のpは実は、とてもやっかいな記号で、その表現の選択肢が一番難しいのではないかと思えてくる。ただ私がいつも思うのは、音は小さいけど五月蠅く感じる音色は駄目なような気がするが、まぁ五月蠅い音色のpを要求する作曲家もいるので一概には言えない。考えれば、考えるだけ難しい問題かつ興味が尽きない話題ではある。

 つづく・・・・。
コメント
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