一般的に音楽は、若い頃は速いテンポを年齢が上がるにつれて遅いテンポを好むと言われています。
色々な説があるのですが、心臓の鼓動の速さや歩くテンポにだんだんリンクするとも言われていますし、運動機能の低下によるテンポが遅くなると思っている人も大勢いる事でしょう。
確かに若い頃より中年を過ぎれば指がだんだん回らなくなるというのも、ある意味正解です。
最近私が思うのは、若い頃は音楽で音を出す瞬間の正否や発音の適切さが、まず気になると思うのです。
しかし、経験が豊富になると音の出た瞬間だけではなく、一つ一つの音の形(音色・音のスピード感・音の成り立ち方)に神経を使い始め、さらに年齢が進めば、音の終わる瞬間の形(残り香?)にとても神経を使い始めるのです。
出せば、はい!次の音!に神経を使う若い人と違い、老齢の演奏家は音の終わり方がどんどん気になるのです。
残りの人生がどんどん少なくなっているので、全てをじっくり味わい、ゆっくり進みたくなるのです。
響の終わりに神経を使うものだから、どんどんテンポは遅くならざるを得ないのです。
速いテンポで、一つ一つの音の終わりに神経を使うのは、物凄い脳の回転が速い人しか可能なことではありません。
自分の気になることを無視して、若者ぶってただ速く弾く事は楽なことですが、頭が硬くなった老齢な演奏家は、それをしたくなくなるのでした。
音の発音、音の形、音の終わり方全てに神経を使えるように、脳の回転を速くするとします。
DHAを飲みます。
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