廃盤蒐集をやめるための甘美な方法

一度やめると、その後は楽になります。

今週の成果

2014年09月06日 | Jazz CD
蒸し暑さが戻った中、今週も少しつまみました。





■ Harold Land / A Lazy Afternoon  ( Postcards Post 1008 )

絵葉書のようなジャケットデザインが印象的なこのレーベル、スティーヴ・キューンの作品も確かあったはずです。 これはハロルド・ランドの
ワンホーン・ウィズ・オーケストラもので、スタンダードのバラードをゆったりと演奏した内容。 これからやってくる秋という季節に相応しいかな、
ということで購入。

バックのオケはアレンジが少し硬いかな、という感じですが、ハロルド・ランドのテナーが入ってくると意外と相性がいい感じです。
アナログ時代よりもずっと深く締まった硬質な音色になっていてこれはなかなかいいですが、相変わらずの口数の少なさで、よく言えば品がいいという
ことになるのかもしれませんが、もう少ししっかり吹いてもいいんじゃないかな、と思います。 ちょっと喰い足りない。

でも、録音もきれいに録れているし、そもそも私は Lazy Afternoon が入っている音盤は貶さないことにしているので、これはOKです。


■ Robert Majewski / My One And Only Love  ( Zair M-001 )

何者なのかは全く知りませんが、フリューゲルホーンによるスタンダード集ということでちょっと迷いながらも聴いてみましたが・・・・

これが、駄目でした。 各楽器がしっかりと鳴っていません。 ソフトでデリケートな音楽にしたかったのはわかるのですが、音楽である以上は
楽器はまずはきちんと鳴らさなきゃいけない、これは基本中の基本です。 こういうのが一番いけない。 音楽も停滞しています。

これは個人的な趣味の問題ですが、私は Bobo Stenson という人が昔から好きではありません。 ピアノの音が陰気で、フレーズも淀んでいて、
この人にジャズのムードを感じたことがありません。 ハーモナイズも冴えないし、一言で言うと、ピアノがあまり上手くない。
少しはマシになっているかな、と思ったのですが、相変わらずでした。






■ Jerry Weldon & Bobby Forrester / The Second Time Around  ( Cats Paw Records CPD-2501 )

すっかり贔屓になってしまったジェリーおじさんなので(おじさん、なんだろうな・・・)、CDを見かけると買ってしまいます。 

オルガンにギターを加えたコテコテ路線ですが、ジェリーさんのテナー自体が明るくクリアですっきりとした音色なので実際はコテコテ感はなく、
軽快なモダンジャズになっています。 難しいことは何もやろうとはせず、ひたすら気持ちよくスイングしています。
こういうのを聴くと、うれしくなります。


■ Amsterdam Jazz Connection + Rik Mol / Traveling East  ( Tetra Records )

今週一番の当たりは、これです。 トランペット(フリューゲルホーン)のワンホーンによるスタンダードを織り交ぜた欧州正統派の新譜です。

これは、まず録音が抜群に素晴らしいです。 オーディオ的快楽は★★★★★。
演奏もおそろしく高度で、且つ音楽的情感がたっぷりと感じられる、素晴らしい内容です。

アップテンポとバラードを交互に配していますが、どちらの演奏も甲乙付け難し。 バラードは全盛期のアート・ファーマーを思わせるし、
アップテンポの切れ味も抜群。 トランペットも上手いですが、バックのトリオの堅牢だけど伸び伸びとした演奏も最高です。
Jazz Tokyo の店内で流れていて、あまりの素晴らしさに即買いでした。

特に、Summertime の霞がかったような濡れたような情感が秀逸で、今年に入って聴いたラッパものの中では今のところこれが第1位です。
ハードバップというよりは、私のあまり好きではない欧州キレイ系寄りですが、そういう分類はどうでもよくなるストレートな現代ジャズです。

唯一の難点は、3,900円というお値段。 高いですよね。



コメント
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