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Mel Torme / It's A Blue World ( Bethlehem BCP 34 )
昔(25年くらい前)はこのレコードは寺島本の影響で値段がそこそこ高くて、でもそれ以上にきれいなものが全然なくて困った盤でした。
当時私が持っていたのも盤質が今の感覚でB-~Cくらいの状態で、それでも8,000円くらいしたものでした。 でも、今じゃ値段は二束三文だし、
何より驚くのはきれいなものがたくさん流通していることです。 時代が変わったんだなあ、と思います。 これも500円でした。 CDより安い。
私は男性ヴォーカルが昔から好きでよく聴いていて、メル・トーメも好きでたくさん持っていました。 以前はレコードそのものがあまり出回らず、
トニーやヴィンテージマインに稀に入荷するくらいでしたが、今は安くてきれいなのがいつでも買えるので、いつも後回しになってしまっています。
だから、まだこれしか手元にはありません。
男性ヴォーカルはジャズというよりはショウビジネスの印象が強いせいかジャズファンは敬遠するようですが、私は女性ヴォーカルよりずっと好きです。
でも、男性ジャズファンは、ほぼ例外なく、年をとって性欲が衰え出すと白人美人女性ヴォーカルに凝りだすので、私もそのうちにそういうレコードを
褒めるようになるのかもしれません。 そういうのを血眼になって求める人はシルビア・シムスやダイナ・ワシントンやメーベル・マーサのレコードは
買わない訳で、やってることはAKB48の周りに群がる若者と基本同じです。 いくつになっても、男は男だ、ということですね。
メル・トーメは声がハスキーで声量もなく、クルーナーが主流だった当時はかなりコンプレックスがあったようです。 でもそれを上手く逆手にとって、
聴いた人にヴェルヴェット・フォグと言わせるくらい歌が上手くなった。 アップテンポのノリの良さもシナトラの真似をしないスタイルを確立して、
男性ジャズヴォーカルの門戸を大きく拡げた人です。
このアルバムはかなり通好みな選曲をして全編バラード調で仕上げた内容で、バックのオケのアレンジはイマイチですが、歌の情感は素晴らしい。
珍しくヴァースから始まる "Isn't It Romantic" が特に素晴らしくて、この曲の一番の名唱だと思います。
また、ボチボチと探さなきゃな・・・・