廃盤蒐集をやめるための甘美な方法

一度やめると、その後は楽になります。

今週の成果

2014年09月20日 | Jazz CD
いろいろと忙しくてあまりDUには行けなかったのですが、それでも少しつまみました。





■ Jimmy Smith / Damn !  ( Verve 314 527 631-2 )

ジミー・スミスは大好き。 オルガン・ジャズは総じて好きですが、御大のアルバムはどれもがやはり別格の出来。 50年代から現代に至るまで、
そのクオリティーの高さを維持し続ける様は奇跡といっていいのに、日本人コレクターはこの手のジャズを格下扱いにするから、そういう人たちとは
音楽の話はしたくないです。 クラブ世代と言われた若い人たちのほうが、よっぽどまともな耳を持っています。

ロイ・ハーグローヴのラッパは最高に輝きを放ち、アブラハム・バートンやマーク・ターナーのテナーの音はどこまでも深く、バーナード・パーディーの
シャッフルには気絶しそうになる、驚愕のアルバムです。 そういう名前だけでソロアルバムが売れるような人たちがサポートに徹して、御大が前面で
弾きまくるという内容も感動的。 音の良さも群を抜いており、オーディオ的にも★★★★★。

なのに、中古は500円。 どうかしてるぜ。


■ Howard McGhee ~ Benny Bailey Sextet / Home Run  ( Storyville Records STCD 8273 )

新定盤ナントカ、というコメントがついていて1,800円となかなかいい値段ですが、何かの本にでも載っていたのでしょうか? よくわかりません。

ソニー・レッド、テディー・エドワーズ、バリー・ハリスという50年代選手が集まって78~79年に録音されたハード・バップ。
50年代、若い頃に彼らがやっていたハードバップを20年後に再演したかのような内容で、この時期のジャズはフュージョンに圧されて元気がなかった
にも関わらず、そんなこと我れ関せず、だってこれしかできないんだもーん、とばかりに非常に勢いのある好演を展開しています。

粒度の粗い音とアンサンブルがカッコよく、王道のジャズが聴けます。 音もいい。 ただ、大げさに持ち上げるのはどうか、と思いますが・・・・






■ Janis Steprans Quartet / Second Live Set  ( DSM 3002 )

何者か全く知りませんでしたが、新宿館で当店推薦盤とのことだったので聴いてみました。 カナダのレーベルなので、カナダ人なのかもしれません。

デックスのような硬く締まったビッグトーンのとてもいいテナーで、アドリブも上手く、これは素晴らしい演奏です。
テナー/アルトのワンホーン・ライヴですが、演奏も落ち着いていて、聴き応えがあります。 これが50~60年代のレーベルに残された演奏だったら
稀代の名演とか言って高額廃盤として名を馳せたでしょうが、こうして現代のCDとして発売されると誰も見向きもしない。

本当にジャズが好きな人は、見かけたらぜひ聴いてください。


■ Thierry Lang / The Winners Live At Dolder Grand Hotel, Zurich  ( TCB Records 20992 )

フランコ・アンブロセッティを迎えたワンホーン編成で、従来のティエリー・ラングのイメージを覆す傑作。

これはもう、完全にマイルスの "My Funny Valenntine" "Four & More" の世界です。 特に、1曲目のAutumn Leave は秀逸な出来。
アンブロセッティは完全にマイルスに成りきっています。 

透き通った空気感が漂う空間を大きく活かした、それでいて剃刀の刃のような演奏で、軟弱なキレイ系の面影は一切なし。
これが今週一番の成果でした。 これは素晴らしい。




コメント (2)
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