廃盤蒐集をやめるための甘美な方法

一度やめると、その後は楽になります。

今週の成果 ~ Cedar Walton の輝き

2014年10月18日 | Jazz CD
今週は不調でした。 ここ2~3週間の中で薄々感じてはいましたが、DUさんは年末セールの準備で忙しいのかもしれません、中古CDの新着は
気のない感じが続いています。 回転も悪く、いつもの気合いが感じられません。 面白そうなものはすべて年末のセールに廻されているらしく、
言い方は悪いですが「出がらし」が並んでいる感じです。 仕方ないので、持っていない安い定番ものを少し買いましたが、ここに載せるほどの
ものはありません。 なので、しばらくは店に行くのを止めようかな、と思っています。 別に何が何でも何か買いたいというわけではないですし、
がっかりするのも嫌ですからね。


そういう不調の中で手にしたのは、僅かにこんな感じでした。





■ Slide Hampton / Roots  ( Criss Cross Jazz 1015 )

Cedar Waiton、Clifford Jordan とのクィンテットによる1985年録音。

スライド・ハンプトンなのでちょっと込み入った、面倒な感じかなあと思ったのですが、これがとてもなめらかで繊細で洗練された質感で、
いい意味で裏切られる内容でした。 ハンプトンの音は若い頃よりも小粒になったような気がしますが、クリフ・ジョーダンのマイルドな音色とは
相性が良く、アンサンブルもきれいで驚きました。 

そして、シダー・ウォルトンがうまく全体をまとめています。 この人は作曲にも長けていて、日本では過大に評価され過ぎているトミー・フラナガン
なんかよりもずっと音楽性が高かった人。 そういうところが、演奏にもグループをまとめる力にも現れているように思います。


■ Cedar Walton / Reliving The Moment  ( High Note HCD 7765 )

1977年末から翌年頭にキーストーン・コーナーで行われたライヴを録音したもの。 こんな音源が未発表のままだったとは。 
きっと、まだまだたくさんのこういう優れた演奏がどこかに眠ったままになっているんでしょう。

フレディー・ハバードとボブ・バーグの2管フロントが情熱と理性のうまくバランスがとれた演奏をしていて、とてもいいです。 
Ugetsu や Impressions などの選曲も良く、音質も悪くなく、演奏のダイナミックさがソリッドに伝わる名演です。
何かを大事に抱きかかえるかのような、やさしい温もりのようなものをなぜか感じるのです。

これは当たりでした。 素晴らしい。


しかし、こうやって2枚並べてみると、ずいぶん地味な絵ですね。 
でも、マニアも高じると、こういう地味ジャケに名演の匂いを嗅ぎ取るようになるようです。 まるで、トリュフを嗅ぎだす豚のようです。 ブー。



コメント
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