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Muriel Roberts / Flower Drum Songs ( 米 Dot DLP 3173 )
"Flower Drum Song" は1958年にブロードウェイで初演されたミュージカルで、後に映画化もされている。 その音楽をロジャース&ハマースタインⅡ世の
黄金コンビが担当しており、それがここでピアノ・トリオとして取り上げられている。
ミュリエル・ロバーツは女性ピアニストだが、これ以外に録音が残っているのかどうかはよくわからない。 ただ、ポッと出のピアニストとはとても思えない
闊達な演奏をしていて、最後まで飽きることなく聴くことができる。 アドリブラインもナチュラルで趣味がいい。 打鍵もきれいで、音の粒立ちがいい。
ベースもドラムも無名の人だが、とても上手い演奏である。 特に、ドラムのブラシワークが全編で冴え渡っていて、繊細ながらも上質なスイン感に溢れていて、
これが素晴らしい。 ミュージカル音楽であることをきちんと踏まえた演奏で、明るく楽しい音楽に徹している。 自分達の個性を押し付けるようなことはせず、
あくまで聴く人が無条件に愉しめるような音楽を上手にまとめ上げている。 これはなかなか聴かせる演奏だと思う。
ドット・レーベルの女流ピアノ・トリオということで、第二のロレイン・ゲラーに仕立てようとでも目論んだのか、ユニオンが買取リストに載せたこともあったが、
幸いなことにそうはならずに済んだ。 プレヴィンの "My Fair Lady" なんかは個性が強い分すぐに飽きるが、こちらはもっと気軽に愉しめるレコードとして、
息が長く聴き続けることができるだろうから、いつまでもこのままの路線(ミドルクラス)で行ってもらいたい。
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