さて、敷島達が仙台でイベントを行っていた中、DCJロボット未来科学館でもイベントが行われていた。
特別展として『ロボット研究 負の遺産展』という、およそ誰得とツッコミたくなる特別展があった。
具体的には、テロ用途ロボットとして名高いバージョン・シリーズを展示しているものである。
今現在、現役で稼働しているのは4.0と5.0であるが、当然ながら3.0以前のシリーズも存在した。
それをどこで確保したのか、初期モデルから展示されていた。
今回はそれを御紹介しよう。
アルエット:「はいはーい!マルチタイプ8号機のアルエットでーす!今日は皆さんに、私の下僕達を紹介しちゃうよ!」
萌:「世界唯一の妖精型ロイド、萌でーす!さらっとテロロボットを下僕と呼ぶアルエットが少し怖いですけど、一緒に頑張りまーす!」
バージョン1.0とは……。
アルエット:「えーと、これは世界的なマッドサイエンティスト、ウィリアム・フォレスト博士が最初に開発したテロロボットです。……ちっちゃ!」
萌:「最近のシリーズは人の身長よりも大きいけど、これは小さいね。アルエットより小さい」
アルエット:「とことこと敵に近づいて、自爆するだけのロボットって、それだけ!?」
萌:「結局、コストパフォーマンスが高いということで、数えるほどしか生産されなかったみたいだよ」
アルエット:「えーと、次は2.0です。おっ、少し大きくなった」
萌:「オーソドックスな人型タイプだね」
アルエット:「人型って、他にもあるの?」
萌:「派生機種で、亀型もあるって」
アルエット:「亀!?」
ゾウガメみたいな大きさの亀型ロボットが現れた。
アルエット:「もはや別個体じゃん、これ!」
萌:「まあ、そうだね」
アルエット:「でも私、見たこと無いよ、これ」
萌:「ジャングルなどが戦場になった時にゾウガメのフリをしたり、或いはウミガメのフリをさせて軍艦に近づいたりして攻撃するんだって」
すると、ゾウガメロボットは口を大きく開けた。
アルエット:「何か飛ばした!?」
萌:「えーと、口から硫酸を吐いて敵を攻撃するんだって」
アルエット:「銃火器じゃないんだ!?」
萌:「でもこれ、欠陥だらけで結局製造中止になったんだって」
アルエット:「何で?」
萌:「まず、亀だから動きが遅い。敵が逃げても追い掛けることができない上に……」
亀が再び硫酸を吐き飛ばす。
放物線を描いて硫酸が飛ぶ。
萌:「必ず上に向かって硫酸を吐くわけだから、こうして身を低くして近づけば酸が掛かることがないって欠陥」
アルエット:「噛み付いてこないの?」
萌:「来ないんだって」
アルエット:「ダメじゃん、それ!近づいてマグナム撃ち込んだら、すぐ壊せるよ?」
萌:「うん、そうだね」
そして3.0が登場する。
アルエット:「これは東京決戦で、前期型のシンディお姉ちゃんが3.0軍団を操っている絵だね」
萌:「2.0のフルモデルチェンジが3.0で、一気に大きくなってゴツくなりましたー」
アルエット:「部品の調達が容易になるよう、造形美より機能美を重視した結果だって」
萌:「この時はまだバージョン達も、銃は持ってないね」
アルエット:「腕っぷし命だから、鉄パイプとか槍とか持ってるだけだね。今の後期型のお姉ちゃんに聞いても、『あのバカの役立たずども』って厳しい感想だよ。何でも、物凄い欠陥があったんだって」
萌:「欠陥?社長さんも井辺さんも、そんなこと言ってなかったなー」
アルエット:「んーとね、お姉ちゃんが言うには……」
アルエット、3.0の横にピッタリとくっつく。
萌:「?」
アルエット:「あー、やっぱり!」
萌:「なに?」
アルエット:「横に近づき過ぎると、どういうわけだか振り向けないんだってよ」
萌:「はあ!?」
アルエット:「ほら、こっち向いて!」
3.0:「…………」(←全く動かない)
萌:「えっ、うそぉ?」
アルエット:「ホントだよ」
アルエットは3.0から少し離れた。
すると3.0がやっと90度向いた。
そしてまた近づく。
するとまた3.0は振り向けない。
萌:「凄い弱点……」
アルエット:「横に立ったらハメ殺し確定だねっ」
そして今度は4.0である。
4.0:「ドウモ〜、バージョン4.0デヤンス」
萌:「この個体から喋れるようになったんだね」
アルエット:「いや、3.0からだよ。さっきのヤツが無口なだけ」
萌:「あ、そうなの」
4.0:「旧型ヨリ台詞のバリエーションが増エマシタ」
萌:「何ができるの?」
4.0:「物真似ガ出来マス。『この惑星の住民達は、常に忙しい。何という余裕の無さだ』」
萌:「宇宙人ジョーンズ!?」
アルエット:「他には?」
4.0:「玉乗リト曲芸撃チガデキマス」
アルエット:「じゃあ玉乗りしながら曲芸撃ちやって!」
4.0:「了解デヤンス!」
萌:「もはやテロロボットでも何でも無くなったねぇ……。えーと、この他にももっと滑らかに喋ることができたり、中には次に紹介する5.0に改造された個体もあるそうです」
次は5.0。
マリオ:「どうも〜。アリス博士最高傑作のマリオです」
ルイージ:「同じくルイージです」
アルエット:「……といってもこれは、アリス博士のアレンジ・バージョンなんです」
萌:「さっきまでの4.0と違って、スマートになったね。マリオの方は赤く塗装されて、ルイージの方は緑に塗装されて」
アルエット:「金属剥き出しだから相変わらずカテゴリーはロボットだけど、これに人の皮を被せたらアンドロイドになれるんじゃないかっていうくらいの精巧さです」
マリオ:「お褒めに預かりまして。これ、ゴンスケの畑で作ったキノコです」
ルイージ:「今なら読者様に抽選でプレゼント」
アルエット:「メタ発言しない!てか、これ何のキノコ?」
マリオ:「1UPキノコです」
ルイージ:「スーパーキノコです」
萌:「……という名のベニテングタケとタマゴテングタケでした」
アルエット:「後でお姉ちゃん達に言って、キノコは全部焼却してもらうからね!」
マリオ:「そんな!」
ルイージ:「御無体な!」
アルエット:「毒キノコは栽培するなと、お姉ちゃん達に散々言われたはすだけど?」
マリオ:「観賞用です!」
ルイージ:「布教用です!」
アルエット:「えーい、うるさい!」
萌:「因みに5.0のオリジナルバージョンは、ウィリアム博士が設計だけして亡くなってしまったので、実際には製造されていません。アリス博士によると、およそ造形美とは離れたブサイクなデザインだったので、大幅に設計し直したらしいです。尚、アリス博士が敷島社長と敵対していた時以外、5.0が実際に犯罪者以外の人に銃口を向けたことが無く、テロ用途とは少し離れたものになっています」
アルエット:「毒を以て毒を制す的な、対テロ用ロボットとして使われることを想定しているみたいです」
マリオ:「血で血を洗うとも言います」
萌:「それ、ダメな意味だから!」
そして最後に紹介するは、バージョン400である。
萌:「相変わらずデカいねぇ」
アルエット:「バージョン4.0の3倍の大きさだよ。自動運転も可能だし、頭の中がコクピットになってて、そこで手動操縦もできるの」
アルエット、早速400に乗り込む。
萌:「アルエットは操縦できるんだもんね」
アルエット:「うん。お姉ちゃん達と違って、私、腕力はダメダメかもだけど、こうしてロボット達を操ることはできるよ」
4.0:「アルエット御嬢様!」
マリオ:「どこまでも付いて行きます!」
ルイージ:「何卒ご命令を!」
アルエット:「よーし!お前達、ついてきな!科学館一周するよ!」
アルエットの操縦で、ズシンズシンと400が進む。
萌:「ロボットパレードだねぃ!」
敷島達がイベントで盛り上がっている中、科学館は科学館で盛り上がっていたもよう。
特別展として『ロボット研究 負の遺産展』という、およそ誰得とツッコミたくなる特別展があった。
具体的には、テロ用途ロボットとして名高いバージョン・シリーズを展示しているものである。
今現在、現役で稼働しているのは4.0と5.0であるが、当然ながら3.0以前のシリーズも存在した。
それをどこで確保したのか、初期モデルから展示されていた。
今回はそれを御紹介しよう。
アルエット:「はいはーい!マルチタイプ8号機のアルエットでーす!今日は皆さんに、私の下僕達を紹介しちゃうよ!」
萌:「世界唯一の妖精型ロイド、萌でーす!さらっとテロロボットを下僕と呼ぶアルエットが少し怖いですけど、一緒に頑張りまーす!」
バージョン1.0とは……。
アルエット:「えーと、これは世界的なマッドサイエンティスト、ウィリアム・フォレスト博士が最初に開発したテロロボットです。……ちっちゃ!」
萌:「最近のシリーズは人の身長よりも大きいけど、これは小さいね。アルエットより小さい」
アルエット:「とことこと敵に近づいて、自爆するだけのロボットって、それだけ!?」
萌:「結局、コストパフォーマンスが高いということで、数えるほどしか生産されなかったみたいだよ」
アルエット:「えーと、次は2.0です。おっ、少し大きくなった」
萌:「オーソドックスな人型タイプだね」
アルエット:「人型って、他にもあるの?」
萌:「派生機種で、亀型もあるって」
アルエット:「亀!?」
ゾウガメみたいな大きさの亀型ロボットが現れた。
アルエット:「もはや別個体じゃん、これ!」
萌:「まあ、そうだね」
アルエット:「でも私、見たこと無いよ、これ」
萌:「ジャングルなどが戦場になった時にゾウガメのフリをしたり、或いはウミガメのフリをさせて軍艦に近づいたりして攻撃するんだって」
すると、ゾウガメロボットは口を大きく開けた。
アルエット:「何か飛ばした!?」
萌:「えーと、口から硫酸を吐いて敵を攻撃するんだって」
アルエット:「銃火器じゃないんだ!?」
萌:「でもこれ、欠陥だらけで結局製造中止になったんだって」
アルエット:「何で?」
萌:「まず、亀だから動きが遅い。敵が逃げても追い掛けることができない上に……」
亀が再び硫酸を吐き飛ばす。
放物線を描いて硫酸が飛ぶ。
萌:「必ず上に向かって硫酸を吐くわけだから、こうして身を低くして近づけば酸が掛かることがないって欠陥」
アルエット:「噛み付いてこないの?」
萌:「来ないんだって」
アルエット:「ダメじゃん、それ!近づいてマグナム撃ち込んだら、すぐ壊せるよ?」
萌:「うん、そうだね」
そして3.0が登場する。
アルエット:「これは東京決戦で、前期型のシンディお姉ちゃんが3.0軍団を操っている絵だね」
萌:「2.0のフルモデルチェンジが3.0で、一気に大きくなってゴツくなりましたー」
アルエット:「部品の調達が容易になるよう、造形美より機能美を重視した結果だって」
萌:「この時はまだバージョン達も、銃は持ってないね」
アルエット:「腕っぷし命だから、鉄パイプとか槍とか持ってるだけだね。今の後期型のお姉ちゃんに聞いても、『あのバカの役立たずども』って厳しい感想だよ。何でも、物凄い欠陥があったんだって」
萌:「欠陥?社長さんも井辺さんも、そんなこと言ってなかったなー」
アルエット:「んーとね、お姉ちゃんが言うには……」
アルエット、3.0の横にピッタリとくっつく。
萌:「?」
アルエット:「あー、やっぱり!」
萌:「なに?」
アルエット:「横に近づき過ぎると、どういうわけだか振り向けないんだってよ」
萌:「はあ!?」
アルエット:「ほら、こっち向いて!」
3.0:「…………」(←全く動かない)
萌:「えっ、うそぉ?」
アルエット:「ホントだよ」
アルエットは3.0から少し離れた。
すると3.0がやっと90度向いた。
そしてまた近づく。
するとまた3.0は振り向けない。
萌:「凄い弱点……」
アルエット:「横に立ったらハメ殺し確定だねっ」
そして今度は4.0である。
4.0:「ドウモ〜、バージョン4.0デヤンス」
萌:「この個体から喋れるようになったんだね」
アルエット:「いや、3.0からだよ。さっきのヤツが無口なだけ」
萌:「あ、そうなの」
4.0:「旧型ヨリ台詞のバリエーションが増エマシタ」
萌:「何ができるの?」
4.0:「物真似ガ出来マス。『この惑星の住民達は、常に忙しい。何という余裕の無さだ』」
萌:「宇宙人ジョーンズ!?」
アルエット:「他には?」
4.0:「玉乗リト曲芸撃チガデキマス」
アルエット:「じゃあ玉乗りしながら曲芸撃ちやって!」
4.0:「了解デヤンス!」
萌:「もはやテロロボットでも何でも無くなったねぇ……。えーと、この他にももっと滑らかに喋ることができたり、中には次に紹介する5.0に改造された個体もあるそうです」
次は5.0。
マリオ:「どうも〜。アリス博士最高傑作のマリオです」
ルイージ:「同じくルイージです」
アルエット:「……といってもこれは、アリス博士のアレンジ・バージョンなんです」
萌:「さっきまでの4.0と違って、スマートになったね。マリオの方は赤く塗装されて、ルイージの方は緑に塗装されて」
アルエット:「金属剥き出しだから相変わらずカテゴリーはロボットだけど、これに人の皮を被せたらアンドロイドになれるんじゃないかっていうくらいの精巧さです」
マリオ:「お褒めに預かりまして。これ、ゴンスケの畑で作ったキノコです」
ルイージ:「今なら読者様に抽選でプレゼント」
アルエット:「メタ発言しない!てか、これ何のキノコ?」
マリオ:「1UPキノコです」
ルイージ:「スーパーキノコです」
萌:「……という名のベニテングタケとタマゴテングタケでした」
アルエット:「後でお姉ちゃん達に言って、キノコは全部焼却してもらうからね!」
マリオ:「そんな!」
ルイージ:「御無体な!」
アルエット:「毒キノコは栽培するなと、お姉ちゃん達に散々言われたはすだけど?」
マリオ:「観賞用です!」
ルイージ:「布教用です!」
アルエット:「えーい、うるさい!」
萌:「因みに5.0のオリジナルバージョンは、ウィリアム博士が設計だけして亡くなってしまったので、実際には製造されていません。アリス博士によると、およそ造形美とは離れたブサイクなデザインだったので、大幅に設計し直したらしいです。尚、アリス博士が敷島社長と敵対していた時以外、5.0が実際に犯罪者以外の人に銃口を向けたことが無く、テロ用途とは少し離れたものになっています」
アルエット:「毒を以て毒を制す的な、対テロ用ロボットとして使われることを想定しているみたいです」
マリオ:「血で血を洗うとも言います」
萌:「それ、ダメな意味だから!」
そして最後に紹介するは、バージョン400である。
萌:「相変わらずデカいねぇ」
アルエット:「バージョン4.0の3倍の大きさだよ。自動運転も可能だし、頭の中がコクピットになってて、そこで手動操縦もできるの」
アルエット、早速400に乗り込む。
萌:「アルエットは操縦できるんだもんね」
アルエット:「うん。お姉ちゃん達と違って、私、腕力はダメダメかもだけど、こうしてロボット達を操ることはできるよ」
4.0:「アルエット御嬢様!」
マリオ:「どこまでも付いて行きます!」
ルイージ:「何卒ご命令を!」
アルエット:「よーし!お前達、ついてきな!科学館一周するよ!」
アルエットの操縦で、ズシンズシンと400が進む。
萌:「ロボットパレードだねぃ!」
敷島達がイベントで盛り上がっている中、科学館は科学館で盛り上がっていたもよう。