[9月12日18:00.天候:晴 東京都江東区森下 ワンスターホテル内レストラン“マジックスター”]
稲生:「何とか分かりましたよ。幸いにも、情報提供者が現れてくれましてね」
マリア:「そうか。それは良かった」
稲生:「マリアさんの方は?」
マリア:「何てことない。ナディアみたいなヤツだった」
稲生:「ナディア……。悟郎さんの!?」
マリア:「その例えで言うと分かりやすいだろう?」
稲生:「そうですね」
マリア:「あの例が他にもあったってことさ」
稲生:「素晴らしいパターンですね」
マリア:「ま、レアケースだと思うよ。私もその1人になろうとしてる」
稲生:「なるほど。……えっ?」
マリア:「で、そっちの詳しい話は?」
稲生はマリアに東京中央学園での話を聞かせた。
マリア:「よし、分かった。明日にでも行こう」
稲生:「えっ、後輩を連れて行く必要がありますが……」
マリア:「何で?」
稲生:「合宿所の鍵とか、使用許可とか取りませんと……」
マリアは溜め息をついた。
マリア:「ユウタ、私達はもう一介の人間ではないの。世界を裏から操るダンテ一門の魔道師だ。そんなみみっちぃこと言ってちゃダメだ」
稲生:「と、言いますと?」
マリア:「鍵なんて普通の鍵なんだろう?」
稲生:「今やオートロックで機械警備も入ってるという話です。ですから……」
マリア:「一介の人間が作ったセキュリティなんぞ、これで……」
マリアはサッと自分の魔法の杖を出した。
稲生:「いや、しかし、まだ何の確証も無い状態で行くわけですから、ヘタに事を荒立てるのは……」
マリア:「」
マリア、カウンターの上の酒をグイグイ飲む。
キャサリン:「マリアンナちゃん!?それ、テキーラよ!?」
稲生:「ええーっ!?」
テキーラを飲み干したマリア、ドンッとグラスをカウンターに叩き置く。
マリア:「ブハァ〜っ!ユ〜タ〜っ?!」
稲生:「は、はい!?」
マリア:「姉弟子のアタシがやるっつってんだから、素直にOKしろや!ああーっ!?」
稲生:「よ、酔ってる!?」
マリア:「だいたいまだ見習のアンタがマスターの私に意見するなんてどういう了見?上下関係がもっと厳しい組なら、それだけでビンタもんだよ、分かってんの?だいたいユウタは……」
キャサリン:「あらあら」
稲生:「キャサリンさん、助けてください!」
キャサリン:「んー、まあ、確かにそこはマリアンナの言う通りかもって思うかな」
稲生:「そんなぁ……」
マリア:「まだ分かんないんなら、脱げ!」
稲生:「何でですか!?」
マリア:「意気地が無いんなら、チ◯ポ付いてるのか確認してやる!」
稲生:「やめてください!」
マリア:「アタシの言う事聞けないってんなら脱げーっ!」
その頃、フロントにいるエレーナは、レストランの様子を水晶球で見ていた。
エレーナ:「ったく。何でこう魔女ってのは、酒癖悪いヤツ多いかな……。なあ?リリィ」
リリアンヌ:「フヒッ!?お、お酒飲んだ方が……その……魔力が高まると言いますかぁ……フフフフ……」
エレーナ:「皆してアル中まっしぐらだね」
リリアンヌ:「わ、私は飲ま……必要な時しか飲みませんよ……」
エレーナ:「とにかく、リリィはまだ小さい体なんだから、酒は飲み過ぎるなってことよ」
リリアンヌ:「フヒヒヒ……。気をつけます……」
で、レストランから戻って来る稲生。
随分ズタボロである。
エレーナ:「なに?その逆レ◯プされた感マックスみたいな恰好はw」
稲生:「ええ。逆レ◯プされました」
エレーナ:「ヤられる瞬間、アンコールwww」
稲生:「ったく。他人事だと思って……」
キャサリン:「エレーナちゃん、ちょっとマリアンナちゃん運ぶの手伝ってくれる?」
エレーナ:「リリィ、行って来い。悪酔いウィッチーズ」
リリアンヌ:「フヒッ!?で、でも……私1人の力じゃ……とても、マリアンナ先輩を運ぶのは……」
エレーナ:「何も素手でやれとは言ってないよ。車で運べばいい」
リリアンヌ:「フヒッ、なるほど。分かりました」
リリアンヌ、奥へ1度引っ込む。
そして、ガラガラと押して来たのは……。
稲生:「車椅子じゃなくて、台車かよ!」
リリアンヌ:「フヒッ!?だ、ダメですか?」
エレーナ:「あー……うん。これが一般のお客様になら後で説教だけど、マリアンナだったら許す」
マリア:「てめ、このやろ……!ヒック!」
エレーナ:「あー、はいはい。酔っ払いは黙って寝てな」
稲生:「いいよいいよ、僕が車椅子持って来る!奥のどこにあるの?」
エレーナ:「フロントの中にあるよ」
稲生:「あるなら言えよ!」
リリアンヌ:「稲生先輩、私も手伝います」
稲生:「ああ、悪いね」
やっとマリアを車椅子に乗せて、エレベーターへと突き進む。
稲生:「マリアさん、エレベーター乗りますよ」
マリア:「シンドラーで死んでらーなんてヤだよ。ヒック!」
稲生:「大丈夫です。日立製ですから」
リリアンヌ:「では、5階へ。フヒヒヒヒ……」
エレベーターのドアが閉まった。
オーナー:「マリアンナさん、随分と明るい性格になったじゃないか」
エレーナ:「オーナー。ただ単に、酒癖悪いだけだと思いますけどねぇ……」
オーナー:「しかし、少なくとも、稲生さんとかなり打ち解けているのは事実だろう。あれが『根暗な魔女でも、必ず明るく幸せになれる』という流れになってくれるといいんだけどねぇ」
エレーナ:「……だったらオーナー。うちの流派は間違ってると思います」
オーナー:「どうして?」
エレーナ:「男と打ち解けて幸せになれたら、確かに素晴らしいことですが、そもそもダンテ門流の魔道師の9割は女ですよ」
オーナー:「そこなんだよなぁ……。何でこう、男女比が偏り過ぎているかなぁ……」
エレーナ:「その『根暗な魔女』達が、男の入門を妨害するからでしょうね。勇太が入って来た時も、えっらい騒ぎでしたから」
オーナー:「それが今や……。ほんと、何でもやってみるものだよ」
エレーナ:「そうですね」
稲生:「何とか分かりましたよ。幸いにも、情報提供者が現れてくれましてね」
マリア:「そうか。それは良かった」
稲生:「マリアさんの方は?」
マリア:「何てことない。ナディアみたいなヤツだった」
稲生:「ナディア……。悟郎さんの!?」
マリア:「その例えで言うと分かりやすいだろう?」
稲生:「そうですね」
マリア:「あの例が他にもあったってことさ」
稲生:「素晴らしいパターンですね」
マリア:「ま、レアケースだと思うよ。私もその1人になろうとしてる」
稲生:「なるほど。……えっ?」
マリア:「で、そっちの詳しい話は?」
稲生はマリアに東京中央学園での話を聞かせた。
マリア:「よし、分かった。明日にでも行こう」
稲生:「えっ、後輩を連れて行く必要がありますが……」
マリア:「何で?」
稲生:「合宿所の鍵とか、使用許可とか取りませんと……」
マリアは溜め息をついた。
マリア:「ユウタ、私達はもう一介の人間ではないの。世界を裏から操るダンテ一門の魔道師だ。そんなみみっちぃこと言ってちゃダメだ」
稲生:「と、言いますと?」
マリア:「鍵なんて普通の鍵なんだろう?」
稲生:「今やオートロックで機械警備も入ってるという話です。ですから……」
マリア:「一介の人間が作ったセキュリティなんぞ、これで……」
マリアはサッと自分の魔法の杖を出した。
稲生:「いや、しかし、まだ何の確証も無い状態で行くわけですから、ヘタに事を荒立てるのは……」
マリア:「」
マリア、カウンターの上の酒をグイグイ飲む。
キャサリン:「マリアンナちゃん!?それ、テキーラよ!?」
稲生:「ええーっ!?」
テキーラを飲み干したマリア、ドンッとグラスをカウンターに叩き置く。
マリア:「ブハァ〜っ!ユ〜タ〜っ?!」
稲生:「は、はい!?」
マリア:「姉弟子のアタシがやるっつってんだから、素直にOKしろや!ああーっ!?」
稲生:「よ、酔ってる!?」
マリア:「だいたいまだ見習のアンタがマスターの私に意見するなんてどういう了見?上下関係がもっと厳しい組なら、それだけでビンタもんだよ、分かってんの?だいたいユウタは……」
キャサリン:「あらあら」
稲生:「キャサリンさん、助けてください!」
キャサリン:「んー、まあ、確かにそこはマリアンナの言う通りかもって思うかな」
稲生:「そんなぁ……」
マリア:「まだ分かんないんなら、脱げ!」
稲生:「何でですか!?」
マリア:「意気地が無いんなら、チ◯ポ付いてるのか確認してやる!」
稲生:「やめてください!」
マリア:「アタシの言う事聞けないってんなら脱げーっ!」
その頃、フロントにいるエレーナは、レストランの様子を水晶球で見ていた。
エレーナ:「ったく。何でこう魔女ってのは、酒癖悪いヤツ多いかな……。なあ?リリィ」
リリアンヌ:「フヒッ!?お、お酒飲んだ方が……その……魔力が高まると言いますかぁ……フフフフ……」
エレーナ:「皆してアル中まっしぐらだね」
リリアンヌ:「わ、私は飲ま……必要な時しか飲みませんよ……」
エレーナ:「とにかく、リリィはまだ小さい体なんだから、酒は飲み過ぎるなってことよ」
リリアンヌ:「フヒヒヒ……。気をつけます……」
で、レストランから戻って来る稲生。
随分ズタボロである。
エレーナ:「なに?その逆レ◯プされた感マックスみたいな恰好はw」
稲生:「ええ。逆レ◯プされました」
エレーナ:「ヤられる瞬間、アンコールwww」
稲生:「ったく。他人事だと思って……」
キャサリン:「エレーナちゃん、ちょっとマリアンナちゃん運ぶの手伝ってくれる?」
エレーナ:「リリィ、行って来い。悪酔いウィッチーズ」
リリアンヌ:「フヒッ!?で、でも……私1人の力じゃ……とても、マリアンナ先輩を運ぶのは……」
エレーナ:「何も素手でやれとは言ってないよ。車で運べばいい」
リリアンヌ:「フヒッ、なるほど。分かりました」
リリアンヌ、奥へ1度引っ込む。
そして、ガラガラと押して来たのは……。
稲生:「車椅子じゃなくて、台車かよ!」
リリアンヌ:「フヒッ!?だ、ダメですか?」
エレーナ:「あー……うん。これが一般のお客様になら後で説教だけど、マリアンナだったら許す」
マリア:「てめ、このやろ……!ヒック!」
エレーナ:「あー、はいはい。酔っ払いは黙って寝てな」
稲生:「いいよいいよ、僕が車椅子持って来る!奥のどこにあるの?」
エレーナ:「フロントの中にあるよ」
稲生:「あるなら言えよ!」
リリアンヌ:「稲生先輩、私も手伝います」
稲生:「ああ、悪いね」
やっとマリアを車椅子に乗せて、エレベーターへと突き進む。
稲生:「マリアさん、エレベーター乗りますよ」
マリア:「シンドラーで死んでらーなんてヤだよ。ヒック!」
稲生:「大丈夫です。日立製ですから」
リリアンヌ:「では、5階へ。フヒヒヒヒ……」
エレベーターのドアが閉まった。
オーナー:「マリアンナさん、随分と明るい性格になったじゃないか」
エレーナ:「オーナー。ただ単に、酒癖悪いだけだと思いますけどねぇ……」
オーナー:「しかし、少なくとも、稲生さんとかなり打ち解けているのは事実だろう。あれが『根暗な魔女でも、必ず明るく幸せになれる』という流れになってくれるといいんだけどねぇ」
エレーナ:「……だったらオーナー。うちの流派は間違ってると思います」
オーナー:「どうして?」
エレーナ:「男と打ち解けて幸せになれたら、確かに素晴らしいことですが、そもそもダンテ門流の魔道師の9割は女ですよ」
オーナー:「そこなんだよなぁ……。何でこう、男女比が偏り過ぎているかなぁ……」
エレーナ:「その『根暗な魔女』達が、男の入門を妨害するからでしょうね。勇太が入って来た時も、えっらい騒ぎでしたから」
オーナー:「それが今や……。ほんと、何でもやってみるものだよ」
エレーナ:「そうですね」