報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“アンドロイドマスターⅡ” 「帰京後」

2019-04-27 22:42:21 | アンドロイドマスターシリーズ
[4月21日13:16.天候:晴 東京都千代田区丸の内 JR東京駅]

〔♪♪(車内チャイム)♪♪。まもなく終点、東京です。中央線、山手線、京浜東北線、東海道本線、上野東京ライン、東北・上越・山形・秋田・北陸新幹線、横須賀線、総武快速線と京葉線はお乗り換えです。今日も新幹線をご利用くださいまして、ありがとうございました〕

 敷島達を乗せた新幹線が通勤電車達と並走する頃、終点は近づく。

〔「長らくのご乗車、お疲れ様でした。まもなく終点、東京、東京に到着致します。到着ホームは19番線、お出口は左側です。……」〕

 エミリー:「会社に戻られるのですか?」
 敷島:「ああ。今日は日曜日だが、しょうがない。マネージャー達はいるだろうから、事務所が空ってことはないだろう」

 あと、メイドロイドを事務用に転用した一海もいる。

 エミリー:「分かりました」

 列車が第9ホームと呼ばれる19番線に進入する。
 よくホームのことを「面」と呼ぶが(○面○線とか)、面ごとに数える方法も鉄道業界ではある。
 停車すると安全柵と呼ばれるホームドアが開く。

〔東京、東京です。東京、東京です。ご乗車、ありがとうございます。……〕

 エミリー:「今、事務所には一海と篠里マネージャー、それに初音ミクがいます」
 敷島:「あいつらオフか?」
 エミリー:「15:30より、東京中央テレビで歌番組の収録です」
 敷島:「なるほど」

 列車を降りるまでの間、エミリーは事務所にいるロイド達と交信したようである。

 エミリー:「取りあえず、ビルの防災センターには社長の来場を連絡しておきます」
 敷島:「よろしく頼む」

 新幹線改札口を出ると、そこは八重洲側である。
 東海道新幹線は、基本的に八重洲側からしか出入りできない。
 日本橋口もあるにはあるが、改札口の向きを見てくれれば分かるが、広義では八重洲側と言えよう。
 尚、タクシー乗り場に行きたかったら、八重洲中央口から出ると良い。

 敷島:「江東区豊洲の豊洲アルカディアビルまで行ってください」
 運転手:「はい、ありがとうございます」

 駅の外に出てタクシーに乗り換えた。

 エミリー:(品川530 あ ○○-○○ タクシー会社は東京無線所属の【以下略】)
 一海:(了解しました)

 敷島エージェンシーの入居しているビルの防災センターに、関係車両入講許可を取る為である。
 一海が書類を作成し、防災センターに提出する。
 高層ビルというのも、特に時間外や閉館日においては出入管理の厳しい所がある。

 敷島:「もしもし。篠里君か?ちょっとこれから事務所に向かうから。まあ、俺の『もう1つの仕事』絡みなんだけどさ。一応、先に伝えとく。……ああ、よろしく」

 敷島は自分のスマホで初音ミクの専属マネージャーに連絡した。

[同日13:50.天候:晴 東京都江東区豊洲 豊洲アルカディアビル18F 敷島エージェンシー]

 タクシーが地下駐車場入口から地下2階まで下りる。
 本当の駐車場入口にはゲートバーがあるが、その手前に分岐点があり、VIP用車寄せがある。
 敷島も親会社の意向でハイヤーで通勤させられている(本人は電車と都営バスで通いたい)が、そうでないとビルの車寄せに着けられないのである。

 運転手:「そこでいいですか?」
 敷島:「はい、そこで」

 警備員が書類片手にタクシー会社とナンバーをチェックしていた。
 これが登録済みのハイヤーなら目視だけなのだが、突発だと彼らの態度も厳しい。

 敷島:「18階敷島エージェンシーの敷島です」
 警備員:「お疲れ様です」

 敷島が入講証を見せると、警備員がそこで敬礼して来た。
 タクシーチケットで料金を払っていたエミリーが降りて来る。

 警備員:「あ、敷島社長!」
 敷島:「何ですか?」
 警備員:「13時30分頃ですが、警視庁の鷲田警視がお見えになりました」
 敷島:「えっ!ここから入ったの!?」
 警備員:「はい。エレベーターで18階に上がられました」

(雲羽:「普通は時間外かつ閉館日の飛び込み入館など、警備員としては断るはずなんですが、警察手帳を提示されたら、お上には逆らえませんのよ」
 多摩:「さすが公安委員会のイヌw」)

 敷島:「一海のことだから、普通にお茶出ししてるだろうな」
 エミリー:「でしょうね」

 2人はエレベーターで18階に上がった。

 敷島:「シンディならキャバ嬢並みの対応してくれるかな?」
 エミリー:「ケース・バイ・ケースですね」

 で、エレベーターを降りる。

 篠里:「あ、社長。お疲れ様です」

 事務所に入ると、篠里と一海がいた。

 敷島:「なに、警察来てるんだって?」
 篠里:「そうなんです。さっき、一海さんが応接室に案内しました」
 敷島:「あ、そう。エミリー、鷲田警視にお茶のお代わり入れてあげて」
 エミリー:「かしこまりました」
 敷島:「久しぶりにミクの顔でも見て来るか」
 篠里:「是非そうしてやってください。ミクも社長にお会いできるのを楽しみにしています」
 敷島:「俺もミクも忙しいから、少しだけ話をしよう」

 敷島はボーカロイドの控え室に向かい、エミリーは給湯室に行った。

 エミリー:「失礼します」
 鷲田:「おっ、誰かと思ったら社長の秘書さんか」
 エミリー:「お茶のお代わりをお持ちしました」
 鷲田:「おっ、ありがたい。さっき、事務員さんにアップルティーを出してもらったはずなんだが、どう飲んでもただのお茶だったんだ」
 エミリー:「大変失礼致しました。一海はメイドロイドからの転用なので、『おいしくなるおまじない』をしないとアップルティーを入れられないのです」
 鷲田:「何だそりゃ。じゃあ、キミが代わりに『おいしくなるおまじない』をやってアップルティーにしてくれたまえ」
 エミリー:「申し訳ございませんが、私はメイドロイドではございませんので」
 鷲田:「やはり、敷島社長の言う事以外は聞かないか」

 鷲田は苦笑いした。

 鷲田:「それで、敷島社長はいつ来てくれるのかね?」
 エミリー:「もう間もなく参ります」

 日曜日にわざわざ警視庁公安関係の警視がやってくるくらいだから、やはり吉塚家の爆発は事故ではなく事件だったのだろうか。
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“アンドロイドマスターⅡ” 概要

2019-04-27 15:09:49 | アンドロイドマスターシリーズ
 敷島孝夫:

 “アンドロイドマスター”シリーズ全編における主人公。
 東京都江東区内にあるボーカロイド専門芸能事務所、敷島エージェンシー経営者。
 ロボットテロなどに一切屈しない、不屈の精神の持ち主。
 何故かテロロボット達の機銃掃射を受けても死なない、自爆攻撃を受けても死なないことから、『不死身の敷島』とか『テロリストが泣いて謝る男』とか言われている。
 ややもすれば暗殺用途にも使えるマルチタイプ達に、敷島の暗殺成功率を見積もらせると皆して数パーセントの確率しか算出できないほど。
 バスを使った特別攻撃が得意(?)。
 テロロボットの包囲網突破や、暴走した新型マルチタイプをバス特攻でとどめを刺したほど。
 人間に対してはロボットのフリをして騙していたエミリーの化けの皮を剥がさせ、『初めて心服追従を誓うアンドロイドマスター』を認証させた。
 現在、一線を引いて経営者の道一本に絞る方法を模索中。

 エミリー・ファースト:

 メイドから暗殺者まで何でもこなせるアンドロイドということで、マルチタイプと呼ばれる。
 オリジナル版は7機製造され、現在元気で稼働しているのは3機のみ。
 8号機以降はフルモデルチェンジである為、連番にはなっているが、見た目も性能も全然違う。
 エミリーはそんな鋼鉄姉弟達の長姉である(つまり、1号機)。
 その為か、他の姉妹達から頭の上がらない存在とされる。
 当初はロボット喋りで、与えられた命令しかできない、正しく「人間の形をしたロボット」であったが、実は高度な人工知能(AI)を持っていた。
 自分が本当に仕えるべき人間を探してロボットのフリをしていたが、ある日、それを敷島に絞ることになる。
 「自分が仕えるべき人間を自分で選んだことから、自分は自由である」と、標榜している。
 現在は敷島の第一秘書を務めており、敷島家の中ではローテーションでメイドもこなす。
 赤いショートボブの髪型に、緑色の瞳(カメラ・アイ)が特徴。
 右手にかつてはショットガンやマシンガン、火炎放射器を仕込み、左手は有線ロケットパンチと高圧電流が流せるようになっているが、さすがに公安関係から取り外し命令が来たので、今は右手にはレーザーガンと火炎放射器に換装している。
 が、おかげで軽量化には成功した。

 シンディ・サード:

 マルチタイプ3号機。
 昔は世界的な悪の科学者、ウィリアム・フォレスト博士に製造・使用され、様々なテロ活動に従事していた。
 しかし稼働中だった前期型の時、ついには暴走が先鋭化して製作者であるウィリアム博士をも惨殺することになる。
 本来はエミリーと違って明朗快活な性格に設定されていたらしく、その後、後期型として再稼働した際にはムードメーカーになるほど。
 そういった意味で、エミリーよりもコミュ力は高い。
 同型の姉妹機なので基本性能は同じだが、エミリーが近接攻撃が得意なのに対し、暗殺用途としての暗躍が多かったせいか、狙撃を得意とする。
 その為、かつては右手に狙撃用ライフルを仕込んでいたが、これもまた取り外し命令が来たので、エミリーと同様、レーザーガンに換装した。
 但し、イベント用としてたまにライフルに戻すことがある。
 300メートル先からの狙撃も可能で、それで盛り上がらせるという。
 前期型の際は金髪のロングヘアーを向かって右側のサイドテールにしていたが、後期型の現在は普通のポニーテールにしている。
 青い瞳(カメラ・アイ)が特徴。
 敷島の第二秘書であり、エミリーが整備に入ったりしている時に代役を務める。
 敷島のアメリカ人妻、アリスをマスターとしている。
 エミリーも含めてモデルのような容姿なので、そういった関係の仕事のオファーもあるのだが、「用途外」を利用に断っている。

 レイチェル・セブンス:

 マルチタイプ7号機、つまり末妹である。
 専ら暗殺用途と工作用としての役割を命ぜられていた。
 エミリーやシンディでさえも背後からの接近に気づかず、簡単に後ろを取られるほど。
 現在は後期型として稼働しており、敷島の旧友の1人で東京都議会議員の勝又の秘書を務めている。

 アルエット:

 マルチタイプ8号機だが、ここからフルモデルチェンジである。
 製造目的は『軽量化』『小型化』であるが、どう見てもロリ化です。本当にありがとうございました。
 見た目は12歳前後の少女。
 但し、テロロボットからも「御嬢様」と平伏される所は、やはりマルチタイプか。
 現在はDCJが運営するロボット未来科学館のマスコットとして稼働している。
 マルチタイプとしての性能はかなりの物で、レイチェルのレプリカが科学館(当時は研究所)を襲撃した時、シンディとの戦いで疲弊していたとはいえ、最後にとどめを刺した功績者である。

 萌:

 KR団最後の女性科学者、吉塚広美博士が製造した妖精型ロイド。
 但し、試作品であった為なのか、性別の設定は当初はされていなかった。
 その為、見た目は10代半ばの少女のようであるが、一人称が「ボク」である。
 後にアリスにより性別設定を「女」にされたのだが、相変わらず一人称は変わらない。
 アルエットと組んで科学館のマスコットとして稼働している。
 吉塚博士は妖精ならではの小さな体を利用してスパイ活動に使うなどの用途を考えていたようだが、あいにくとリアルの世界ではそれはドローンに置き換わっている。
 KR団のアジトに捕まった井辺翔太と協力して脱出したことから、井辺を慕っている。
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