[4月10日12:30.天候:不明 夜ノ森家地下室]
夜ノ森氏の待ち伏せを受け、私は部屋を飛び出した。
しかし、部屋の外には……。
運転手:「待ってください!あなたも是非、童様の下僕となって幸せになりましょう!」
愛原:「宗教の勧誘か!」
昨夜、私達を駅からここまで乗せて来たお抱え運転手がいた。
運転手もまたサングラスの下は、赤い瞳がボウッと光っている。
自分が眩しいのも去ることながら、恐らくこの赤い瞳を隠す為のサングラスでもあったのかもしれない。
愛原:「失礼!」
私は運転手の横を通り抜け、先ほどまで通って来た通路を逆方向に向かって走り出した。
と!
ロボットA:「IDガ確認デキナイ場合、不審者ト見ナシマス」
ロボットB:「IDガ確認デキナイ場合、不審者ト見ナシマス」
ロボットC:「IDガ確認デキナイ場合、不審者ト見ナシマス」
往路にいたセキュリティロボットが3機に増えていた。
どうやら、閉じられていたシャッターの奥に潜んでいた奴ららしく、それを破って出て来たらしい。
愛原:「IDって何なんだ!?」
運転手:「待てーっ!」
何と運転手は飛ぶように私の頭上を飛び越えると、先回りした。
これで夜ノ森氏と挟み撃ちになってしまった。
おまけにロボットが3機!
運転手:「童様はあなたを『家族』にすることを望んでおられます!だからどうか御理解を!」
愛原:「嫌だね!俺はリサの世話だけで十分だ!」
運転手:「ならば……ぎゃああああああっ!!」
ロボットA:「IDガ確認デキナイノデ、強制排除シマス」
ロボットB:「武力行使ニ入リマス」
ロボットC:「命ノ保証ハ、デキマセン」
運転手がロボットから攻撃を受けてしまった。
両手に高圧電流を流せるロボット3機に抱きつかれ、運転手は感電死してしまったようだ。
愛原:「お、俺、知らないよ!?」
夜ノ森:「全く、使えんヤツめ!」
愛原:「ていうか、このロボット達は何なんだ!?」
夜ノ森:「私が自ら童様の元へお連れしよう!」
愛原:「会うだけならいいけど、仲間はまっぴらゴメンだ!じゃ、そういうことで!」
私は持ち前の逃げ足の速さで、その場を立ち去った。
夜ノ森:「待て!」
ロボットA:「IDガ確認デキナイ場合、不審者ト……」
夜ノ森:「えーい!退けい!」
夜ノ森氏は拳だけでロボット達を破壊した。
やはり何か感染すると、超人的な力を持つことができるらしい。
愛原:「はあ!はあ!」
私が息を切らして階段の方へ向かうと、
高橋:「先生!」
愛原:「うわっ!?」
いつの間にあったのか、横坑から高橋が飛び出して来た。
高橋:「先生!先ほどは申し訳ありませんでした!」
愛原:「高橋!?おまっ、大丈夫なのか?!」
高橋:「少し苦しいですが、何とかなる精神で何とかしてます」
高橋の両目も赤くなっていた。
高橋:「先生、こっちへ!こっちから地上の別の出口へ出られます!」
愛原:「そうなのか!」
私は高橋と一緒に横坑に入った。
高橋は鉄製のドアを閉めると、内鍵を閉めた。
あ、そうか!
これは途中にいくつかあったドアのうちの1つだった!
高橋:「これでしばらくは安全です。あのオッサン、鍵は持ってませんから」
愛原:「どうして分かるんだ?」
高橋:「簡単です。俺が今持ってるからですよ」
愛原:「どこで手に入れた!?全く!」
たまに強かな所があるな、高橋は。
愛原:「ああ、だけど高橋」
高橋:「何ですか?」
愛原:「お前、座敷童とは会ったのか?」
高橋:「外で会いました」
愛原:「外で?」
高橋:「電車で駅に着いた時、先生はトイレに行って、俺は喫煙所に行きましたよね?」
愛原:「ああ、そうだな」
高橋:「タバコを吸ってたら、いきなり幼女に手を掴まれたんです。きっとその時、感染したんだと思います」
高橋は上着の袖をまくってみせた。
確かにそこには『御印』と呼ばれる座敷童の手の痕があった。
高橋:「先生は座敷童とは会わなかったんですか?」
愛原:「いや、会ったよ。お前が玄関から家の奥に引っ込んだ直後」
高橋:「そうでしたか」
愛原:「で、俺も手を掴まれた」
高橋:「えっ?!」
愛原:「だけど変なんだ。俺には痕は付かなかった。だから感染していないと思うんだ」
高橋:「確かに!さすが先生ですね」
愛原:「どうかな……」
逆に私だけ感染しなかったことが却って不気味だ。
高橋:「それより早く行きましょう。外に出て助けを呼びませんと」
愛原:「それもそうだな」
高橋:「俺に付いて来てください」
私は高橋の先導を受けて横坑を進んだ。
するとまた突き当りに、今度は梯子があった。
高橋:「この上です」
愛原:「なるほど!……だけど、大丈夫なのか?お前、感染していると外へ出れないんだろう?」
高橋:「大丈夫です。ここを上がれば、すぐに外ってわけではないんですよ。まあ、付いて来てください」
私は高橋の後に続いて梯子を登った。
梯子の上に付いている蓋を高橋は開けて、そこに上がる。
私もそこに上がった。
愛原:「ここは……?」
高橋:「蔵の中のようです。ここなら光も入って来ないので、俺でも大丈夫なわけです」
愛原:「よし!すぐに外に出るぞ!高橋は……」
高橋:「俺はそこの箱の裏にでも隠れてますよ」
愛原:「分かった。もうそろそろ救助が来る頃だろうから、俺が呼んで来るからな。そこで待ってろ」
高橋:「はい……」
私は蔵の外に出ようとした。
だが、内側から鍵が掛かっていた。
しかも内鍵ではなく、外からと同様、内側からも大きな南京錠で閉めるタイプのものだ。
愛原:「おい、高橋!鍵が掛かってるぞ!?」
高橋:「そうですね。掛かってますね」
愛原:「鍵はどうした!?」
高橋:「もちろん、俺が持ってますよ?」
愛原:「だったら早く寄越せ」
高橋:「嫌です。……と、言ったら?」
愛原:「おい、ふざける……」
私が怒鳴り付けようとした時、ハッと気がついた。
愛原:「お前、まさか……!?」
高橋は両目をボウッと鈍く光らせながら不敵な笑みを浮かべた。
高橋:「さすがは先生ですね。ここは童様の蔵です。もうまもなく童様がお見えです。唱題は行われませんが、童様がお見えになるまで、合掌をして静かにお待ちになってはいかがですか?」
愛原:「高橋!!」
私は高橋に掴みかかろうとした。
だが、高橋は手持ちのハンドガンを私を向けた。
高橋:「これが何だか分かりますね?」
愛原:「どうせライターだろ!いい加減に……」
パーンッ!(発砲音)
高橋:「いいえ、モノホンです」
愛原:「くっ……!本気か……!」
高橋:「はい。……はっ!童様がお見えです!……先生の背後に!」
愛原:「なにっ!?」
私が振り向くと、そこには!
座視童:「ひはははははは!」
無邪気な、しかし不気味な笑いを浮かべた少女がいた。
東北などに伝わる座敷童と違って着物は着ていないし、顔立ちもリサ同様に日本人離れしている。
多分、BOWだと私は思った。
次の瞬間、座敷童が私の手を掴んでこようとした!
今度こそ感染させるつもりだろう。
私は……。
1:咄嗟に手を振り払う。
2:足払いをする。
3:頭を殴る。
4:突き飛ばす。
5:あえて掴まれる。
夜ノ森氏の待ち伏せを受け、私は部屋を飛び出した。
しかし、部屋の外には……。
運転手:「待ってください!あなたも是非、童様の下僕となって幸せになりましょう!」
愛原:「宗教の勧誘か!」
昨夜、私達を駅からここまで乗せて来たお抱え運転手がいた。
運転手もまたサングラスの下は、赤い瞳がボウッと光っている。
自分が眩しいのも去ることながら、恐らくこの赤い瞳を隠す為のサングラスでもあったのかもしれない。
愛原:「失礼!」
私は運転手の横を通り抜け、先ほどまで通って来た通路を逆方向に向かって走り出した。
と!
ロボットA:「IDガ確認デキナイ場合、不審者ト見ナシマス」
ロボットB:「IDガ確認デキナイ場合、不審者ト見ナシマス」
ロボットC:「IDガ確認デキナイ場合、不審者ト見ナシマス」
往路にいたセキュリティロボットが3機に増えていた。
どうやら、閉じられていたシャッターの奥に潜んでいた奴ららしく、それを破って出て来たらしい。
愛原:「IDって何なんだ!?」
運転手:「待てーっ!」
何と運転手は飛ぶように私の頭上を飛び越えると、先回りした。
これで夜ノ森氏と挟み撃ちになってしまった。
おまけにロボットが3機!
運転手:「童様はあなたを『家族』にすることを望んでおられます!だからどうか御理解を!」
愛原:「嫌だね!俺はリサの世話だけで十分だ!」
運転手:「ならば……ぎゃああああああっ!!」
ロボットA:「IDガ確認デキナイノデ、強制排除シマス」
ロボットB:「武力行使ニ入リマス」
ロボットC:「命ノ保証ハ、デキマセン」
運転手がロボットから攻撃を受けてしまった。
両手に高圧電流を流せるロボット3機に抱きつかれ、運転手は感電死してしまったようだ。
愛原:「お、俺、知らないよ!?」
夜ノ森:「全く、使えんヤツめ!」
愛原:「ていうか、このロボット達は何なんだ!?」
夜ノ森:「私が自ら童様の元へお連れしよう!」
愛原:「会うだけならいいけど、仲間はまっぴらゴメンだ!じゃ、そういうことで!」
私は持ち前の逃げ足の速さで、その場を立ち去った。
夜ノ森:「待て!」
ロボットA:「IDガ確認デキナイ場合、不審者ト……」
夜ノ森:「えーい!退けい!」
夜ノ森氏は拳だけでロボット達を破壊した。
やはり何か感染すると、超人的な力を持つことができるらしい。
愛原:「はあ!はあ!」
私が息を切らして階段の方へ向かうと、
高橋:「先生!」
愛原:「うわっ!?」
いつの間にあったのか、横坑から高橋が飛び出して来た。
高橋:「先生!先ほどは申し訳ありませんでした!」
愛原:「高橋!?おまっ、大丈夫なのか?!」
高橋:「少し苦しいですが、何とかなる精神で何とかしてます」
高橋の両目も赤くなっていた。
高橋:「先生、こっちへ!こっちから地上の別の出口へ出られます!」
愛原:「そうなのか!」
私は高橋と一緒に横坑に入った。
高橋は鉄製のドアを閉めると、内鍵を閉めた。
あ、そうか!
これは途中にいくつかあったドアのうちの1つだった!
高橋:「これでしばらくは安全です。あのオッサン、鍵は持ってませんから」
愛原:「どうして分かるんだ?」
高橋:「簡単です。俺が今持ってるからですよ」
愛原:「どこで手に入れた!?全く!」
たまに強かな所があるな、高橋は。
愛原:「ああ、だけど高橋」
高橋:「何ですか?」
愛原:「お前、座敷童とは会ったのか?」
高橋:「外で会いました」
愛原:「外で?」
高橋:「電車で駅に着いた時、先生はトイレに行って、俺は喫煙所に行きましたよね?」
愛原:「ああ、そうだな」
高橋:「タバコを吸ってたら、いきなり幼女に手を掴まれたんです。きっとその時、感染したんだと思います」
高橋は上着の袖をまくってみせた。
確かにそこには『御印』と呼ばれる座敷童の手の痕があった。
高橋:「先生は座敷童とは会わなかったんですか?」
愛原:「いや、会ったよ。お前が玄関から家の奥に引っ込んだ直後」
高橋:「そうでしたか」
愛原:「で、俺も手を掴まれた」
高橋:「えっ?!」
愛原:「だけど変なんだ。俺には痕は付かなかった。だから感染していないと思うんだ」
高橋:「確かに!さすが先生ですね」
愛原:「どうかな……」
逆に私だけ感染しなかったことが却って不気味だ。
高橋:「それより早く行きましょう。外に出て助けを呼びませんと」
愛原:「それもそうだな」
高橋:「俺に付いて来てください」
私は高橋の先導を受けて横坑を進んだ。
するとまた突き当りに、今度は梯子があった。
高橋:「この上です」
愛原:「なるほど!……だけど、大丈夫なのか?お前、感染していると外へ出れないんだろう?」
高橋:「大丈夫です。ここを上がれば、すぐに外ってわけではないんですよ。まあ、付いて来てください」
私は高橋の後に続いて梯子を登った。
梯子の上に付いている蓋を高橋は開けて、そこに上がる。
私もそこに上がった。
愛原:「ここは……?」
高橋:「蔵の中のようです。ここなら光も入って来ないので、俺でも大丈夫なわけです」
愛原:「よし!すぐに外に出るぞ!高橋は……」
高橋:「俺はそこの箱の裏にでも隠れてますよ」
愛原:「分かった。もうそろそろ救助が来る頃だろうから、俺が呼んで来るからな。そこで待ってろ」
高橋:「はい……」
私は蔵の外に出ようとした。
だが、内側から鍵が掛かっていた。
しかも内鍵ではなく、外からと同様、内側からも大きな南京錠で閉めるタイプのものだ。
愛原:「おい、高橋!鍵が掛かってるぞ!?」
高橋:「そうですね。掛かってますね」
愛原:「鍵はどうした!?」
高橋:「もちろん、俺が持ってますよ?」
愛原:「だったら早く寄越せ」
高橋:「嫌です。……と、言ったら?」
愛原:「おい、ふざける……」
私が怒鳴り付けようとした時、ハッと気がついた。
愛原:「お前、まさか……!?」
高橋は両目をボウッと鈍く光らせながら不敵な笑みを浮かべた。
高橋:「さすがは先生ですね。ここは童様の蔵です。もうまもなく童様がお見えです。唱題は行われませんが、童様がお見えになるまで、合掌をして静かにお待ちになってはいかがですか?」
愛原:「高橋!!」
私は高橋に掴みかかろうとした。
だが、高橋は手持ちのハンドガンを私を向けた。
高橋:「これが何だか分かりますね?」
愛原:「どうせライターだろ!いい加減に……」
パーンッ!(発砲音)
高橋:「いいえ、モノホンです」
愛原:「くっ……!本気か……!」
高橋:「はい。……はっ!童様がお見えです!……先生の背後に!」
愛原:「なにっ!?」
私が振り向くと、そこには!
座視童:「ひはははははは!」
無邪気な、しかし不気味な笑いを浮かべた少女がいた。
東北などに伝わる座敷童と違って着物は着ていないし、顔立ちもリサ同様に日本人離れしている。
多分、BOWだと私は思った。
次の瞬間、座敷童が私の手を掴んでこようとした!
今度こそ感染させるつもりだろう。
私は……。
1:咄嗟に手を振り払う。
2:足払いをする。
3:頭を殴る。
4:突き飛ばす。
5:あえて掴まれる。