報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「埼玉で夕食」

2019-04-11 19:22:41 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[4月8日17:10.天候:晴 埼玉県さいたま市大宮区 JR大宮駅西口]

 私の名前は愛原学。
 都内で小さな探偵事務所を経営している。
 今日は依頼人と依頼の内容について、その詳細を話し合った。
 そしてその帰り、私は大宮駅に向かう路線バスに乗っているというわけだ。

 
(今年度から新規開業した“けんちゃんバス”。愛原達は『上落合公園前』から乗車した)

 私の他には助手の高橋と、依頼人と同じ地域に実家が存在する斉藤絵恋さんと、そこへ遊びに行ったリサが同行している。

 愛原:「この辺、色々と店あるなー」
 高橋:「まだ、夕方5時台ですが?」
 愛原:「都内に入ってからの方が混むだろ。空いてる今くらいの時間に食う方がいいかもな」
 高橋:「先生がそう仰るのでしたら……」

 バスは路駐の車を追い越して停車した。

 運転手:「ご乗車ありがとうございましたー。終点、大宮駅西口です」

 前扉が開いて私達は降車口へ向かった。
 まだ開業したてでPR中なのか、この時間でも利用者は少なかった。
 鉄道博物館方面に行く方は賑わっているようだから、是非ともそうなってほしいと願う。

 愛原:「さてと、どこで食べようかな……」

 バスを降りて私達は、取りあえず駅とは反対方向に少し歩いた。

 高橋:「先生、あそこにも“いきなりステーキ”ありますよ?」
 愛原:「つったって、アレだろ?立ち食い形式だろ?座ってゆっくり食おうよ?」
 高橋:「店によっては、椅子席のある所もあるらしいですけどね」
 愛原:「そうなのか?高橋はステーキが食べたいのか?」
 高橋:「いえ、別に何でもいいんですけど……」
 愛原:「そういうのが1番困るんだよ。ハッキリ言ってくれ」
 高橋:「はあ……。強いて言うなら、先生の食べ残しなら何でもいいです。功徳です」
 愛原:「だから、どこかの宗教団体関係者みたいなことを言うじゃない!……もういい!このコ達の意見を聞く!……リサ達は何が食べたい?」
 斉藤:「わ、私もリサさんの食べ残しなら……
 愛原:「何でこの作品だけLGBTが多いんだよっ!」
 高橋:「やっぱ好きな人の食べ残しって重要ですよ?」
 斉藤:「そうですよ、リサさんの叔父様!」
 愛原:「ちょっと2人とも、黙っててくれな?」

 意外と高橋と絵恋さんは気が合うのかもしれない。
 ああ、因みに私はLGBT対象外だからな?
 誤解なさらないように。

 愛原:「リサの意見を聞く!リサは何がいい?因みに『誰かの食べ残し』という意見は却下だからな?」
 リサ:「分かった。それならステーキ」
 愛原:「よし、決定。だけど、あの店じゃ立ち食い……」
 高橋:「俺がちょっと見て来ますよ」

 高橋は先に行って、店の様子を見に行った。
 そして、すぐに戻ってきた。

 高橋:「大丈夫っス!ぶっちゃけ、椅子席の方が多い店っぽいっス!」
 愛原:「そうなのか!それは良かった!」
 高橋:「店内もまだ空いてます」
 愛原:「よし、そこ採用!」

 私達は早速店内に入った。
 なるほど、確かに椅子席が多い。
 4人用のテーブル席もあって、私達はそこに座ることができた。

 愛原:「300グラムとか、結構量があるなぁ」
 高橋:「しかもそれが最低限らしいですからね」
 愛原:「ま、確変の勝ち分をここで放出するか。遠慮しないで好きな物頼んでいいからな?」
 斉藤:「あ、はい。ありがとうございます」
 高橋:「先生、俺も出しますから、がっつり行っちゃってください。ええ、もう1キロとか!」
 愛原:「そんなに食えねーよ。残したら勿体無い……ハッ!」
 高橋:「その時は俺が責任を持って処理します」(`・ω・´)
 愛原:「マイリブステーキ300グラムでいいや」
 高橋:「えーっ!」
 愛原:「『えーっ!』じゃねぇ!」
 斉藤:「リサさん、叔父様の言葉に甘えましょう?リサさんも1kgくらい頼んじゃって、食べきれなかったら、わ、わわ……私が……
 愛原&高橋:「そいつは本当に1キロ食うよ?」
 斉藤:「えーっ!?」
 リサ:「うんうん」

 リサは微笑を浮かべて頷いた。
 だが……。

 リサ:「今日は愛原さん達に合わせる。私も同じ肉300グラムで。腹8分目……よりも少ないけど」
 高橋:「足りねーのかよ!先生、どんな胃袋してんスか、こいつは……」
 愛原:「深くは考えない方がいいぞ」

 何しろBOWだからな。
 全種類がそうだというわけではないが、殆どが人喰いだ。
 種類によっては人間の肉まるまる一体分は食べてしまうのだから、リサの『牛肉1キロ分でもまだ足りない』というのはあながちウソではないのだろう。
 リサは採血だけでなく、逆に何種類かの薬を注射されているが、その中に食欲抑制剤も含まれているという話だ。

 高橋:「じゃあ、注文取りに行きましょう」

 カウンターに行って注文を取りに行く。
 厨房の店員が冷蔵庫から肉の塊を持って来て、その場で注文のグラム数(端数あり。大抵その端数は数グラムほどの余分)を切り分けてくれる。
 その様子を見たリサの目と口が、獲物をロックオンしたBOWそのものだった。

 愛原:「さ、後は席に戻って待つぞ」
 リサ:「はーい」

 私はリサの背中を押して席に戻った。

 斉藤:「えっ?明日、リサさんが?」
 愛原:「仕事の都合で、明日から夜通しの仕事になりそうなんだ。それでもし良かったら、リサが泊まりに行ってもいいかなぁ……なんて」
 斉藤:「大歓迎ですよ!」

 そうなのだ。
 明日は夜の電車で群馬入りし、現地の調査をしなくてはならない。
 依頼人がそうして欲しいと言って来たのだ。
 こちらとしては高い報酬が約束されているのだから、それくらいワケが無かった。
 ただ、リサを1人で置いて行くことになる。
 寂しがり屋のリサを置いて行くのはアレなので、絵恋さんに頼んでみたというわけだ。
 そしたら、この大歓喜ぶり。

 斉藤:「私の部屋のベッド、ダブルなんです!リサさんが一緒に寝ても大丈夫ですよ!」
 愛原:「……同衾よろしくとまでは言ってないからね、斉藤さん?」

 高橋はもう末期だとして、10代のうちからレズビアンというのもなぁ……。
 AV的には最高なのだが。
コメント (3)
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“愛原リサの日常” 「仲良き事は美しき哉」

2019-04-11 15:13:04 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[4月8日15:00.天候:晴 埼玉県さいたま市中央区上落合 斉藤家]

 斉藤絵恋:「よーこそ!よーこそ!リサさーん
 リサ:「サイトー、お招き頂き、ありがとう」

 リサだけでなく、専属のメイドや執事からも恭しい歓待を受けるリサ。

 リサ:(どこかでこういうの、体験したことがあるような気がする……)

 しかし、リサは深く考えるのは止めることにした。
 何かフラッシュバックのようなものが起こり、その度に激しい頭痛がするからだ。

 斉藤絵恋:「ちょうど面白いゲーム買ってもらったの。それやろう。ちょうどおやつの時間だから、ゲームしながらでも食べられるお菓子出してあげて」
 メイドA:「かしこまりました。御嬢様」

 リサは絵恋の自室がある3階までエレベーターで上がった。
 ホームエレベーターと言い、地上3階建て、地下室もある斉藤家では必要らしい。

 リサ:「大きな家に斉藤1人、寂しくない?」
 絵恋:「そうねぇ……。お母さんもお父さんも、平日は仕事でいないからね。だから金曜日、学校が終わったら家に帰るの。金曜日はなるべく早く帰って来てくれるし、土日祝日は基本的に家にいてくれるから」
 リサ:「なるほど」
 絵恋:「あ、でもリサさんが遊びに来てくれるのは全然オッケーだからね!」
 リサ:「ん、それはできない」
 絵恋:「ええっ!?」Σ( ̄ロ ̄lll)ガーン
 リサ:「献血しに行かないとダメだから」
 絵恋:「献血してるの?あれ?中学生でできるっけ???よく、『ハタチの献血』って聞くから、大人にならないとできないのかなって思ってたけど」
 リサ:「ん、私はしてる」
 絵恋:「私も行ってみようかなぁ……なんて」(/ω・\)チラッ
 リサ:「病院に行ってるから、サイトーは多分ダメ」
 絵恋:Σ( ̄ロ ̄lll)ガーン

 リサの体は新種のウィルスだらけだ。
 完全体のBOWたる彼女は自らの意思で新型ウィルスをバラ撒くこともできるが、ヘタなインフルエンザをも無力化できる物も持っており、それを抽出する為だった。
 上手く行けば、エイズなんかも無力化できるかもしれない。
 要はそれまで研究所に軟禁されていた状態だったものが、条件付きで解放されたということだ。
 定期的な遺伝子の提供(ここでは血液を提供すること)と、当然ながら暴走してはいけないというのが入っている。
 他にもあるのだろうが、取りあえずこの2つ。
 基本的には愛原学探偵事務所の面々の言う事に従っていれば間違いないということを教え込まれたリサは、それに従っているというわけだ。
 旧アンブレラの関係者の証言は得られていないので不明だが、リサを保護した日本政府関係者は驚くほど従順なリサに驚いたらしい。
 BOWといったら、大抵は人類の敵側に回ることが多いからだ。

 絵恋:「えっと……どこか体の具合でも悪いの?」
 リサ:「悪くはないけどウィルスまみれ」
 絵恋:「またまたぁ!」

 リサはいたって正直に答えたのだが、絵恋には突拍子も無さ過ぎて冗談に聞こえたらしい。

 絵恋:「そろそろおやつが来るから、ゲームでもしましょ」
 リサ:「新規入荷のものはどれ?」
 絵恋:「リサさんの御要望にお応えして、“バイオハザードRE:2”!」

 尚、CERO的には中学生の購入・プレイは非推奨である。
 理由はもちろん【お察しください】。
 通販か恐らく使用人に買いに行かせたものと思われる。

 絵恋:「リサさん、こういうの好きなのね。私には怖くて箱すら開けられないわ」
 リサ:「ん、大丈夫。タイラント君が出てるみたいだから、私は好き」
 絵恋:「た、タイラント君!?」

 リサ・トレヴァーもタイラントも生身の人間を狂ったバイオテクノロジーで改造したBOW(Bio Organic Weapon)である為、通じるものがあるのだろう。
 で、このゲームも前半部分で既にタイラントが登場する。

 絵恋:「きゃあああっ!追い付かれちゃうわよ!?早く逃げて!」
 リサ:「大丈夫大丈夫。多分、この部屋には入って来ない」
 絵恋:「何で知ってるの?」
 リサ:「タイラント君達、契約第一主義者だから、契約エリア外には入って来ない。追加契約しない限りは
 絵恋:「け、契約?契約社員なの?アンブレラの?」
 リサ:「うーん……それは分かんない」

 恐らく、業務請負契約だと思われるw
 私立探偵や警備員みたいにw
 警備員がやたらと敷地の内外に拘るのは、そこに理由がある(他にも理由はあるのだが)。

 その時、部屋がノックされた。

 絵恋:「きゃっ!?……びっくりしたぁ……。誰?」
 執事:「失礼します。御嬢様、盛り上がりのところ申し訳ありませんが、そろそろ東京に戻られる時間でございます」
 絵恋:「あ、もうそんな時間なの。リサさん、申し訳ないけど、この続きはまた今度でいいかしら?」
 リサ:「分かった。ちょうど今、セーブしてるところ」
 執事:「愛原リサ様、叔父様と合流されますね?」
 リサ:「うん」
 絵恋:「叔父様に早く連絡してあげて」
 執事:「それが、先ほど御連絡させて頂いたのですが……」
 絵恋:「なに?何かあったの?」
 執事:「『確変が止まらない。どうしよう?』という御返事でした」
 絵恋:「はあ!?」
 リサ:「!」
 執事:「失礼ですが、これは何かの暗号でしょうか?愛原様のお仕事は探偵業ということですし……」
 リサ:「暗号でも何でもない。サイトー、行こう。力づくでも連れ出す!」
 絵恋:「は、はい!」

 自分達を放っておいてパチンコに興ずる保護者に対し、イラッときたリサの目は赤くボウッと鈍く光った。
 それを見た絵恋は、まるで吸血鬼に睨まれた女性のように固まってしまったのである。

[同日16:50.天候:晴 同地区内 上落合公園前バス停]

 愛原:「いやあ、悪い悪い!仕事の話はトントン進んだもんで、時間が余っちゃったんだよ!そしたら、高橋が『ついでに打って行きません?』なんて言うもんだからさぁ……!」
 高橋:「俺のせいっスか!?」

 プンスカ怒るリサに対し、愛原は慌てて取り繕うように言い訳した。

 高橋:「先生もノリノリで打ってたじゃないですか!『マリンちゃん萌えーっ!』って叫びながら」
 愛原:「シッ!バカ!声がデケェ!」
 絵恋:「リサさんを放ってパチンコだなんて、とんだ名探偵ですこと!」
 愛原:「ゴメンゴメン。俺も高橋も確変出まくって黒字出したから、夕食も奢るよ」
 高橋:「ゴチです!」
 愛原:「お前も黒字出したんだから、お前も出せ」
 高橋:「えーっ!」
 愛原:「『えーっ!』じゃない!」
 リサ:「! バス来た」

 市道の与野中央通りでバスを待っていると、緑色一色に塗装されたミニバス(日野自動車・リエッセ)がやってきた。

 絵恋:「ごめんなさい。父に『なるべく公共交通機関を使うように』って強く言われたんです」
 愛原:「素晴らしい教育方針だと思いますよ」

 中扉からバスに乗り込み、1番後ろの席に座った。

 愛原:(恐らくこの時間は斉藤社長の送迎が最優先になるので、絵恋さんの送迎は後回しにされたか……)

 乗車客は愛原達だけ。
 乗降を終えると、バスはすぐに走り出した。

〔ピンポーン♪ 次は児童センター入口、児童センター入口でございます〕

 高橋:「先生、やっぱあの店、遠隔じゃないですかね?」
 愛原:「そうかもしれんが、今は関係無いからな?」
 高橋:「はい」
 リサ:(お仕事でパチンコ打ってた?悪いこと言っちゃったかな……)

 いや、仕事とは関係無く打っていたと思うので、リサは気にする必要は無いと思われる。
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