[6月14日19時00分 天候:曇 東京都千代田区丸の内 JR(東日本)東京駅→東北新幹線267B列車・1号車内]
東海道新幹線から東北・上越・北陸新幹線への乗換改札口を通過する。
ここでは3枚のキップを投入し、うち東海道新幹線の特急券だけ回収され、出口側に2枚のキップが出てくる。
即ち、北与野駅までの乗車券と東京~大宮間の新幹線特急券である。
これでJR東日本側へ抜けることができた。
愛原「19時ちょうど発の“なすの”に乗ろう」
私達はエスカレーターに乗って、23番線へと向かった。
実はこのホーム、先ほど私達が乗って来た“こだま”号が停車したホームとは隣である。
今はJRが違うせいか、乗り換えに少々遠回りをさせられるが、国鉄時代はもっとすんなり乗り換えができたのだろう。
ホームに上がると、東北新幹線と山形新幹線の2つを連結した長大編成の列車が停車していた。
どうやら、それの折り返し間合い運用のようである。
通勤列車として運用する為か、平日の普通車は全て自由席という列車である。
〔23番線の、列車は、19時ちょうど発、“なすの”267号、那須塩原行きです。この電車は、各駅に止まります。グリーン車は、9号車、11号車。自由席は、1号車から、10号車と、12号車から、16号車です。尚、全車両禁煙です。……〕
私達は1番後ろの1号車に乗り込んだ。
そして、まるっと空いている3人席に並んで座った。
〔「ご案内致します。この電車は、19時ちょうど発、東北新幹線“なすの”267号、那須塩原行きです。終点、那須塩原までの各駅に止まります。福島、仙台、山形方面には参りませんので、ご注意ください。まもなくの発車となります。ご利用のお客様は、車内でお待ちください。19時ちょうど発、東北新幹線“なすの”267号、那須塩原行きです」〕
愛原「那須塩原行きか。最近、天長園に行ってないなぁ」
リサ「行かなくていいからねっ!」
パール「ホテルとしては、天然温泉があって、露天風呂もあって、温泉好きの先生向けだとマサが言ってました」
愛原「だろォ?」
リサ「鬼が経営しているホテルだよ!」
ホームから発車ベルが聞こえてくる。
東海道新幹線では発車メロディだが、それ以外の新幹線ホームではベル。
〔23番線から、“なすの”267号、那須塩原行きが、発車致します。次は、上野に、停まります。黄色い線まで、お下がりください〕
〔「23番線から、“なすの”267号、那須塩原行き、まもなく発車致します。ドアが閉まります。ご注意ください」〕
そして、甲高い客終合図のブザーがホームに流れる。
東海道新幹線だと重低音が響くブザーだが、こちらは本当に甲高い。
ドアが閉まると、比較的すぐに列車が発車した。
東海道新幹線と違い、こちら側には可動式安全柵が無いからだろう。
そちらと違って、様々な編成の列車が発着するJR東日本側としては、そこまでフレキシブルに対応できるホームドアが発明されない限り、設置はできないのだろう。
リサ「うっ!?」
リサがホームの方を見て、びっくりする声を上げた。
愛原「どうした!?」
リサ「いた!鬼の男!」
愛原「マジか!?」
ここまで追って来たのだろうか?
因みに『鬼の男』と言っているが、かつてリサに付き纏った鬼の男とは別人である。
リサ「わたしを追って来たんだ……」
愛原「本当かなぁ……?」
〔♪♪(車内チャイム)♪♪。本日も、JR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございます。この電車は、東北新幹線、“なすの”号、那須塩原行きです。次は、上野に、停まります。……〕
パール「どうやって、追って来たのでしょう?」
愛原「血鬼術みたいなものを使われるとちょっとマズいな……」
リサ「そういえば……」
愛原「ん?」
リサ「いたのは、鬼の男だけじゃなくて、お爺ちゃんみたいなのもいたかな……」
愛原「お爺ちゃん?人間の?」
リサ「分かんない。帽子被ってたから、それで角隠してるだけかもしれないし……」
愛原「それじゃ、偶然か?」
パール「それにしても、どうやって追い掛けて来たのでしょう?妖術か何か?」
愛原「まさか。もしそんなものが使えるなら、とっくにリサの前に立ちはだかっているさ」
リサ「う……ヤだ」
私は自分のスマホを取り出した。
それでJR東海のアプリを起動させる。
そこから東海道新幹線の時刻表を出してみると、面白いことが分かった。
西村京太郎ミステリーのそれとは全く足元にも及ばない簡素なトリックではあるが。
愛原「何故その『鬼の男』達が三島駅のホームにいたのか分かったよ」
愛原「俺達はずっと“こだま”に乗り続けていたが、実はあの“こだま”が発車した4分後には“ひかり”514号が発車する。その鬼の男達は、それに乗ったんじゃないかな?実際、小田原駅で通過列車があっただろ?」
リサ「それじゃ、東京駅に先回りされてたってこと?」
愛原「そういうことになるな」
小田原駅では互いにその存在には気づかなかった。
リサも、さすがに高速で通過する列車の中まで気配を察知することはできないし,それは向こうも同じだったのだろう。
そして、東京駅では到着するホームが違ったのも幸いだった。
私達の“こだま”は15番線に到着したが、件の“ひかり”は16番線に到着する。
数字にすると隣同士のように見えるが、実は2本の線路を挟んで向かいのホームなのである。
愛原「東京駅で鉢合わせにならなかったのは、俺達が急いで乗り換えたからだな。これに乗り換えて正解だった」
リサ「でも、ホームまでは追ってきたよ?」
愛原「そうだな。リサの気配を察知して追い掛けてきたのか、それとも……」
鬼の男達もまた、東北新幹線などに乗り換えるつもりだったのかもしれない。
とにかく、線路に下りて、妖術を使ってまで追い掛けて来るという無茶ぶりまではしないようだ。
これは速やかに、現地に移動してやり過ごすしかなさそうだな。
東海道新幹線から東北・上越・北陸新幹線への乗換改札口を通過する。
ここでは3枚のキップを投入し、うち東海道新幹線の特急券だけ回収され、出口側に2枚のキップが出てくる。
即ち、北与野駅までの乗車券と東京~大宮間の新幹線特急券である。
これでJR東日本側へ抜けることができた。
愛原「19時ちょうど発の“なすの”に乗ろう」
私達はエスカレーターに乗って、23番線へと向かった。
実はこのホーム、先ほど私達が乗って来た“こだま”号が停車したホームとは隣である。
今はJRが違うせいか、乗り換えに少々遠回りをさせられるが、国鉄時代はもっとすんなり乗り換えができたのだろう。
ホームに上がると、東北新幹線と山形新幹線の2つを連結した長大編成の列車が停車していた。
どうやら、それの折り返し間合い運用のようである。
通勤列車として運用する為か、平日の普通車は全て自由席という列車である。
〔23番線の、列車は、19時ちょうど発、“なすの”267号、那須塩原行きです。この電車は、各駅に止まります。グリーン車は、9号車、11号車。自由席は、1号車から、10号車と、12号車から、16号車です。尚、全車両禁煙です。……〕
私達は1番後ろの1号車に乗り込んだ。
そして、まるっと空いている3人席に並んで座った。
〔「ご案内致します。この電車は、19時ちょうど発、東北新幹線“なすの”267号、那須塩原行きです。終点、那須塩原までの各駅に止まります。福島、仙台、山形方面には参りませんので、ご注意ください。まもなくの発車となります。ご利用のお客様は、車内でお待ちください。19時ちょうど発、東北新幹線“なすの”267号、那須塩原行きです」〕
愛原「那須塩原行きか。最近、天長園に行ってないなぁ」
リサ「行かなくていいからねっ!」
パール「ホテルとしては、天然温泉があって、露天風呂もあって、温泉好きの先生向けだとマサが言ってました」
愛原「だろォ?」
リサ「鬼が経営しているホテルだよ!」
ホームから発車ベルが聞こえてくる。
東海道新幹線では発車メロディだが、それ以外の新幹線ホームではベル。
〔23番線から、“なすの”267号、那須塩原行きが、発車致します。次は、上野に、停まります。黄色い線まで、お下がりください〕
〔「23番線から、“なすの”267号、那須塩原行き、まもなく発車致します。ドアが閉まります。ご注意ください」〕
そして、甲高い客終合図のブザーがホームに流れる。
東海道新幹線だと重低音が響くブザーだが、こちらは本当に甲高い。
ドアが閉まると、比較的すぐに列車が発車した。
東海道新幹線と違い、こちら側には可動式安全柵が無いからだろう。
そちらと違って、様々な編成の列車が発着するJR東日本側としては、そこまでフレキシブルに対応できるホームドアが発明されない限り、設置はできないのだろう。
リサ「うっ!?」
リサがホームの方を見て、びっくりする声を上げた。
愛原「どうした!?」
リサ「いた!鬼の男!」
愛原「マジか!?」
ここまで追って来たのだろうか?
因みに『鬼の男』と言っているが、かつてリサに付き纏った鬼の男とは別人である。
リサ「わたしを追って来たんだ……」
愛原「本当かなぁ……?」
〔♪♪(車内チャイム)♪♪。本日も、JR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございます。この電車は、東北新幹線、“なすの”号、那須塩原行きです。次は、上野に、停まります。……〕
パール「どうやって、追って来たのでしょう?」
愛原「血鬼術みたいなものを使われるとちょっとマズいな……」
リサ「そういえば……」
愛原「ん?」
リサ「いたのは、鬼の男だけじゃなくて、お爺ちゃんみたいなのもいたかな……」
愛原「お爺ちゃん?人間の?」
リサ「分かんない。帽子被ってたから、それで角隠してるだけかもしれないし……」
愛原「それじゃ、偶然か?」
パール「それにしても、どうやって追い掛けて来たのでしょう?妖術か何か?」
愛原「まさか。もしそんなものが使えるなら、とっくにリサの前に立ちはだかっているさ」
リサ「う……ヤだ」
私は自分のスマホを取り出した。
それでJR東海のアプリを起動させる。
そこから東海道新幹線の時刻表を出してみると、面白いことが分かった。
西村京太郎ミステリーのそれとは全く足元にも及ばない簡素なトリックではあるが。
愛原「何故その『鬼の男』達が三島駅のホームにいたのか分かったよ」
愛原「俺達はずっと“こだま”に乗り続けていたが、実はあの“こだま”が発車した4分後には“ひかり”514号が発車する。その鬼の男達は、それに乗ったんじゃないかな?実際、小田原駅で通過列車があっただろ?」
リサ「それじゃ、東京駅に先回りされてたってこと?」
愛原「そういうことになるな」
小田原駅では互いにその存在には気づかなかった。
リサも、さすがに高速で通過する列車の中まで気配を察知することはできないし,それは向こうも同じだったのだろう。
そして、東京駅では到着するホームが違ったのも幸いだった。
私達の“こだま”は15番線に到着したが、件の“ひかり”は16番線に到着する。
数字にすると隣同士のように見えるが、実は2本の線路を挟んで向かいのホームなのである。
愛原「東京駅で鉢合わせにならなかったのは、俺達が急いで乗り換えたからだな。これに乗り換えて正解だった」
リサ「でも、ホームまでは追ってきたよ?」
愛原「そうだな。リサの気配を察知して追い掛けてきたのか、それとも……」
鬼の男達もまた、東北新幹線などに乗り換えるつもりだったのかもしれない。
とにかく、線路に下りて、妖術を使ってまで追い掛けて来るという無茶ぶりまではしないようだ。
これは速やかに、現地に移動してやり過ごすしかなさそうだな。
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