[1月7日13:00.天候:晴 東京都墨田区菊川 愛原学探偵事務所]
私の名前は愛原学。
都内で探偵事務所を経営している。
今日は仕事も緩やかなものであり、いつものように泊まり掛けの身辺調査とか何日も必要な浮気調査などの依頼は無かった。
ここしばらくは、またヒマな日々がやってくるのかな。
そう言えばリサの冬休み期間中は、特にどこにも連れて行ってやれなくて可哀想だった。
年末に、高橋君とコミケに行ったくらいかな。
愛原:「うーむ……」
高橋正義:「どうしました、先生?今日の昼飯、どこかマズかったですか?」
愛原:「あ、いや。高橋君は料理が上手くて最高だよ。そうじゃない。別の考え事さ」
高橋:「何か悩み事ですか?俺で良かったら話聞きますよ?」
愛原:「違う。いいからお前は、食器の片付けでもしてろ」
高橋:「はあ……」
高橋が給湯室に行くと、斜向かいの机に座る高野君が話し掛けて来た。
彼女は事務所の経理などを担当しており、今は直接探偵の仕事をすることはない。
だが、私は知っている。
霧生市での活躍からして、彼女は政府エージェント並みの働きぶりを発揮することを。
高野芽衣子:「マサじゃないけど、悩み事ですか?」
愛原:「いや、そんな大した話じゃないんだ。リサの冬休み期間中、どこにも連れて行ってやれなかっただろ?」
高野:「ちょうど仕事が集中しましたからねぇ。身辺調査に浮気調査……」
愛原:「せいぜい年末、高橋がコミケに連れて行ったくらいだ」
高野:「あれは遊びに行くというより、ゲームを売りに行くという『仕事』みたいなものですからねぇ……」
愛原:「そうなんだ。高野君も行けば良かったのに」
高野:「ええ?」
愛原:「ボーカロイドのMEIKOまたは“バイオハザードシリーズ”のエイダ・ウォンのコスプレでもしてさ……。俺的には後者キボン」
高野:「何言ってるんですか。私は興味ないです」
高橋:「先生!俺は!?俺は何のコスプレしたらいいですか!?」
愛原:「サークル参加者側がコスプレすんな!……あ、いや、いいのか、コスプレして。“バイオハザード6”のジェイク・ミュラー(ウェスカー)じゃねーの」
高野:「いや、どちらかというとピアーズ・二ヴァンスじゃない?」
愛原:「見た目はジェイク、中身はピアーズってところか」
高橋:「はあ……」
私はどのキャラにも似てないから、私はコスプレは無理だな。
高橋:「先生、食後のお茶入れます」
愛原:「ああ、悪いな」
高野:「私、アメリカンコーヒー」
高橋:「アネゴは自分で入れろよ」
高野:「何でだよ!」
と、そこへ電話が掛かって来た。
高野:「お電話ありがとうございます。愛原学探偵事務所でございます」
ボス:「私だ」
高野:「あ、ボス。明けまして、おめでとうございます」
ボス:「……私は今年初めて電話したのか?」
高野:「そうですよ」
ボス:「……そうか。まあ、今年もよろしく頼むよ」
高野:「こちらこそよろしくお願い致します」
ボス:「愛原君に話がある。替わってくれるか?」
高野:「少々お待ちください」
(ここから一瞬だけ三人称になります)
高野は保留ボタンを押して、受話器を置いた。
保留音は何故か“バイオハザードリベレーションズ”のメインテーマ。
高野:「先生、ボスからお電話ですよぉ!」
高野が大きな声を上げたのは、愛原がトイレに行ってたからだ。
直後、ザザザーと水の流れる音。
愛原:「マジかよ!タイミング悪ィな!」
急いでトイレから出て来た愛原、自分の机の受話器を取った。
愛原:「あ、もしもし。お待たせしました。愛原です」
ボス:「何でキミの事務所の電話の保留音は、毎日コロコロ変わるのかね?」
愛原:「え?何ですか?」
ボス:「何でもない。世界探偵協会日本支部の会合のお知らせをメールで送ったから確認しておいてくれ」
愛原:「分かりました」
ボス:「それと、明けましておめでとう」
愛原:「ああ、どうも。おめでとうございます」
ボス:「年賀状、今日届いたぞ」
愛原:「おー!良かった!抽選日に間に合って!」
ボス:「そういう問題じゃない!」
愛原:「ていうかボス」
ボス:「何かね?」
愛原:「私、まだボスの名前から年齢やら姿形まで全く知らないんですよ」
ボス:「だからどうした?」
愛原:「年賀状の送り先が世界探偵協会日本支部の事務所宛てだけで、よくボスに届いたものですね」
ボス:「協会をナメるな。それだけでちゃんと私の所に届くようになっている」
愛原:「なるほど……」
ボス:「とにかく、ちゃんと読んで出席するように。分かったね?」
愛原:「分かりました。それじゃ、失礼します」
(再び愛原の一人称です)
私は電話を切った。
高野:「先生。きっと協会には、担当ボスがいるんですよ。で、この事務所からの年賀状が届いた時点で、担当ボスの所に転送されるシステムなのでは?」
愛原:「なるほど。随分非効率的なことをするもんだな。仕分けする方は大変だ」
高野:「ですね」
と、そこへ事務所のドアが開いた。
リサ:「ただいま」
愛原:「おー、リサ。お帰り。高橋君、リサにもジュース入れてやってくれ」
高橋:「分かりました。激辛ハバネロジュースでいいですね」
愛原:「こら!オレンジジュースだ!」
リサ:「ねぇ、愛原さん」
リサは鞄を空いている椅子に置いて話し掛けて来た。
愛原:「何だい?」
リサ:「サイトーがね、温泉に連れて行ってくれるんだって」
愛原:「おー、そりゃ良かったな。やっぱり、持つべきものは友達だ。特に、中学校辺りからの付き合いは一生モノだからな、大事に……」
リサ:「愛原さん達も来ないかって」
愛原:「俺達も?」
リサ:「サイトーが、私や愛原さん達を招待してくれるって」
愛原:「おいおい。それって結局は斉藤社長が招待してくれるってことじゃないか。それは悪いよ」
リサ:「大丈夫。何も心配無いって言ってた」
愛原:「いや、でもねぇ……。リサだけ行って来いよ。こっちは仕事があるし……」
高野:「しばらくまた仕事は無いみたいですけどね」
愛原:「いや、にしてもだよ!?」
リサ:「サイトーも行きたいって言ってた。サイトー、いつも海外旅行ばっかりだから」
愛原:「さすが、セレブですなぁ……」
リサ:「たまには近場に行きたいって」
愛原:「どうせ週末かそこらだろ?冬休みも終わって受験シーズンになると、ビジネスホテルは満室になりやすいが、温泉旅館とかは閑散期になるか」
高橋:「いえ、先生。ここは1つ、こいつの話に乗ってやりませんか?」
何と!高橋君が意外なことを言い出した!
リサ:「お兄ちゃん……」
高橋:「リサ、それってつまりアレだろ?泊まり掛けってことだろ?」
リサ:「うん」
高橋:「俺も学生の頃は、ロクな旅行をしませんでした。こういう多感な時期に、非日常を体験することはとても大切です」
高野:「あんたは盗んだバイクで走り回ったり、夜の校舎の窓ガラスを割りまくった中学校生活だったんじゃないの?」
高橋:「アネゴ、うるせぇ!」
愛原:「うーん……まあ、まずは話を聞いてみるか」
高橋君が何故この時ばかりはリサの申し出に真っ先に乗ったのか分からなかった。
高橋:(先生と……は、裸の付き合い……(;゚∀゚)=3ハァハァ)
斉藤絵恋:(り、リサさんと……は、裸の付き合い(;゚∀゚)=3ハァハァ)
このGとLどもめ!
私の名前は愛原学。
都内で探偵事務所を経営している。
今日は仕事も緩やかなものであり、いつものように泊まり掛けの身辺調査とか何日も必要な浮気調査などの依頼は無かった。
ここしばらくは、またヒマな日々がやってくるのかな。
そう言えばリサの冬休み期間中は、特にどこにも連れて行ってやれなくて可哀想だった。
年末に、高橋君とコミケに行ったくらいかな。
愛原:「うーむ……」
高橋正義:「どうしました、先生?今日の昼飯、どこかマズかったですか?」
愛原:「あ、いや。高橋君は料理が上手くて最高だよ。そうじゃない。別の考え事さ」
高橋:「何か悩み事ですか?俺で良かったら話聞きますよ?」
愛原:「違う。いいからお前は、食器の片付けでもしてろ」
高橋:「はあ……」
高橋が給湯室に行くと、斜向かいの机に座る高野君が話し掛けて来た。
彼女は事務所の経理などを担当しており、今は直接探偵の仕事をすることはない。
だが、私は知っている。
霧生市での活躍からして、彼女は政府エージェント並みの働きぶりを発揮することを。
高野芽衣子:「マサじゃないけど、悩み事ですか?」
愛原:「いや、そんな大した話じゃないんだ。リサの冬休み期間中、どこにも連れて行ってやれなかっただろ?」
高野:「ちょうど仕事が集中しましたからねぇ。身辺調査に浮気調査……」
愛原:「せいぜい年末、高橋がコミケに連れて行ったくらいだ」
高野:「あれは遊びに行くというより、ゲームを売りに行くという『仕事』みたいなものですからねぇ……」
愛原:「そうなんだ。高野君も行けば良かったのに」
高野:「ええ?」
愛原:「ボーカロイドのMEIKOまたは“バイオハザードシリーズ”のエイダ・ウォンのコスプレでもしてさ……。俺的には後者キボン」
高野:「何言ってるんですか。私は興味ないです」
高橋:「先生!俺は!?俺は何のコスプレしたらいいですか!?」
愛原:「サークル参加者側がコスプレすんな!……あ、いや、いいのか、コスプレして。“バイオハザード6”のジェイク・ミュラー(ウェスカー)じゃねーの」
高野:「いや、どちらかというとピアーズ・二ヴァンスじゃない?」
愛原:「見た目はジェイク、中身はピアーズってところか」
高橋:「はあ……」
私はどのキャラにも似てないから、私はコスプレは無理だな。
高橋:「先生、食後のお茶入れます」
愛原:「ああ、悪いな」
高野:「私、アメリカンコーヒー」
高橋:「アネゴは自分で入れろよ」
高野:「何でだよ!」
と、そこへ電話が掛かって来た。
高野:「お電話ありがとうございます。愛原学探偵事務所でございます」
ボス:「私だ」
高野:「あ、ボス。明けまして、おめでとうございます」
ボス:「……私は今年初めて電話したのか?」
高野:「そうですよ」
ボス:「……そうか。まあ、今年もよろしく頼むよ」
高野:「こちらこそよろしくお願い致します」
ボス:「愛原君に話がある。替わってくれるか?」
高野:「少々お待ちください」
(ここから一瞬だけ三人称になります)
高野は保留ボタンを押して、受話器を置いた。
保留音は何故か“バイオハザードリベレーションズ”のメインテーマ。
高野:「先生、ボスからお電話ですよぉ!」
高野が大きな声を上げたのは、愛原がトイレに行ってたからだ。
直後、ザザザーと水の流れる音。
愛原:「マジかよ!タイミング悪ィな!」
急いでトイレから出て来た愛原、自分の机の受話器を取った。
愛原:「あ、もしもし。お待たせしました。愛原です」
ボス:「何でキミの事務所の電話の保留音は、毎日コロコロ変わるのかね?」
愛原:「え?何ですか?」
ボス:「何でもない。世界探偵協会日本支部の会合のお知らせをメールで送ったから確認しておいてくれ」
愛原:「分かりました」
ボス:「それと、明けましておめでとう」
愛原:「ああ、どうも。おめでとうございます」
ボス:「年賀状、今日届いたぞ」
愛原:「おー!良かった!抽選日に間に合って!」
ボス:「そういう問題じゃない!」
愛原:「ていうかボス」
ボス:「何かね?」
愛原:「私、まだボスの名前から年齢やら姿形まで全く知らないんですよ」
ボス:「だからどうした?」
愛原:「年賀状の送り先が世界探偵協会日本支部の事務所宛てだけで、よくボスに届いたものですね」
ボス:「協会をナメるな。それだけでちゃんと私の所に届くようになっている」
愛原:「なるほど……」
ボス:「とにかく、ちゃんと読んで出席するように。分かったね?」
愛原:「分かりました。それじゃ、失礼します」
(再び愛原の一人称です)
私は電話を切った。
高野:「先生。きっと協会には、担当ボスがいるんですよ。で、この事務所からの年賀状が届いた時点で、担当ボスの所に転送されるシステムなのでは?」
愛原:「なるほど。随分非効率的なことをするもんだな。仕分けする方は大変だ」
高野:「ですね」
と、そこへ事務所のドアが開いた。
リサ:「ただいま」
愛原:「おー、リサ。お帰り。高橋君、リサにもジュース入れてやってくれ」
高橋:「分かりました。激辛ハバネロジュースでいいですね」
愛原:「こら!オレンジジュースだ!」
リサ:「ねぇ、愛原さん」
リサは鞄を空いている椅子に置いて話し掛けて来た。
愛原:「何だい?」
リサ:「サイトーがね、温泉に連れて行ってくれるんだって」
愛原:「おー、そりゃ良かったな。やっぱり、持つべきものは友達だ。特に、中学校辺りからの付き合いは一生モノだからな、大事に……」
リサ:「愛原さん達も来ないかって」
愛原:「俺達も?」
リサ:「サイトーが、私や愛原さん達を招待してくれるって」
愛原:「おいおい。それって結局は斉藤社長が招待してくれるってことじゃないか。それは悪いよ」
リサ:「大丈夫。何も心配無いって言ってた」
愛原:「いや、でもねぇ……。リサだけ行って来いよ。こっちは仕事があるし……」
高野:「しばらくまた仕事は無いみたいですけどね」
愛原:「いや、にしてもだよ!?」
リサ:「サイトーも行きたいって言ってた。サイトー、いつも海外旅行ばっかりだから」
愛原:「さすが、セレブですなぁ……」
リサ:「たまには近場に行きたいって」
愛原:「どうせ週末かそこらだろ?冬休みも終わって受験シーズンになると、ビジネスホテルは満室になりやすいが、温泉旅館とかは閑散期になるか」
高橋:「いえ、先生。ここは1つ、こいつの話に乗ってやりませんか?」
何と!高橋君が意外なことを言い出した!
リサ:「お兄ちゃん……」
高橋:「リサ、それってつまりアレだろ?泊まり掛けってことだろ?」
リサ:「うん」
高橋:「俺も学生の頃は、ロクな旅行をしませんでした。こういう多感な時期に、非日常を体験することはとても大切です」
高野:「あんたは盗んだバイクで走り回ったり、夜の校舎の窓ガラスを割りまくった中学校生活だったんじゃないの?」
高橋:「アネゴ、うるせぇ!」
愛原:「うーん……まあ、まずは話を聞いてみるか」
高橋君が何故この時ばかりはリサの申し出に真っ先に乗ったのか分からなかった。
高橋:(先生と……は、裸の付き合い……(;゚∀゚)=3ハァハァ)
斉藤絵恋:(り、リサさんと……は、裸の付き合い(;゚∀゚)=3ハァハァ)
このGとLどもめ!