報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「探偵の初月」

2019-01-27 11:20:54 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[1月7日13:00.天候:晴 東京都墨田区菊川 愛原学探偵事務所]

 私の名前は愛原学。
 都内で探偵事務所を経営している。
 今日は仕事も緩やかなものであり、いつものように泊まり掛けの身辺調査とか何日も必要な浮気調査などの依頼は無かった。
 ここしばらくは、またヒマな日々がやってくるのかな。
 そう言えばリサの冬休み期間中は、特にどこにも連れて行ってやれなくて可哀想だった。
 年末に、高橋君とコミケに行ったくらいかな。

 愛原:「うーむ……」
 高橋正義:「どうしました、先生?今日の昼飯、どこかマズかったですか?」
 愛原:「あ、いや。高橋君は料理が上手くて最高だよ。そうじゃない。別の考え事さ」
 高橋:「何か悩み事ですか?俺で良かったら話聞きますよ?」
 愛原:「違う。いいからお前は、食器の片付けでもしてろ」
 高橋:「はあ……」

 高橋が給湯室に行くと、斜向かいの机に座る高野君が話し掛けて来た。
 彼女は事務所の経理などを担当しており、今は直接探偵の仕事をすることはない。
 だが、私は知っている。
 霧生市での活躍からして、彼女は政府エージェント並みの働きぶりを発揮することを。

 高野芽衣子:「マサじゃないけど、悩み事ですか?」
 愛原:「いや、そんな大した話じゃないんだ。リサの冬休み期間中、どこにも連れて行ってやれなかっただろ?」
 高野:「ちょうど仕事が集中しましたからねぇ。身辺調査に浮気調査……」
 愛原:「せいぜい年末、高橋がコミケに連れて行ったくらいだ」
 高野:「あれは遊びに行くというより、ゲームを売りに行くという『仕事』みたいなものですからねぇ……」
 愛原:「そうなんだ。高野君も行けば良かったのに」
 高野:「ええ?」
 愛原:「ボーカロイドのMEIKOまたは“バイオハザードシリーズ”のエイダ・ウォンのコスプレでもしてさ……。俺的には後者キボン」
 高野:「何言ってるんですか。私は興味ないです」
 高橋:「先生!俺は!?俺は何のコスプレしたらいいですか!?」
 愛原:「サークル参加者側がコスプレすんな!……あ、いや、いいのか、コスプレして。“バイオハザード6”のジェイク・ミュラー(ウェスカー)じゃねーの」
 高野:「いや、どちらかというとピアーズ・二ヴァンスじゃない?」
 愛原:「見た目はジェイク、中身はピアーズってところか」
 高橋:「はあ……」

 私はどのキャラにも似てないから、私はコスプレは無理だな。

 高橋:「先生、食後のお茶入れます」
 愛原:「ああ、悪いな」
 高野:「私、アメリカンコーヒー」
 高橋:「アネゴは自分で入れろよ」
 高野:「何でだよ!」

 と、そこへ電話が掛かって来た。

 高野:「お電話ありがとうございます。愛原学探偵事務所でございます」
 ボス:「私だ」
 高野:「あ、ボス。明けまして、おめでとうございます」
 ボス:「……私は今年初めて電話したのか?」
 高野:「そうですよ」
 ボス:「……そうか。まあ、今年もよろしく頼むよ」
 高野:「こちらこそよろしくお願い致します」
 ボス:「愛原君に話がある。替わってくれるか?」
 高野:「少々お待ちください」

(ここから一瞬だけ三人称になります)

 高野は保留ボタンを押して、受話器を置いた。
 保留音は何故か“バイオハザードリベレーションズ”のメインテーマ。

 高野:「先生、ボスからお電話ですよぉ!」

 高野が大きな声を上げたのは、愛原がトイレに行ってたからだ。
 直後、ザザザーと水の流れる音。

 愛原:「マジかよ!タイミング悪ィな!」

 急いでトイレから出て来た愛原、自分の机の受話器を取った。

 愛原:「あ、もしもし。お待たせしました。愛原です」
 ボス:「何でキミの事務所の電話の保留音は、毎日コロコロ変わるのかね?」
 愛原:「え?何ですか?」
 ボス:「何でもない。世界探偵協会日本支部の会合のお知らせをメールで送ったから確認しておいてくれ」
 愛原:「分かりました」
 ボス:「それと、明けましておめでとう」
 愛原:「ああ、どうも。おめでとうございます」
 ボス:「年賀状、今日届いたぞ」
 愛原:「おー!良かった!抽選日に間に合って!」
 ボス:「そういう問題じゃない!」
 愛原:「ていうかボス」
 ボス:「何かね?」
 愛原:「私、まだボスの名前から年齢やら姿形まで全く知らないんですよ」
 ボス:「だからどうした?」
 愛原:「年賀状の送り先が世界探偵協会日本支部の事務所宛てだけで、よくボスに届いたものですね」
 ボス:「協会をナメるな。それだけでちゃんと私の所に届くようになっている」
 愛原:「なるほど……」
 ボス:「とにかく、ちゃんと読んで出席するように。分かったね?」
 愛原:「分かりました。それじゃ、失礼します」

(再び愛原の一人称です)

 私は電話を切った。

 高野:「先生。きっと協会には、担当ボスがいるんですよ。で、この事務所からの年賀状が届いた時点で、担当ボスの所に転送されるシステムなのでは?」
 愛原:「なるほど。随分非効率的なことをするもんだな。仕分けする方は大変だ」
 高野:「ですね」

 と、そこへ事務所のドアが開いた。

 リサ:「ただいま」
 愛原:「おー、リサ。お帰り。高橋君、リサにもジュース入れてやってくれ」
 高橋:「分かりました。激辛ハバネロジュースでいいですね」
 愛原:「こら!オレンジジュースだ!」
 リサ:「ねぇ、愛原さん」

 リサは鞄を空いている椅子に置いて話し掛けて来た。

 愛原:「何だい?」
 リサ:「サイトーがね、温泉に連れて行ってくれるんだって」
 愛原:「おー、そりゃ良かったな。やっぱり、持つべきものは友達だ。特に、中学校辺りからの付き合いは一生モノだからな、大事に……」
 リサ:「愛原さん達も来ないかって」
 愛原:「俺達も?」
 リサ:「サイトーが、私や愛原さん達を招待してくれるって」
 愛原:「おいおい。それって結局は斉藤社長が招待してくれるってことじゃないか。それは悪いよ」
 リサ:「大丈夫。何も心配無いって言ってた」
 愛原:「いや、でもねぇ……。リサだけ行って来いよ。こっちは仕事があるし……」
 高野:「しばらくまた仕事は無いみたいですけどね」
 愛原:「いや、にしてもだよ!?」
 リサ:「サイトーも行きたいって言ってた。サイトー、いつも海外旅行ばっかりだから」
 愛原:「さすが、セレブですなぁ……」
 リサ:「たまには近場に行きたいって」
 愛原:「どうせ週末かそこらだろ?冬休みも終わって受験シーズンになると、ビジネスホテルは満室になりやすいが、温泉旅館とかは閑散期になるか」
 高橋:「いえ、先生。ここは1つ、こいつの話に乗ってやりませんか?」

 何と!高橋君が意外なことを言い出した!

 リサ:「お兄ちゃん……」
 高橋:「リサ、それってつまりアレだろ?泊まり掛けってことだろ?」
 リサ:「うん」
 高橋:「俺も学生の頃は、ロクな旅行をしませんでした。こういう多感な時期に、非日常を体験することはとても大切です」
 高野:「あんたは盗んだバイクで走り回ったり、夜の校舎の窓ガラスを割りまくった中学校生活だったんじゃないの?」
 高橋:「アネゴ、うるせぇ!」
 愛原:「うーん……まあ、まずは話を聞いてみるか」

 高橋君が何故この時ばかりはリサの申し出に真っ先に乗ったのか分からなかった。

 高橋:(先生と……は、裸の付き合い……(;゚∀゚)=3ハァハァ)

 斉藤絵恋:(り、リサさんと……は、裸の付き合い(;゚∀゚)=3ハァハァ)

 このGとLどもめ!
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“愛原リサの日常” 「三学期の始まり」

2019-01-26 20:08:19 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[1月7日08:00.天候:晴 東京都墨田区内某所 東京中央学園墨田中学校]

 冬休みが終わった最初の日、リサ・トレヴァー(人間名:愛原リサ)は1人で登校した。
 昇降口で靴から上履きに履き替えていると……。

 斉藤絵恋:「リサさん、おはよう」
 愛原リサ:「サイトー、おはよう。……!」

 その時、リサは斉藤の荷物がやたら大きいことに気づいた。

 リサ:「サイトー、何それ?」
 斉藤:「あら?冬休みの宿題よ?リサさん、まさか忘れてきちゃった?」
 リサ:「い、いや……ちゃんとやって来た……はず」

 リサは慌てて周りを見渡した。
 幸いなことに大きな荷物を持っているのは斉藤だけであった。

 リサ:「サイトーだけどうして荷物が大きいの?」
 斉藤:「ふふーん♪教室に着いたら教えてあげる」
 リサ:「???」

 具体的に言えば、斉藤だけ海外旅行に行くかのような大きなキャリーケースを持っていたのだった。

 リサ:(サイトーの家、お金持ちだから、海外旅行に行ってそのまま学校へ来た?)

 しかしその割にはちゃんと制服を着ている。
 まさか制服を着たまま海外旅行に行ったわけでもあるまい。
 リサは答えが分からぬまま斉藤と一緒に教室へ向かった。

 女子生徒A:「愛原さん、明けましておめでとう」
 女子生徒B:「今年もよろしくー」
 リサ:「明けましておめでとう。今年もよろしく」

 リサ、不思議そうな顔をして2人のクラスメートに返した。

 斉藤:「ちょっと!リサさんは外国に住んでいたんだから、そんな挨拶不自然よ!」

 もちろん、リサの海外在住経験は単なる建前である。

 リサ:「大丈夫。初詣に行った時、そういう挨拶をサイトーとしたから」
 女子生徒A:「なーんだ!やっぱりしたんじゃん!」
 女子生徒B:「ホント斉藤さんは素直じゃないよねー」
 斉藤:「う、うるっさいわね!お黙んなさい!」
 リサ:「それより、その大きな荷物は何?海外旅行の帰り?」
 斉藤:「もちろん、そのお土産よ!さぁ皆!この斉藤絵恋様が直々にハワイ旅行のお土産を皆に配るわよー!?並んで並んでー!」

 先に並ぶのは男子生徒達であった。

 男子生徒A:「斉藤のヤツ、お土産をクラス全員に配る所だけは憎めないよなー?」
 男子生徒B:「それすら無かったら最悪じゃね?」
 男子生徒C:「んだんだ」

 だが、斉藤が配っているのはどう見てもマカデミアナッツである。
 それだけでキャリーケースに入れるほどのものなのだろうか。

 リサ:(一体、他に何が入っている?)

 リサが覗き込もうとすると、先に別の男子生徒が覗き込んだ。

 男子生徒D:「あーっ!おい、斉藤!何だよ、これ!?」

 男子生徒がバッグの中から取り出したのは、リサの写真パネルであった。

 斉藤:「ちょっと!返しなさいよ!厭らしいわね!それはこれから提出する冬休みの宿題なんだから!」
 リサ:「冬休みの宿題?」
 斉藤:「冬休みの自由研究よ!」
 女子生徒C:「冬休みの自由研究であんなもの作って……。愛原さん、許可したの?」
 リサ:「ううん。してない」
 女子生徒C:「……だと思った。いい肖像権の侵害だね」
 リサ:「ショーゾーケンノシンガイ?」
 女子生徒C:「本人の許可無くその人の姿を写真で撮ったり、絵に描いて公開すること」
 リサ:「この小説の写真みたいに?」
 女子生徒C:「まあ、そんなところだね」

 著作権フリーのウィキペディアの写真以外、ちゃんと承諾を取って掲載しています!
 あとは作者自身が撮影した写真も使用している為、問題ありません。

 斉藤:「でやぁーっ!」

 斉藤の空手技が男子生徒Dに炸裂する。
 斉藤はこれでも小学校の時から空手を習っているが、この中学校には空手部が無い為、専ら帰宅部である。
 東京中央学園では入りたい部活が無く、且つ他に習い事をしている場合には帰宅部が認められる。
 斉藤の場合は今でも空手道場に通っている為、この例外が認められていた。
 斉藤が埼玉の実家から出て来て、墨田区のマンションにメイドと2人暮らしをしている理由の1つに、空手道場に通う関係もあった。
 何でも、その道場の師範と斉藤の父親の秀樹は友人同士なのであるとか。
 大富豪の御嬢様とはいえ、いざという時は自分の身は自分で守る必要があるという秀樹の教育方針によるものだ。

 男子生徒D:「ひでぶっ!」
 斉藤:「返してもらうわよ!」
 男子生徒A:「なあ、斉藤!今度は瓦割ってくれよ?」
 男子生徒B:「10枚くらい割れんだろ?」
 佐藤:「はあ?あんた達に見せる技は無いわよ」
 リサ:「ていうか……これが自由研究?」

 リサは呆れて自分の着物姿のパネルを手に持った。
 恐らくこれは初詣の時に撮影したものだろう。
 何故かプロのカメラマンが同行しており、よく写真を撮られた記憶がある。
 どうしてこんなことするのかと思っていたが……。

 リサ:「わざわざ冬休みの宿題の為だけに……」
 斉藤:「当たり前よー!どお?綺麗に撮れてるでしょー?」
 リサ:「う、うん。違った意味でサイトーが怖い……」

[同日12:30.天候:晴 東京都墨田区内某所]

 今日は始業式だけであったので、リサ達は昼に下校することができた。
 本格的な授業は明日からであるが、そもそも冬休み終了直後にいきなりテストがあるのだった。
 冬休みの宿題は書初めと自由研究しか無いのだが、それにかまけて勉強をサボると大変なことになるというシステムである。
 塾通いなどをしている者は心配無いだろうが、そうでないこの2人は……。

 斉藤:「ねえねえ、リサさん。リサさんは冬休み、どこか旅行行った?」
 リサ:「行ってない。先生……オジさん達、仕事が忙しくて……」

 あくまでもリサは斉藤ら一般人の前では帰国子女で、今現在は親戚である愛原に引き取られているという設定になっている。
 富裕層が多く通う東京中央学園ならではだ。

 斉藤:「あら、そう。残念ねぇ……」
 リサ:「いい。今度、連れて行ってもらう」
 斉藤:「ねぇ、だったらさ、私達と一緒に行かない?」
 リサ:「サイトーと一緒?」
 斉藤:「うんうん!」
 リサ:「どこ行くの?オジさん達、きっとパスポート持って無いし、忙しいからそんなに休み取れない」
 斉藤:「もちろん、国内よ。一泊二日くらいなら大丈夫でしょう?温泉とかどう?」
 リサ:「温泉……楽しい?」
 斉藤:「楽しいわ!り、リサさんと……は、裸の付き合い……!」
 リサ:「何だかよく分からないけど、オジさん達に聞いてみる」
 斉藤:「お願いね!テストと追試と補習が終わった後の土日がいいわね!」
 リサ:「うん、分かった。(サイトー、追試と補習受ける前提……)」

 斉藤絵恋、空手の腕っぷしには自信があるものの、学校の成績は今1つのようである。
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“私立探偵 愛原学” 設定について。

2019-01-25 19:10:08 | 私立探偵 愛原学シリーズ
 これまでのあらすじ:

 愛原学は東京都内(現在は墨田区菊川)に在住し、同じ地区の雑居ビルにて小さな探偵事務所を構えている。
 当初は1人で探偵稼業をやっていたが、とあるクローズドサークル状態で起きた殺人事件で犯人にされそうになった高橋正義の無実を証明し、真犯人を突き止めた。
 その縁で押し掛け弟子になった高橋を助手とし、再び細々と業界の隅っこで仕事をする暮らしを続ける。
 そんなある日、某県霧生市で起きた事件を解決し、市内で一泊しようとしていた所、ゾンビやクリーチャーが町中を闊歩するバイオハザードに巻き込まれる。
 郊外山中にあった山寺に立て籠もり、1人ゾンビと戦っていた地元新聞記者の高野芽衣子を助けたことで、彼女も事務所の一員となった。
 同じく郊外にあった製薬会社アンブレラコーポレーション・ジャパン(既に10年以上も前に崩壊していたアメリカ本体から独立して営業を続けていた)の開発センターでリサ・トレヴァーと出会う。
 アメリカ本体で実験体の成れの果てとなったオリジナル版と違い、日本で開発されたモノは見た目は人間の少女さながらに知性・理性・知力も全て人間並みに兼ね備えた完全体であった。
 当初は愛原達と敵対するも、最後はセンターの自爆と共に自害することを決めていたリサだったが(オリジナル版も銃弾を全く受けつけないほどの不死身ぶりを発揮していたが、施設の自爆に巻き込まれてようやく死んだ)、他のクリーチャーとは何か違うことを見出した愛原によって一緒に脱出する。
 その後リサは政府機関に引き取られて、愛原と別れを告げる。
 一方の愛原達は再び探偵業に勤しむこととなるが、2017年末から2018年元旦に掛けて行われた豪華客船・顕正号のクルーズに同乗し、そこでまたバイオテロに巻き込まれる。
 愛原は船内がパンデミックによるパニックに巻き込まれて頭を強打したことにより、長らくの意識不明そして記憶障害を起こしてしまう。
 およそ半年間入院していた愛原だったが、いつしか病院を抜け出して行方不明になってしまう。
 江東区内で飲んだくれになっていた愛原を高橋は発見し、新たなバイオテロの予兆があることを告げて愛原を強引に連れ帰る。
 愛原の記憶障害はまだ完治しておらず、未だに顕正号で起きたことについては不明であった。
 宮城県仙台市郊外のとある廃校にやってきた愛原と高橋だが、そこで高橋の友人達がゾンビ化するというバイオテロに巻き込まれる。
 廃校の地下はかつてアンブレラ社の日本法人が造った秘密の研究所があり、そこに潜入した愛原は再びリサ・トレヴァーと再会することとなる。
 ようやく日本政府機関の研究所から出ることができたリサは、何故か愛原の所へ預けられてしまう。
 そして他の人間の女の子と同じように学校に通い、スピンオフで主人公を務める機会を得るなど、愛原だけでなくリサの活躍も期待できる……かどうかは【お察しください】。

 登場舞台について:

 拠点は当初、東京都北区王子だったが、そこの住居兼事務所が何者かによって爆破された為、探偵協会の配慮で墨田区菊川に移転。
 住居と事務所を分離した。
 当初は2DKの賃貸マンションに住んでいたが、リサを引き取った際に手狭になった為、近隣の3LDKマンションに引っ越した。
 リサの引き取りと生活保障は政府機関からの依頼なので、そういった費用は国費から出た。
 菊川という所は都営地下鉄新宿線しか鉄道線は通っておらず、後は都営バスが主な公共交通機関である。
 その為、都営新宿線の登場頻度が多い。

 リサの通う東京中央学園墨田中学校は名前の通り、同じ墨田区内にあることもあってか、徒歩通学の範囲内であるようだ。
 実家の埼玉から出て来た斉藤絵恋とは、途中まで一緒に帰る(或いは一緒に登校する)仲である。
 斉藤絵恋の実家は埼玉県さいたま市内の高級住宅街。
 尚、作品は違うが、稲生家とは徒歩数分のご近所さんである。

 学校法人東京中央学園は“ユタと愉快な仲間たち”にも登場しているが、いわゆるスターシステムの法人版である。

 某県霧生市は愛原達が脱出後、自衛隊や在日米軍が介入し、他の生存者の救出やゾンビなどの掃討が行われたもよう。
 尚、実際にはBSAA極東支部が直接介入し、自衛隊や在日米軍は町の外に出て来たゾンビやクリーチャーを射殺する程度に留まっている。
 これは更なるパンデミックを防止する為である(2010年代の時点で完全なワクチンが開発されており、それをゾンビなどのクリーチャーに被弾させることで即殺できるが、この武器を所有しているのはBSAAのみである)。
 現在の霧生市は福島第一原発事故のように立入禁止区域が市内全域で指定されているが、前者と違うのは未だに自衛隊が警備して町の出入りを完全にシャットアウトしていることである(これは未だに掃討しきれていないクリーチャーが生存している恐れがある為)。

 次回の予定:

 ハードボイルドネタはまだ。
 せっかくだから、もう少しホンワカストーリーで行きたい。
 “大魔道師の弟子”の方はもっとローカルネタがあるのだが、ストーリーが偏るといけないので。

 ネタによってはどの作品にも使えるものがあり、たまにアレンジして流用することがある。
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ユタと愉快な仲間たち 裏設定

2019-01-23 19:00:57 | ユタと愉快な仲間たちシリーズ
 魔界王国アルカディアについて:

 ・初出は多摩準急先生の“新人魔王の奮闘記”から。
  ・要するに設定は借りものである。
   ・但し、当方なりにアレンジした部分はある。
 ・街は1番街、2番街と番号で呼ぶ地区と名前で呼ぶ地区がある。
  ・デビルピーターズバーグは魔界高速電鉄環状線の路線図では、東京山手線の池袋に当たる。
   ・モデルは“トム・ソーヤーの冒険”に出て来る『セントピーターズバーグ』から。
    ・アメリカには実在する町。但し、“トム・ソーヤーの冒険”とは何の関係も無い。
     ・余談だがロシアからの移民が造った町。イリーナの出身地サンクトペテルブルグを英語にするとその名になる。
    ・威吹達が住む南端村の正式名称がサウスエンドになっているのも、“スクウェアのトム・ソーヤ”から取ったから。
     ・ゲームでは黒魔術師に牛耳られた町で、治安が非常に悪化した為、RPGでありながら普通に町中でエンカウントする。
      ・その設定を踏襲しようとしたが、尺の都合でカット。南端村が正式名称になりつつある。
      ・稲生が威吹と協力して、悪の魔道師に牛耳られた村を助けるというネタがあったが、前述のように尺の都合でカット。
       ・いずれ復活するかどうか……。
       ・アルカディアシティには治安の悪い地区があり、そこは地下鉄施設でも(電車内以外)エンカウントするという設定に名残がある。
 ・王国直轄地の他に自治区もある。
  ・中国では「植民地」の婉曲的表現w
  ・“新人魔王の奮闘記”ではデビルピーターズバーグの北部にダークエルフの森があり、そこの自治権を巡って王国と揉めたことがある。
   ・そこでも横田理事がやらかしてくれて、「国際問題」になった。
  ・原作ではチョンセン自治区という別の自治区の存在が設定され、エルフよりも更に人間に近い姿をした亜人が住んでいるという設定だが、政治のゴタゴタについて迷惑を被ったからと、魔界民主党に謝罪と賠償を求めているのだが、そこの種族の名前がチョウセンヒトモドキ……って、おいw

 主人公について:

 ・稲生勇太が主人公である為、いかに三人称と言えど基本的には稲生視点で物語は進む。
  ・但し、マリアにスポットを当てた話などでマリア視点で進むこともある。
  ・スピンオフ“妖狐 威吹”では威吹が主人公を務めるが、東京中央学園上野高校絡みの際は稲生視点で物語が進むことが多かった。
   ・学校の七不思議プラスαを解決した稲生は、そこで初めて魔道師の存在を知る。
    ・もちろん、まだマリアやイリーナのことは知らなかった。
  ・非モテの童貞だが、高校時代(顕正会時代)は河合有紗という名の初カノがいたので、100パー非モテというわけでもない。
   ・高校生ならではの恋愛事情を描いたネタもあり、作者が実際に本人達(実在の高校生顕正会員)から聞いた話なので臨場感はある。
    ・が、それ以上に顕正会を持ち上げる描写が多いので、やっぱりボツである。
     ・もう1度、日蓮正宗を辞めたらそのネタ行く???
    ・恋愛に不器用な稲生が女性の扱いに不慣れであるが為に、結果的に二股掛ける章があり、修羅場の尻ぬぐいを威吹がするシーンはどちらが主人公なのやらツッコミ所満載。
     ・これさ、今のマリアにバレたら稲生がブッ殺されそうな……。
     ・稲生=トム・ソーヤー、威吹=ハックルベリー・フィン的な役回り?
 ・スピンオフ“魔女エレーナの日常”では、基本的に稲生達は登場しない。
  ・名前だけ出て来ることがある。
  ・基本的にはエレーナと鈴木を中心に物語が構成される。
  ・本編ではボケ役っぽいエレーナも、スピンオフではツッコミ役に回る。
   ・ボケ役は鈴木。
 ・“大魔道師の日常”というイリーナを主人公にした物語の企画もあった。
  ・フラッと弟子達の前からいなくなるイリーナが、何をしに行くのかにスポットを当てたもの。
  ・飛行機での移動だけで1話分という時系列の遅さで本編に支障を来す恐れがある為、現在凍結中。

 日蓮正宗正証寺について:

 ・稲生勇太の所属寺院。
  ・東京第3布教区という架空の布教区に所属していることから、もちろんお寺自体も架空である。
  ・モデルは特に無いが、立地条件だけは法道院を参考にしている。
  ・藤谷曰く、『日蓮正宗傍観勢代表』『誓願未達成率は宗内一』『いつ支部認証が取り消されてもおかしくない状態』『誓願未達成率の高さのおかげで、御住職が年一の割合で交替している』『日蓮正宗のほんにゃら産業(“かりあげクン”の主人公が所属する会社の名前)』『正証寺の為に第3布教区が作られた(他の寺院は所属していない)』
   ・ということだが、『それでも御講への参加率は平均的』『支部総登山への参加率もまあまあ平均的』なことから、自行は普通にできている模様。
    ・大石寺より布教部長がハッパ掛けにやってきた時は、信徒全員がバックレた伝説の寺院!
    ・それでも年間に数名ほどの御受誡者はおり、しかも離檀者は1人も出していない。
  ・元朝勤行の際には中規模寺院ながら、信徒に甘酒を振る舞っている。
 ・御住職と副住職、それに所化僧が数名在籍しているもよう。
 ・建立時期の設定はまだしていてない。
 ・正法を護持していることもあり、妖狐の威吹や獄卒の蓬莱山鬼之助は境内に入りたがらない。
  ・田部井信徒のモデルは作者とは同年齢で会社の先輩から。
   ・ガチ勢は絶対に無理だが、傍観勢としてならやっていけるだろうと思った。いずれは本当に折伏したい。

 稲生とマリアの関係について:

 ・稲生の大学時代に交際していた女性が……って、稲生、作者よりモテてますやん!
  ・マリアの前に現れて、稲生が大変な目に遭うネタあり!
   ・高校時代に付き合っていた河合は既に故人であり、悪霊としてストーキングして来たので、マリアにとって恋敵という感覚はあまり無かったが……。
   ・何故このネタをアップしなかったのかというと、途中まで書いてて非モテの作者がムカついたから。
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“大魔道師の弟子” 「帰り道」

2019-01-22 19:00:21 | ユタと愉快な仲間たちシリーズ
[1月3日16:00.天候:晴 埼玉県さいたま市中央区 稲生家]

 マリア:「おかしいな。本には『爆発に注意』なんて書いてなかったぞ?……おかげで、量が半分以下になってしまった。これじゃ、勇太1人分しか無いじゃない。まあ、いいか。取りあえず、味見だけしてみよう」

 マリアは鍋の中に残った物を味見してみた。
 すると!

 マリア:「!!?!!?!?!?!?!?」(←声にならない叫び)

 バァン!(キッチンへのドアを思いっきり開ける音)

 稲生:「マリアさん!何かありましたか!?」

 バターン!(マリア、派手に倒れる)

 稲生:「わーっ!マリアさん、しっかしてーっ!」
 マリア:「…………」(←顔面蒼白&口から泡吹いてる)
 エレーナ:「自爆か」

 そこへエレーナ、ホウキで舞い降りて来る。

 エレーナ:「裏口から失礼するぜ」
 リリアンヌ:「フヒヒ……失礼します」
 稲生:「マリアさんが大変なことになったんだ!何とかしてくれ!」
 エレーナ:「ポーションなら1個1000円だ」
 稲生:「魔界じゃ10ゴッズ(日本円にして約100円)で販売してたぞ!?」
 エレーナ:「じゃあ、マリアンナにはしばらく地獄を探検してもらおう。リリィ、帰るぞ」
 リリアンヌ:「フフフ……」
 稲生:「分かった!1000円払う!」
 エレーナ:「毎度ありー」(* ̄▽ ̄)
 稲生:「それより、マリアさんをベッドに運ばないと……」
 エレーナ:「人んち荒らす所は、さすがに魔女だな」
 稲生:「エレーナ!笑ってないで手伝ってくれ!」
 エレーナ:「はいはい。素直にカネ払ってくれた礼に、これだけはサービスしてやるよ。リリィ、マリアンナの足持て」
 リリアンヌ:「は、はい」

 3人でマリアを抱え上げる。

 エレーナ:「こいつ重いな。太ったんじゃないのか?」
 稲生:「いや、そんなことないよ」
 リリアンヌ:「ま、ままマリアンナ先輩は本来、かか、体付きは良い人だそうです……」
 エレーナ:「ふーん……。この体型じゃ、信じられないよな」
 稲生:「てか、何でリリィがそんなこと知ってるの?」
 リリアンヌ:「フヒーッ!?」
 エレーナ:「こいつ、悪魔と話すことが得意なんだ。黒魔術って言うの?本来、黒魔術と黒魔法は別物なんだけど、どうもリリィは魔法より魔術の方が得意になりつつある」
 稲生:「へえ……」

 稲生達、どうにかマリアを客間のベッドに寝かせることに成功する。

 稲生:「あとは台所の片付けだ」
 エレーナ:「さて、私達は帰るとするか。なあ、リリィ?」
 リリアンヌ:「は、はい」
 エレーナ:「まあ、魚心あれば水心って言うけどなぁ?なあ、稲生氏?」(/ω・\)チラッ
 稲生:「5000円のクオカードあげるよ」
 エレーナ:「ダメだ。円で払え、円で」
 稲生:「ほら、5000円……」
 エレーナ:「おおっ!」
 稲生:「……の商品券」
 エレーナ:「じゃあな。掃除は全部稲生氏1人でやれよ。バイバイ」
 リリアンヌ:「フフフ……」
 稲生:「分かった!樋口先生1人分あげる!」
 エレーナ:「最初からそう言えばいいんだよ。リリィ、やるぞ」
 リリアンヌ:「は、はい!」

[同日18:00.天候:晴 稲生家]

 マリア:「う……」

 マリアは意識を回復した。

 マリア:「ここは……?何があった……?」

 と、そこへ……。

 稲生:「マリアさん、具合はどうですか?」

 稲生がやってきた。

 マリア:「勇太。わ、私は……」
 稲生:「これ、ポーションです。これ飲んで元気出してください」
 マリア:「あ、ありがとう。わ、私は……」
 稲生:「台所の片付けならしておきましたから。そのポーションで回復したら、夕食食べてくださいよ。母さん達が帰って来たんで、作ってもらいましたから」
 マリア:「ご、ゴメン……。ほんとゴメン!私……私……!」
 稲生:「いいんですよ、気にしないでください」
 マリア:「勇太に美味しいディナーを食べてもらいたくて……!それなのに……!」
 稲生:「その気持ちだけで十分ですよ。ほら、早く飲んでください」
 マリア:「う、うん……」

[同日21:38.天候:晴 埼玉県さいたま市大宮区 JR大宮駅→埼京線2108K電車10号車内]

〔本日もJR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございます。19番線に停車中の電車は、21時38分発、りんかい線直通、各駅停車、新木場行きです。発車まで、しばらくお待ちください〕

 稲生達の帰りの交通手段は夜行バスである。
 それが出発するバスタ新宿まで行くべく、埼京線に乗ることにした。
 父親が車で大宮駅まで送ってくれた為、ここから乗ることになった。
 大宮駅始発なので、ちょうど良かっただろう。
 新宿駅新南口へ行くには前方の車両の方が便利である。
 稲生はホイホイと先頭車に乗り込んだ。

〔この電車は埼京線、各駅停車、新木場行きです〕
〔This is the Saikyo line train for Shinkiba.〕

 空いている座席に座るが、マリアはずっと塞ぎ込んだままだ。

〔「21時38分発、埼京線、りんかい線直通の各駅停車、新木場行きです。途中の武蔵浦和駅におきまして、後から参ります快速、新宿行きとの待ち合わせがございます。お待たせ致しました。まもなく発車致します」〕

 ローテンションのマリアを他所に、アップテンポな曲調の発車メロディが地下ホームに響き渡った。

〔19番線、ドアが閉まります。ご注意ください。次の電車を、ご利用ください〕

 電車のドアが2点チャイムを3回鳴らしながら閉まる。
 駆け込み乗車が常習的な駅だが、今回それは無かったようだ。
 すぐに電車が発車する。

〔JR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございます。この電車は埼京線、各駅停車、新木場行きです。次は北与野、北与野。お出口は、右側です。……〕

 稲生:「マリアさん、気を取り直してくださいよ。次は上手く行きますって」
 マリア:「……よし、決めた」
 稲生:「え、何がですか?」
 マリア:「このままでは済まない。屋敷に帰ったら、今度こそ美味しい料理を作ってあげる」
 稲生:「ええっ!?」
 マリア:「リベンジだ!」
 稲生:「いや、あの、そんな、無理はしなくても……」
 マリア:「屋敷では日本料理は食べられないだろ?だったら私が作ってあげる」
 稲生:「え、ええ〜……」

 今度は稲生が塞ぎ込む番となった。

[同日22:21.天候:晴 東京都新宿区 JR新宿駅]

〔まもなく新宿、新宿。お出口は、右側です。山手線、中央快速線、中央・総武線、京王線、小田急線、地下鉄丸ノ内線、都営地下鉄新宿線と都営地下鉄大江戸線はお乗り換えです〕

 新宿駅接近を知らせる自動放送が車内に流れると、マリアは降りる準備を始めた。

 マリア:「勇太、降りる駅ここだろ?」
 稲生:「はい……」

 稲生は頭を抱えていた。

〔「新宿でお降りのお客様、ご乗車ありがとうございました。1番線に到着致します。お出口は、右側です。この電車は埼京線、りんかい線直通の各駅停車、新木場行きです。新宿を出ますと渋谷、恵比寿、大崎の順に停車致します。……」〕

 バスタ新宿ができる前、JRバスの発着場であった場所。
 その横に1番線がある。
 埼京線の池袋〜大崎間は元々貨物線。
 まるで荷捌き場みたいな雰囲気の旧ターミナルであったことから、もしかしたら、本当に1番線には貨物列車が横付けして荷降ろしをしていたのかもしれない。

〔しんじゅく〜、新宿〜。ご乗車、ありがとうございます。次は、渋谷に止まります〕

 ここで電車を降りる乗客達は多い。
 稲生達もその波に乗った。
 稲生達以外にも、大勢の旅行客の姿が見えた。

 マリア:「バスターミナルに行く前にトイレに行きたい」
 稲生:「どうぞ」

 トイレ増設工事が行われたらしいが、シーズンによってはそれでも捌き切れないと思われ、駅のトイレが空いていればそちらに行った方が得策である。
 マリアがトイレに行っている間、稲生はスマホを手にした。
 すると、イリーナから掛かって来る。
 内容は他愛も無いもので、ちゃんとマリアと仲良くやっているかというものである。

 稲生:「……はい、先生。御心配いりません。ただ……なるべく早く帰って来て頂きたいですね。……はい。僕の安全が脅かされておりまして……いえ、あの……詳しくはここでは話せないんですが……」

 今回の帰省は、『終わり良ければ全て良し』というわけにはいかなかったようである。
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