マーリンの美味しい生活

ストレス解消は観劇と食べ歩き。

たいこどんどん

2011年05月18日 | 舞台・映画
渋谷のシアターコクーンにて「たいこどんどん」を観て参りました。

井上ひさしさん×蜷川幸雄さんの作品です。

主役の3人は、橋之助さん、古田新太さん、それに鈴木京香さん。

若旦那と幇間の二人がひょんなことから江戸から東北・北陸と流れ歩いて行くという物語。

その原因になった遊女が鈴木京香さん。この役の他にも、その美貌と色香で男を惑わせる強くて悪い女をイキイキと演じています。

本当にとても美しいので大変説得力があります。ピッタリの役ですね。ちょっと大河ドラマの「新選組」に出てた時のような雰囲気でした。早口でまくし立てる東北弁の啖呵も小気味良かったなぁ。

今回は生の鈴木京香さんが観た~いというのが目的の1つだったので、大満足でしたよ!

橋之助さんは、頼りないけど憎めない、女にだらしのないお金持ちの若旦那という役がよく似合いますね。

さすがの爽やかな色男ぶり。

そして何と言っても素晴らしいのが古田新太さんです。

太鼓持らしい軽妙なやり取り、ほとんど出ずっぱり、喋りっぱなしで、見た目も一番変化が激しい役どころでしたが、古田さんってかっこいいなあ・・・と今回つくづく思いました。

ラストシーンはエーッという感じなんですが、私は井上さんと蜷川さんのメッセージをがっちり受け止めたつもりです。運命に翻弄され流転の挙句何もかも無くしてしまった若旦那と東北の被災された方々がダブりました。

せっかく帰りついた江戸の町は東京と名前を変え、親兄弟も家も店も無くし絶望する若旦那に太鼓持が言う言葉、そしてあんなことがあった後場内に響き渡る赤ちゃんの泣き声と立ち上がろうとする人々、その姿に何があっても生き続けようとする庶民の強さと再生への願いを見ました。

場内は割れんばかりの拍手。カーテンコールの時の出演者の皆さんの目にキラリと光るものが見えました。
胸に手を当て深々とお辞儀をする橋之助さんの姿が印象的でした。

これは必見の舞台だと思います。