WOWOWのドラマを何本もDVDレコーダーにとり貯めてあったのだが、9月に放送された『ルパンの消息』(横山秀夫原作)をやっと見終わった。民放のドラマはCMが入ったりするし脚本もあまり練れてないのでほとんど見ることはないのだが、WOWOWは映画並みのキャストでじっくり作っているのでいいドラマが多い。そしてこの『ルパンの消息』も最近見たドラマでは秀逸の出来だったので感想を書いてみたい。
原作ストーリーは下記のとおりである(アマゾンの商品説明より引用)
「昭和」という時代が匂い立つ社会派ミステリーの傑作。平成2年12月、警視庁にもたらされた一本のタレ込み情報。15年前に自殺として処理された女性教師の墜落死は、実は殺人事件だった―しかも犯人は、教え子の男子高校生3人だという。時効まで24時間。事件解明に総力を挙げる捜査陣は、女性教師の死と絡み合う15年前の「ルパン作戦」に遡っていく。「ルパン作戦」―3人のツッパリ高校生が決行した破天荒な期末テスト奪取計画には、時を超えた驚愕の結末が待っていた…。昭和の日本を震撼させた「三億円事件」までをも取り込んだ複眼的ミステリーは、まさに横山秀夫の原点。人気絶頂の著者がデビュー前に書いた“幻の処女作”が、15年の時を経て、ついにベールを脱いだ。第9回サントリーミステリー大賞佳作。
主な出演者
上川隆也、岡田義徳、佐藤めぐみ、羽田美智子、長塚京三、塩見三省
内容は上記のように、有名な3億円事件と女性教師殺害事件が絡み合い最後の驚愕の結末には見事としかいい得ないほどの快感があった。横山秀夫のドラマは以前にも上川隆也主演『震度0』という警察が舞台のドラマであったが、これも秀作であった。『ルパンの消息』もその流れを汲み、見始めたらぐいぐい画面に引き寄せられていき、息をつかせぬ展開となっていた。当初、3億円事件の話がどうして女性教師殺害事件に結びつくのかわからなかったが、いろいろな複線が絡み合い謎が全て解けた時の爽快感は最高である。そして、上川隆也ふんする刑事と犯人との最後の対決。時効までのタイムリミットと刑事訴訟法の深い意味。取調室での容疑者たちのあきらかとなる人生模様など。見るものをあきさせないスピーディな展開に舌を巻いた。しかも、事件解決で終わりではなく、途中から気になっていた登場人物の存在も曖昧にせず、しっかり解き明かしてくれたので気持ちよく見終わることができたのだ。原作も含めてドラマもすばらしい出来なので、是非他の人にも見てもらいたいものだ。
ドラマの詳細はこちらから
http://www.wowow.co.jp/dramaw/lupin/top.html