いよいよ2016年4月から、一般家庭や小規模店舗でも自由に電力会社を選べる「電力自由化」が実施される。今まで厳密に限定されていた電力会社を、自由に選択して利用ができるというわけである。しかし、この「電力自由化」に便乗した詐欺がこのところ増えているといい警戒が必要である。
経済産業省によると、去年12月までの4ヶ月間に35件だった相談件数は、先月1ヶ月間だけで150件に急増しているという。その手口は、「3月までに電力会社を切り替える手続きをしないと停電する」とか、「スマートメーターと呼ばれる最新の電気メーターを無料で取り付ける」とうたって新規契約を勧誘してくる売り込みが多いそうだ。また、「点検と言って来て、終わってサインしたら新電力契約のサインだった」という事例もあるらしい。これまでに現金をだまし取られる被害は確認されていないというが、今後、新しい制度に便乗して、悪質な業者が必要のない工事費などの名目で不当に料金を要求してくることが懸念される。
こういった詐欺に騙される人が多いということは、「電力自由化」がどういうものか知らない人が多いということも言える。私も、今まで詳しい内容を知らなかったが、こんな話を聞いて「電力自由化」で、何がどう変わるかについて勉強してみた。
まず、新電力会社ができたとしても、送電設備まで新しくなって自前で各家庭に送るわけではないことが重要だ。新電力会社は、発電は自前でするものの既存の送電設備を利用するので、各家庭への送電に関わる工事は必要ない。ただ、電力会社の切り替えのために、「スマートメーター」と呼ばれる通信機能付きの電力計が必要になる。しかし、スマートメーターの交換は、電力会社の負担で行うので、原則的に無料である。したがって、「電気料金を安くするので、最初だけ切り替え費用をいただきます」のようなことを言われたら、これは間違いなく詐欺である。
また、発電量の不足など停電リスクが高まった場合や契約中の電力会社が倒産した場合でも、地域間や電力会社間で電気を融通し合う体制が整えられているので、電力会社を変更したとしても電気の供給が止まることはないとされている。そして、既存の電力会社を解約して、新しい電力会社との契約をする際にも一切手数料はかからないので、契約先変更時に手数料をとられる事も詐欺になる。
詐欺の話ばかりでなく、まともな新電力会社に変更する場合においても、十分な検討は必要だ。各電力会社とも、自由化に伴っていろんな料金プランを提案していて、いかにも安くなるような宣伝を行っている。しかし、どの家庭においても必ず安くなるとは限らない。どちらかというと高額利用者には安くなるケースが多いようだが、もとから電気使用量が少ない家庭では、新料金プランにするとかえって高くなってしまうケースもある。私の家のケースでも、既存電力会社の新料金プランに変更すると逆に高くなってしまう事が分かり、現状の料金プランのままでいくことにした。
また、契約条件がケーブルテレビやインターネット、電話とのセットが割引条件となっているものもある。その割引の対象になるために、一定期間他のサービスを契約することで、かえって無駄な出費になってしまうこともある。携帯やスマホでも同じようなセット割が横行しており、本当に安いのか目くらましされ、分かりにくい料金体系にへきへきした経験もある。同様に、1年未満に解約する場合は、違約金をとる業者もあり、安易に契約と解約を繰り返すことも避けたほうがいい。
いずれにせよ、電力自由化になったからといってすぐに新電力会社に乗り換えることはない。今後のライフスタイルを考え、各電力会社の料金プランが出そろったところで十分考えれば遅くないといえる。
経済産業省によると、去年12月までの4ヶ月間に35件だった相談件数は、先月1ヶ月間だけで150件に急増しているという。その手口は、「3月までに電力会社を切り替える手続きをしないと停電する」とか、「スマートメーターと呼ばれる最新の電気メーターを無料で取り付ける」とうたって新規契約を勧誘してくる売り込みが多いそうだ。また、「点検と言って来て、終わってサインしたら新電力契約のサインだった」という事例もあるらしい。これまでに現金をだまし取られる被害は確認されていないというが、今後、新しい制度に便乗して、悪質な業者が必要のない工事費などの名目で不当に料金を要求してくることが懸念される。
こういった詐欺に騙される人が多いということは、「電力自由化」がどういうものか知らない人が多いということも言える。私も、今まで詳しい内容を知らなかったが、こんな話を聞いて「電力自由化」で、何がどう変わるかについて勉強してみた。
まず、新電力会社ができたとしても、送電設備まで新しくなって自前で各家庭に送るわけではないことが重要だ。新電力会社は、発電は自前でするものの既存の送電設備を利用するので、各家庭への送電に関わる工事は必要ない。ただ、電力会社の切り替えのために、「スマートメーター」と呼ばれる通信機能付きの電力計が必要になる。しかし、スマートメーターの交換は、電力会社の負担で行うので、原則的に無料である。したがって、「電気料金を安くするので、最初だけ切り替え費用をいただきます」のようなことを言われたら、これは間違いなく詐欺である。
また、発電量の不足など停電リスクが高まった場合や契約中の電力会社が倒産した場合でも、地域間や電力会社間で電気を融通し合う体制が整えられているので、電力会社を変更したとしても電気の供給が止まることはないとされている。そして、既存の電力会社を解約して、新しい電力会社との契約をする際にも一切手数料はかからないので、契約先変更時に手数料をとられる事も詐欺になる。
詐欺の話ばかりでなく、まともな新電力会社に変更する場合においても、十分な検討は必要だ。各電力会社とも、自由化に伴っていろんな料金プランを提案していて、いかにも安くなるような宣伝を行っている。しかし、どの家庭においても必ず安くなるとは限らない。どちらかというと高額利用者には安くなるケースが多いようだが、もとから電気使用量が少ない家庭では、新料金プランにするとかえって高くなってしまうケースもある。私の家のケースでも、既存電力会社の新料金プランに変更すると逆に高くなってしまう事が分かり、現状の料金プランのままでいくことにした。
また、契約条件がケーブルテレビやインターネット、電話とのセットが割引条件となっているものもある。その割引の対象になるために、一定期間他のサービスを契約することで、かえって無駄な出費になってしまうこともある。携帯やスマホでも同じようなセット割が横行しており、本当に安いのか目くらましされ、分かりにくい料金体系にへきへきした経験もある。同様に、1年未満に解約する場合は、違約金をとる業者もあり、安易に契約と解約を繰り返すことも避けたほうがいい。
いずれにせよ、電力自由化になったからといってすぐに新電力会社に乗り換えることはない。今後のライフスタイルを考え、各電力会社の料金プランが出そろったところで十分考えれば遅くないといえる。