ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

PING410 カチャカチャスリーブの失敗

2020年05月06日 | ゴルフ

この前から使ってるPINGのG410Plusドライバー、付属のシャフトがちょっと柔らかい感じがしたのでリシャフト、といってもカチャカチャなので新しいシャフトを自作した。

中国はシャフトの偽物天国。TourADだろうがフジクラだろうがATTASだろうが何でも手に入るけどおそらく違うのは塗装だけ。
1500円くらいで売られているが、もちろん手を出したら危ない。
ということでコスパがよく間違いなく本物のALDILAーNXのSシャフトにした。65gのSということで結構ハードなシャフト。

これに加え、信頼できるネットショップでIONICのグリップとPING410専用カチャカチャスリーブを購入し自分で組み上げた。

コースで打ってみるとまだ球が上がる。9度のノーマルポジションからマイナス1度、マイナス1.5度を試したけどやっぱり上がり距離がでない。

実際マイナス1.5でもフェースが立ってるように見えずこれはどうもおかしいなと思ってよく見たら、カチャカチャのプラスマイナス表示が左右逆になっていた。
マイナスしたつもりが逆にフェースを寝かしていたのだ。

あ、これは偽物掴まされた、と思いちょっと調べてみたらどうやらレフティ用のスリーブらしい。右打ち用と同じものだけどプラスマイナスの印刷が左右逆になってる。通販業者が間違えた、もしくは右左違うことすら知らずに出荷したようだ。

もうシャフトを接着してしまっており付け替えるのも面倒なのでそのまま使うことにしたけど、気がついてよかったです。


現在の中国の日常

2020年05月06日 | 中国生活

どうもブログ更新が滞ってる。別に忙しいわけではないんだけど。

2月20日から中国に戻っている。知人からは中国にいるということでよく心配の声をかけてもらうのだが、実は戻ってから今に至るまで何の不安も不便もなく生活している。

私の住んでいる広東省仏山市は人口600万人。東京都の半分くらい。
累計感染者は90人、現在治療中は4人。この4人はもうずっと変わらないからおそらくは生命維持状態なのだと思う。
死者はゼロ。要するに、ここにいる限り感染するリスクはまったくない。殆どの中国の都市で同じような状況だと思う。

その日常はどうかというと、部分的にはまだ日本より厳しいかもしれない。
外出規制は全くないが、検温はアパートの出入り、会社出社時、商店の入り口で必ず実施している。

商店はマスク無しでは入場できない。アパートのエレベータや商店のドア等は30分おきに消毒。
飲食店はすべて開放されているが、映画館やジムはまだ営業許可がでていない。

観光業は再開しているが、観光地は入場制限がありかつまだ感染が怖いという理由から人出は決して多くない。

製造業は現時点では全て正常稼働しているが、肝心の輸出先の経済がストップしているから仕事が減っている状態。なのでリストラは発生しているが、おおむね経済はもとに戻りつつある。

問題は国際間の人の移動。

中国は徹底した防疫で抑え込んだ。感染者数がすくなく免疫もできていない。だから他国からの流入に弱い。
韓国も同じような状況。なのでおそらく中韓の交流はほどなく始まるだろうがその他の国からの入国はできずこれは当面続くだろう。
現在日本人の入国は事実上できない。

中国にいる日本人駐在員は一旦出国したら入国できないので海外に出ることができない。任期がきても後任者が来れないので任期延長。
まさに缶詰状態になっている。私は駐在員ではなく自らの意思でここで働いているわけだが、日本に帰れない状況は同じ。

まあ、日本に帰れないということ以外は生活になんの支障もない。おそらく日本もあと1ヶ月もすればこんな感じになるだろう。
その後は国際間の人的交流をどうするかが最大の問題になると思う。


コロナウイルス マスクは有効か?

2020年01月30日 | 中国生活

中国在住者(現在一時帰国中)としてはコロナウイルスは大事件。

これから中国に戻るに当たり、自衛、他衛の感染を広げない策を講じる必要があります。
まずすぐに思いつくのはマスクなので調べてみました。
(既存情報コピペの「調べてみましたサイト」ではございませんので最後までお付き合いください)

1.マスクの目の粗さ
マスクはフィルターです。ということは目の粗さがポイントになります。
マスクで防ぎたいものは主に3つ。花粉、PM2.5、ウイルスでしょう。これらはそれぞれ大きさが違います。

1)花粉 一番大きく、直径40㎛(マイクロメートル、ミクロンと同じだ)
2)PM2.5  PMは空気中を漂う粒子状物質。2.5はその中で健康被害が大きい直径2.5㎛のもの
3)ウイルス 最も小さい。0.1㎛前後

つまり、花粉とウイルスでは400倍の違いがあります。花粉がバスケットボールなら、ウイルスは仁丹くらい。PM2.5はゴルフボールくらいかな?イメージとしてはそんなもんでしょう。

花粉専用マスクではウイルスは全くザルです。PM2.5対応マスクでもウイルスはらくらく通過します。
少なくともウイルス対応(0.1㎛補足99%などの表記)がないと意味がありません。

2.飛沫感染
ただし、ウイルスはそれ自体で空中に浮遊するものと、咳くしゃみで唾液の粒(飛沫)の中に入って浮遊するものがあります。
ウイルスは裸で空気中に漂ってると割と短時間で死んでしまいます。種類によるけど数時間。
今回のコロナウイルスは水がないと死んでしまうようです。
むしろ警戒が必要なのは濃厚接触(面談など)での飛沫です。
飛沫の大きさはいろいろ。大きいので5㎛程度、小さい(エアロゾル状態)でも0.5㎛程度あるので、普通に売られているウイルス対応不織布マスクで防げます。
また、飛沫は大きさにもよりますがそんなに遠くまで飛びません。2-10m程度。
人の少ない屋外でマスクをする意味はないでしょう。

3.マスクの種類
1)N95
N95はアメリカの規格で、0.3㎛を95%遮断するものです。この試験はフィルター性能だけでなく横漏れまで含めて95%遮断なので、縁が完全に顔に密着するようにできています。
このマスクがウイルス対策としては最適です。

2)N95相当
N95はアメリカ認証を取る必要があるので、そこまでしていないけどN95並みの性能を有したマスクが市販されています。N95相当と表記はできないので性能で判断するしかありません。たいてい0.1㎛補足99%などの表記があります。ただし通常はフィルターの性能であり、横漏れは考慮されていません。
すべての縁が顔に密着していない限り必ず横漏れします。

3)サージカルマスク
これは医師が自分の唾液飛沫を患者にかけないためのマスクで、医療従事者がしているものです。
飛沫は5㎛なので、通常はPM2.5対応程度のフィルターです。
サージカルマスクには基準がないので製品の性能表示を見ないとわかりませんが、いずれにしても浮遊状態のウイルス吸入を防止するものではありません。
(ただし前述のとおり、コロナウイルスはウイルス単体での空気感染はないといわれています。)

3.では何を買えばいいのか?
N95相当品といっても横漏れがあるので空中浮遊のウイルスを完全に防ぐことはできません。ほぼ完全に防ぐためにはN95ですが、これはかなり息苦しく長時間つけ続けるのは苦痛です。

サージカルマスクは自分を防御するというよりは自分からの発散を防ぐものです。
当然それも伝染病拡散防止には非常に有益なことです。面談や会議などの濃厚接触時は自分を含めその場にいる全員が装着することでリスクが軽減します。

N95以外は完全に自分を防御することはできませんが、N95相当のフィルターのマスクであればある程度の効果はあるでしょう。

なので、ここでの結論は人がいる場所では0.1㎛補足99%の「ウイルス対応」を謳うマスクをし、特にリスクの高い人混みや閉鎖空間ではできる限り鼻やあごを密着させること、としておきます。

4.消毒
実効という意味ではマスクより消毒です。
空気中を浮遊するウイルスは短時間で死滅しますが、物に付着していると寿命が延びます。
これらを触り、手から口、鼻、目に入ることのリスクの方が高いのです。
携帯消毒液でのこまめな手洗いと、口、鼻、目に触らないことが重要です。
またマスクは口、鼻に手が触れないという効果もあります。

5.目からの感染
マスクをしても防げないのが目からの感染です。ゴーグルをすれば完璧ですが、眼鏡でもしてないよりはマシでしょう。顔に密着するスポーツタイプの眼鏡やサングラスなど気休めかもしれませんがしないよりはした方がいいのではないでしょうか。あとは、目をこする前に手先の消毒です。

以上、特に専門家ではないので間違いがあるかもしれません。コメント欄でご指摘いただけると幸いです。


オートウェイ、アルミホイールJWL偽装の顛末(不起訴)

2020年01月02日 | 雑記

11月14日にオートウェイのアルミホイール、JWLマーク偽造品販売の件を書いた。

https://blog.goo.ne.jp/maikawa/e/a9723dc2f902c3f9ae9f3efe86f76bb6

このエントリーで、オートウェイが意図的に粗悪品にJWLマークを付けて偽装し販売したということではないだろうと書いたが、実際に12月になりいったん逮捕された3名は不起訴処分(=無罪)になっている。

本題からそれるが、あれだけ「中国製粗悪品を偽装販売」と報道したメディアが不起訴についてはなんら報道しないというのはどうしたものなのか?オートウェイがこれにより被った風評被害は相当なものだろう。

本題に戻る。
私の推測は結論から言えば間違っていた。私の推測は実際にJWL試験で不合格となったホイールにJWL刻印がされていた、しかしそれはメーカー試験なので販売者が意図的にやったことではないだろう、ということだった。

しかし、オートウェイの報道発表をみるに、実際はさらに些細な問題だったようだ。

簡単に言えば、JWLマーク表記には二種類あり、荷重条件が厳しい試験はJWLだけの表示、適応タイヤに制限がある試験はJWLマーク+適応条件を表記しなければならないが、オートウェイのホイールは後者であったがJWL表記しかなかった、ということ。現実的に装着されるタイヤサイズはだいたい決まっているから後者の条件の試験でもクリアされているなら強度的には全く問題がない。
むしろ事務的なミスというレベルの話であった。

ただ、一つ見落としてはいけないのは、かつて販売されていた輸入ホイールに無届でVIAマーク表記がされていた、という点。こちらの問題はあっさりと書かれているが、むしろこちらは偽装と言われても反論できない内容だ。

VIAはそのホイールがJWL適合であることを日本の機関が承認した、というマーク。JWL試験はメーカー自己認証であり第三者が確認していない。それを日本の機関で確認する認証がVIA。これを無届で表記していたということははっきり言って偽装にあたる。

この問題はオートウェイが過去のホイールについて調査し出てきた問題のようだ。これは過失ではなく明らかな故意の偽装であるから突っ込まれたくないのか、報道発表資料にはそこにあまり焦点が当たらないような書き方になってる。

いずれにしてもオートウェイの発表によれば問題のホイールはJWL試験に合格していることを確認しており安全面での問題はない。なおかつ既販売品の交換にも応じるということであり、決して「粗悪品を偽装販売」というような悪質な問題ではないことは明らかだ。


首都高速道路(株)、15億円つかってETC装着キャンペーン

2019年12月20日 | ITS

10月1日から、首都高速道路(株)によるETC, ETC2.0の助成キャンペーンが始まった。
いままで断続的に行われてきたものだから驚くに値しないと思いながら内容をみたらその規模に驚いた。

なんと、ETC2.0、通常ETCともに10000円の助成金。対象は10万台。
さらに加えて先着5万名には、ETC2.0で10000円、通常ETCでも5000円がクオカードでバックされる。

クオカード対象のETC:ETC2.0比率は不明だが、仮に全部ETC2.0と仮定して予算はなんと15億円、全部通常ETCだとしても12.5億円。

対象は東京、埼玉、神奈川、千葉の首都高速が存在する地域に住んでいる方。かつ、今までETCを付けておらず、初めてつける方が対象なのでETCからETC2.0への付替は適用外だけど、車を買い替え、ETCを移設しない(たいていの人はしないでしょう)場合は対象となる。

このキャンペーン、予算総額にもびっくりだが通常ETCであれば完全無料、ETC2.0でも先着5万人に入れば数千円で装着可能であるということ。

だったらもう首都高速道路(株)は通常ETCを希望者全員に無料で装着したらどうなのか。もしくは全国の高速道路会社で日本中を対象にしてもいい。
未装着車は多分まだ数百万台有ると思うけど、安いETCに限定し数百万台のボリュームをもって相見積もりをし徹底的に安く仕入れればいい。
そのうえで高速道路はETC装着車以外通行出来なくし、料金収受コストをさげてコスト低減すればいい。
そこまでやれば投資の効果が出るけど、このキャンペーンの15億円は無駄金に見える。

 


中国信用スコアに関する誤解

2019年12月18日 | 中国生活

中国は監視社会となり、行動がすべて信用スコア化されて政府によるコントロールが行われている、という論調の記事を国内外でよく見かける。
日本と比較すればここが監視社会であることについて否定するものではないが、それらの記事には誤りに基づいた物が多い。
大まかに言って中国の信用ランクは3種類あるのだが、それらを混同して中国の社会スコアを論じているものが多いのでここにまとめてみる。

なお、本件に関しては中国IT系ライターの山谷剛史氏が多方面に正しい内容の記事を寄稿されている

1.芝麻信用

典型的な例は中国大手IT企業アリババが運営する信用スコア「芝麻信用」(ごま信用、セサミ信用、ジーマ信用等、読み方は定まっていない)に関するもの。

これはアリババの決済プラットフォーム「支付宝」(ALIPAY、アリペイ)を使う人が希望することでスコア付けされるようになる。
実名登録、車所有、クレカ保有、支払い履歴等から判定され、スコアが高いとアリババ系の各種サービスでデポジット免除などの優遇を受けることができる。
一方で、支払い遅延やレンタル返却遅延などがあるとマイナスされるが、特に手数が低い事による罰則はない。

特典もその程度だし、仮に低くても実際に生活に害が及ぶわけではないから、ほとんどの中国人はこのスコアはたいして気にしていない。

2.社会信用体系

これは中国政府が管理する個人情報。ランク付けというよりブラックリストと言ったほうが正しい。
どんな国家であろうと、個人の犯罪歴はデータベース化されている。それに加え中国では税金未納、借金踏み倒し等金銭に関わる問題から、公共交通機関での妨害行為、そしてもちろん反社会的行為をすべて一元管理しようとしている。
これが点数管理されているのかはわからないし、何点以下は飛行機に乗れない等の基準があるのかわからないが、例えば飛行機の中で暴れた前歴が有る人が一年間飛行機に乗れない等の処置は実際に行っている。

いずれにしても借金踏み倒しや税金未納等よほどの金額でなければ生活の制限を受けることはなく、(実際に移動制限が課せられる人はごくわずか)一般人がこれを気にして生活しているということはまったくない。

3.地方政府によるもの

蘇州など全国12都市で試験的に行われている個人ランク付け。納税状況、交通違反、近所とのトラブル、寄付や慈善行為などで個人を評価するもの。高得点者は公共サービスでの優遇があるが、低ランク者へのペナルティは現時点ではない。民度アップが目的だと思われる。

4.まとめ

中国では国家による国民のランク付けが行われており、税金未払いや交通違反等のマイナス行為をすると移動制限等の罰則が課せられる、というのは不正確。
さらにこうした国家による評価付けに対して異議を申し立てないのは儒教による影響であるとした海外記事があったが、それは考えすぎ。
単に現時点の社会スコアは特に気にする必要もない内容である、ということが最大の理由。

それに加え、長く共産党が一党支配している中国においては政府(党)に個人情報を握られていることが当たり前であり、お上に逆らって良いことはないということを誰もがよく知っている。さらに鈍化しつつあるとはいえ未だに経済成長を続けており、国民は国に大きな不満を持っていないことも個人情報を国家に渡すことに抵抗を感じていない理由だとおもう。


タイヤ・ホイール通販大手のオートウェイ、粗悪品(中国製?)販売の疑いで社長らを逮捕

2019年11月14日 | 雑記

タイヤ・ホイールの通販大手「オートウェイ」(福岡)が粗悪アルミホイールを販売したとして逮捕された。

タイヤ・ホイール通販大手のオートウェイ、粗悪品販売の疑いで社長らを逮捕

本件に関して特に内部情報を持っているわけではない。これから書く内容は完全に私の憶測であることをお断りしておく。

報道内容では『粗悪なホイールに安全基準を満たしていることを証明する「JWL」マークを偽装表示して販売した』とされている。
しかし同社は偽装について否定している。
私の経験からも、おそらくオートウェイが意図的にJWLマークを偽装表示したということはないだろう。粗悪品を販売した責任は問われるべきだが、「偽装表示で逮捕」は無理があるように感じる。

まず、JWLについて。これは日本の国交省が定めたアルミホイールの安全基準で、JISで定められた試験(主に負荷耐久試験と衝撃試験)に合格したホイールに刻印することができる。
ただしこれはあくまで自己認証であり、公的機関での証明を取る必要はない。メーカーが自ら試験を行い、合格すればマークを付けることができる。
これが刻印されているホイールであれば特段の証明なしに車検を通す事ができる。

ここでポイントとなるのは、オートウェイはメーカーではなく販売業者であるということ。
単純にメーカーから定番品を仕入れただけなのであれば、販売業者に偽装の責任はない。もちろん粗悪品を見抜けなかったという責任はあるが。

しかし、オートウェイがメーカーに専用品を発注していたとするとちょっと話が違ってくる。
オートウェイは販売者ではなく、メーカーに製造を委託した製造者ということになる。その場合はJWL試験に本当に合格しているのか、また実際の量産品は試験品と同じ品質であるのかについての責任をとらなければならない。

今回のホイールがどういうものなのかわからないが実際のところ前者と後者の区別は曖昧なのだ。アルミホイールの金型は案外安いのでメーカーはお客の要望による専用品を作ることが多い。それはお客に対するOEM供給なのだが、お客の立場からすればメーカーから仕入れただけで、製造委託してホイールを製造したという認識にはならない。

そもそも日本で販売するホイールはJWL規格品であることが前提となる。オートウェイもその前提でメーカーに発注しているだろう。
あえて合格しないホイールを作らせ、それにJWLを刻印するということにインセンティブはないと私は思う。

オートウェイはJWL規格ということで発注した。しかしおそらくJWL試験に立ち会っていないだろう。試験に立ち会わない限り試験結果の偽造は見抜けない。場合によっては試験成績書の確認もしてないかもしれない。
もしくは、試験品と量産品でアルミの材質変更や熱処理工程の省略等が行われていたとしても、実物を試験しない限り見抜けない。

さて、真の問題はここから。

中国の激安アルミホイールについてるJWLマークなんておまじないのようなもの、というのは業界では知られた事実。
専業のオートウェイがそれを知らないはずはない。JWL試験をしたら合格しない可能性があることはうすうすは知っていたのではないか、という憶測ができる。
であれば、積極的に偽装してないとしても責任は免れない。

ホイールは重要保安部品。なぜそんないい加減な事ができるのか?
実際には粗悪ホイールで事故が発生したという話はあまり聞いたことがない。通常走行であればJWL基準を下回っていても問題ないのだ。
でも高速道路での落下物乗り上げや縁石乗り上げ等では破損する恐れがある。事故でホイールが破損し車がコントロールできずに事故を大きくしてしまうことは十分にあり得る。
しかしそうしたケースでは最初の事故が問題とされ、それで破損したホイールの責任は問われることがない。

そんなことで現実的にはJWL規格を下回るホイールを販売しても大きなリスクはない、ということなのだろうが、とんだツケが回ってきてしまったようだ。
いずれにしても中国でものを作る場合はよほど注意しないといけない。(と中国の工場にいる私が言っております)


デジタルラジオi-dioがやっぱりidiotだった件

2019年11月07日 | 中国生活

6月にエフエム東京のデジタルラジオ放送i-dioの闇について書いたが、やはり事実はそのとおりだったようだ。エフエム東京は10月8日、正式に事業撤退を表明した。

立ち上がり時点で当ブログも含め、ほとんどの人が成功するとはとても思えない、と考えていた。なぜそのような事業にエフエム東京は邁進してしまったのか?

このデジタル放送はV-Low帯という電波帯域を使っている。この帯域はテレビ放送のデジタル化によって空いた「空き地」。
電波帯域の利用は総務省が管理している。テレビのデジタル化にあたっては、従来のテレビが使えなくなるなどの経済的負担を家計にもたらしたことから、「空いた帯域を有効利用する」ことは国家政策としての大命題になっていた。

総務省はマルチメディア放送に関して様々な絵を描き官民の検討会なども行われたようだが、移動体通信の3G,4Gという進化に対し一方通行の放送にメリットがあるわけもなく、実際にはほとんど活用されていない。
結果としてアナログ停波に対する批判を交わすために、だれも否定できない「安全、安心」に振り分けたのだが、例えば交通安全ということでトヨタが始めた「ITSコネクト」に関して言えばITSコネクト協議会のHPはもう一年以上、会員名簿改訂以外のニュースリリースがない。

マルチメディアということでは携帯端末向けマルチメディア放送ということでDOCOMOがNOTTVという事業を行ったが、これも見事に失敗している。
モバHOという携帯向け衛星放送がすでに失敗に終わり、かつ事業スタート前にはアメリカで同様の事業を進めたMediaFloというサービスが撤退を決めるという、最初から誰がどう考えても成功する見込みがない事業だった。

DOCOMOという巨大企業にとってはこの失敗は大した痛手ではないだろう。これはどう見ても総務省に対する「お付き合い」だ。お付き合いという意味ではトヨタの「ITSコネクト」もそうだろう。

これらの失敗を知っててどうしてエフエム東京はデジタル放送に投資をしたのだろうか?
DOCOMOと同様に国策に協力したということなのだろうか?

これは大いに疑問が残る。今、ラジオ放送局は楽な商売ではない。とても大きな投資ができる状況ではなかったはずだ。総務省との兼ね合いがなかったとは言えないだろうが、監督官庁に対するお付き合いとしてはその代償が大きすぎる。
もしかしたら経営者は放送事業の将来にたいする大勝負だと考えたかもしれないし、災害ラジオの需要を取り込んで事業の柱にしようと考えたのかもしれない。

とはいってもこれは無謀だったし、少なくとも一般コンシューマー向け事業が成立しないことは誰の目にも明らかだった。


なぜ止められなかったのだろう。


「高速道路途中下車」ETC2.0限定の愚

2019年10月04日 | ITS

まだ正式な発表はないが、一部報道機関で国交省がETC2.0に限定して、高速道路料金所を途中下車しても3時間以内に再入場すれば追加料金なしにする、という報道がなされた。
これはおそらく事前リークであり、その計画が存在するということだろう。

いわく、サービスエリア同士の間隔が25km以上離れている空白区間が約100区間も存在するため、利用者の利便を向上するべく実施する、また通常旅行客が通過してしまう途中の観光地等への経済効果を狙う、ということのようだ。

これについては何一つ否定しない。まったく結構なことだし、サービスエリア同士の間隔が25km以上離れているのは道路会社の責任なんだからむしろ途中下車無料は当たり前のことのように思う。

問題は、これをETC2.0に限定するということだ。ETC2.0は通常のETCより一万円以上高額。それをつけていないと適用しないというのはどういうことなのか?

いや、ETC2.0の機能で途中下車できるようになったんじゃないの?と思う人もいるかも知れない。事実、メディアはそう勘違いしているようにも思えるし、国交省も意図的に曖昧にしてるように感じる。しかし、それは事実ではない。インターチェンジ料金所の出入りは当たり前の話だが、通常のETCで管理できる。

単に、ETC2.0にしかその優遇を適用しない、ということなのだ

ではなぜそんなことをするのか?
理由は簡単、純粋なETC2.0の普及促進優遇措置だ。

前述のとおりETC2.0は通常ETCより一万円以上高い。しかしその価格差に見合うメリットがない。だから売れない。売れないからこの「途中下車」を普及促進策にするようだ。

では、なんでそんなに売りたいのか?
じつはETC2.0は装着した車の運行履歴を国が吸い上げている。プライバシー情報は隠されているということだが、いつどこを何キロで走ったかが国のサーバーにアップロードされるのだ。これを国は交通政策に活用すると言っている。それなら「その代償としての優遇」だとはっきり言ったらどうなのか?(これは意地悪な言い方で、それを言うと厄介なことになるので言えないのは理解している)

サービスエリアの問題にしても、地域活性化の問題にしてもとてもいい施策だと思う。しかし利用者の利便向上策をなぜ全ETCのうち10%しかないETC2.0に限定する必要があるのか? 地域活性策にしても、対象は多いほうが良いに決まってるのではないか?全ETCを対象にした施策であって当然なのではないか?

よく言われるETC利権という話には私は与したくないし、特段の不正があったとは思っていない。しかしここまで露骨にETC2.0普及策を強行するとなると、裏に何かがあるのではないか、と勘ぐられても仕方がないと思う。国交省はよく考えたほうが良い。

みなさん、この件SNSなどでの拡散を希望します。


カーナビ市場が死なない理由

2019年09月26日 | ITS

スマホナビの性能が向上し、事実上カーナビ同等の使い勝手になって来ている。それなのに我が国のカーナビ市場は一貫して対前年プラスで推移しており、2019年上半年でも対前年103%(JEITA)だという。なぜカーナビ市場は消滅しないのだろうか?

カーナビ市場というと一般的にはカーショップで販売されているカーナビを思い浮かべるかもしれないが、しかしこの市場はすっかり冷え込んでいる。実際市販ナビ国内大手メーカーの中でパイオニア、クラリオン、アルパイン、富士通テンは自力での生き残りができず外資などに経営体制が変更されている。
この理由はまさにスマホナビによるものだろう。ナビがついていない車にお金を出してナビをつけようという人はもはやいないのだ。

ではなぜカーナビ市場はそれでも拡大しているのか?

答えはメーカーでの標準装備が拡大しているということ。
次の疑問は、なぜこれだけスマホナビが普及しているにもかかわらずカーメーカーはナビゲーションを標準装備するのか、ということになる。

ナビゲーション機能のない液晶画面付きカーオーディオを「ディスプレイオーディオ」と呼ぶ。すでにもう6-7年前には登場しており、これにアップルの「Carplay」やアンドロイドの「AndroidAuto」という接続を使うことでスマホナビが車載画面で使える。当時はこれでカーナビは絶滅する、アップルが車のエンタメも支配する、というような論調が一般的だった。
しかし、2013年2月の当ブログ記事、「ディスプレイオーディオ(DA)の時代は来るのか?」でも予測した通り、いまだにディスプレイオーディオは決して一般的ではない。

それはこういうことだ。

安全性が重視されるようになり、リヤビューカメラの装備が一般的になってきた。リヤビューカメラには液晶画面が必須となる。したがって軽自動車をふくめ、ほとんどの車が液晶画面を標準で備えるようになった。さらに、この先車内の表示系をすぺて液晶にする「eコクピット」化も進むと予想される。

ナビ機能自体はハードウェア的には相当こなれてきており、液晶画面がすでについていればその(ハードウェアとしての)コストアップはたいしたことはない。
一方で、液晶画面がついているのにナビ機能がないと販売現場で非常に売りにくい。ユーザーは液晶画面にナビ機能を期待するし、スマホ連携機能があっても自動車営業マンにとっては説明は結構厄介なのだ。さらに未だにガラケーの人や、スマホでもアプリインストールなんかしない人はまだ沢山いる。ディーラーはナビ付きのほうが売りやすい。

なのでカーメーカーが敢えてナビ機能をはずしたディスプレイオーディオにするということは今後もないだろう。そういった車もでてくるだろうが、ディーラーオプションでナビユニットをつける前提になってるはずだ。
スマホナビを使いたいユーザーもいることから、将来はよっぽどの廉価仕様をのぞけば「スマホ連携機能もついたカーナビが標準装備」ということになるのではないか。