ITSを疑う

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三洋ゴリラ CARWINGSに対応する新商品を発表

2008年09月20日 | ITS
三洋は、10月21日に日産CARWINGSに対応するポータブルナビ「ゴリラ」の新商品「NV-BD600DT」を発売する。
ポータブルといってもバッテリーを内蔵しない、車載を前提にしたナビだ。

先月パイオニアのプローブ「スマートループ」とホンダの「インターナビ」はプローブ情報の共有を発表したが、今度は一足飛びにカーメーカーのテレマティクスそのものが市販ナビに提供されることになる。

もともと三洋は日産に純正ナビのOEM供給をしており、両社の結びつき自体はさほど驚くべきことではない。
三洋は日本におけるPND大手だが、パイオニアの新エアーナビが通信対応をしてきた以上は何らかの対抗策が必要になる。しかし自社でテレマティクスを運営することは現実的ではない。
そういう意味では、CARWINGSとの提携は理想的な選択肢だとおもう。

一方で、日産にとってのメリットは何か?
本来カーメーカーの囲い込み施策であるテレマティクスを市販ナビへ提供する意味はあまりない。
会員数を増やすことでプローブの精度を上げるという説明もされているが、実際のことろは事業性を好転するべく会員数を拡大したい、ということなのではないかと思う。

そもそもカーメーカーのテレマティクスは「差別化・囲い込み」+「収益事業」という一挙両得のような企画書から始まっているのだが、実はどちらも実現できていない。
「CARWINGSがあるから日産を買った」という顧客が多いのであれば絶対に市販ナビへの提供という選択肢はないわけで、要はテレマティクス自体がブランド選択を左右するまでのキラーコンテンツではないということだろう。

今回の提携はその辺の事情をよくあらわしていると思う。