ITSを疑う

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ETC2.0の普及状況

2017年02月14日 | ITS
29年度道路予算概要の詳細の前に、ETC2.0の普及状況を示しておこう。

最近ETC2.0の販売は上向いてきているが、それはほぼ大口・多頻度割引制度に起因している。
この割引は特例処置で10%の割増割引が実施されていたが、昨年末で特例処置が終了する。しかしETC2.0に限定してその割増割引適用を継続している。(実際には昨年からの予定であったが業界の反対があり延びていた)
大口ユーザーは費用をかけて2.0に買い換えてもメリットがある。
さらに、ETC2.0のキャッシュバックキャンペーン(確か、対象50万台のうち大口ユーザーが45万台)も実施されていた。
ということで、大口ユーザーは経済的理由からよほどの事情がない限り2.0に買い換えている。
その状況は下のグラフでも明らかで、昨年5月以降、ETC2.0セットアップの半分近くを中型車以上が占めており、普通書でも大口ユーザー入るのでおそらく過半数はこの特別需要だろう。
繰り返すが、2.0が便利だから買い替えているのではない。国交省の施策によりそのほうが通行料が安くなるから、まだ使えるETCを外して2.0に付け替えているのだ。

特別需要を除く純粋なETC2.0の毎月のセットアップは概ね4万台程度と思われ、それはETCセットアップ全体の1割程度でしかない。昨年の月次セットアップ推移をみても大口特需を除けば増加傾向とは言えず、この先もこの程度の普及状況が続くのだろう。現在の累計140万台は全セットアップ(含む再セットアップ)の2%。

キャンペーンを打ったり割引政策を無理やり適用してやっとこの程度。さて、これからどうしようというのだろうか。