ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

JR東海のオンライン予約は「おもてなし」なし

2017年03月01日 | ITS
東海道山陽新幹線は従来専用カードですかできなかったオンライン予約、チケットレス乗車を一般のクレジットカード+交通系ICカード利用にも拡大し、その名称をスマートEXとする、とのこと。(乗り物ニュース

従来専用クレジットカードを作って会員にならなければできなかったサービスを拡大するという意味では結構なことだ。
新しいクレカを作るのを好まない人は多い。

さて、これは日本人にとっては結構なことなのだが、東京オリンピックに向けて外国人をおもてなしするといっている日本としてはいかがなものなのだろうか?
スマートEX会員登録には交通カードが必要。当然の事ながら、海外でSUICAは買えないから会員登録はできない。

ここで筆者に知る海外の高速鉄道の話。
イタリアはネットでだれでも予約可能。支払いは国際クレジットカードで、購入するとメールでバーコード付きEチケットが送られてくる。入場改札はなく、検札時にバーコード提示でいい。プリントアウトしなくてもスマホやタブレット画面でOK。
スペインも概ね同様。スペインは入場改札があったが、ここもバーコード付きEチケットで入れた。
中国は簡単にオンライン予約が可能だが、国際クレカでの決済に対応していないので外国人には難しい。

日本に戻る。
JR各社の中で、オンライン予約を外国人にオープンにしているのは東日本だけ。ここだけ英語の予約画面がある。
これも決済には対応しておらずあくまで席の予約だが、それでも海外から可能。
その他はレールパスやパッケージツアーを除いて英語での案内はなく、海外旅行者が事前に指定席を自分で予約するということは全く想定していないとしか思えない。だからこそ、スマートEXに交通系ICカードという発想になるのだろう。
(JR西日本はレールパス購入予約時に山陽新幹線に限って席予約(6席まで)出来る模様。ここ ←この英語、結構酷いね。
レールパスって確かに安くてお得だけどのぞみに乗れない。一回しか新幹線で移動しない旅行者には不向き。)

実際にユーザーがしたいのはチケットレス入場ではなくオンライン予約なのではないか?ICカードとの紐付けを必須にする必要があるのか?チケット発行は自販機での切符引き換えで十分だと思う。欧州のバーコード式でも良い。

海外旅行の日程を組む際に指定席の予約は非常に重要だ。席の確保ができなければ安心して日程は組めない。
ホテルや航空券がネットで自分で予約できるようになってから、海外旅行だからと言って旅行代理店を使わない人が多数派になっている。その中で、海外から日本に来る旅行者にとって新幹線チケットだけが自分で予約できない状態になっているということをJRは理解しているのだろうか?