ITSを疑う

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「ETC2.0」、何ができる? 乗り物ニュースの今更な記事

2017年06月05日 | ITS
乗り物ニュースに今更感のあるETC2.0関連記事が乗っている。
「ETC2.0」、何ができる?導入には数万円、料金支払だけでないメリットは?
ETC2.0自体新しいものではなく乗り物ニュースとしてこの時点で取り上げる意味があるとは思えないから、これはITS-TEA(旧ORSE)による広告出稿的なものだとみるべきだろう。

しかし、記載されている内容には問題が多い。
まず「駐車場や、飲食店のドライブスルー、ガソリンスタンドなどでの料金を、「ETC2.0」で決済できるサービスなども登場すると、国土交通省ウェブサイトで公表されています。」という部分。ウェブサイトで公表されています、という書き方に若干の良心があるのかもしれないが、これは絶対に無理。というか、すでにIBAという会社が手を出して失敗している。
私はこのブログを始めた2004年頃からドライブスルーもガソリンスタンドも駐車場もうまくいくはずがないと繰り返し書いてきた。そして10年以上が経過し、実際に何も起きていない。

そして、さらに問題なのがこの部分。
「VICSセンター(道路交通情報通信システムセンター)によると、「2022年4月以降、高速道路上では『ETC2.0』非対応のカーナビでは、VICSによる渋滞情報が表示されなくなる」といいます。」
これを読むと誰だって、近い将来2.0でないと渋滞情報がナビに出なくなる、と思う。しかし、これはビーコンをつかったVICSが廃止になるということ。実際ビーコンをつけている人はナビ装着車の10%程度で、ほとんどの人は関係ない。
通常VICSと呼ばれているFM音声多重VICSは今まで通り運用される。というか、VICSワイドになり今までより情報量が増える。

さらに、これは問題というよりも呆れてしまったのだが、ETC2.0の圏央道割引に関する国交省高速道路課のこのコメント
「都心を避けた圏央道への迂回を政策として促進していることと、『ETC2.0』の普及促進というふたつの観点から実施しています。」
普及促進のために割り引いている、と明言している。しかし、「なぜ役所はETC2.0を普及促進しなくてはいけないのか」の説明がない。これは国が走行データを取りたいからなのだろうが、それが明確に説明されていない。

民間の持っている走行データは移動体通信で収集する。高額な費用がかかるポストを設置する必要があり、さらにそこを通過しないと受送信できない仕組みとどちらが優れているかなんて考えるまでもない。
本当に、もうやめたらどうか。