久しぶりにETC2.0関連の自動車雑誌記事がネットに上がっている。
ベストカーWEB「ETCはあるけど、そろそろETC2.0に乗り換えたほうが良いのか」
正直何が言いたいのかよくわからない記事。ライターさんもその辺わかっててはっきりとはかけない大人の事情なのかもしれない。
先に結論を言っておけば、2.0に乗り換える必要は全くないし、何らかの事情で買い替えるとしても割高の2.0を買う必要はない。(のぞく圏央道常用者)
いまでもETC1.0車載器は販売されている。
では、記事を見てみよう。
まず、ETCの規格変更による問題に言及している。
これは2つの話があってとても分かりにくいのだが、簡単に要点だけを説明しよう。
先に承知しておいてほしいことは、この2つともETC1.0、2.0の規格とは別の問題だということ。
1.スプリアス問題
電波法を国際規格へ合わせるため、基準に合致してない無線機器の使用を禁止するというもの。
ETCとしての機能上は全く問題ないので物理的には使えるが違法状態になる、ということ。
非適合のETCはごくごく初期の一部しかなく、なおかつ法規制は当面延期になっているので忘れていい。
2.セキュリティ対策
現在ETCにセキュリティ問題が発生しているわけではないが、どうやらセキュリティホールがあったようで数年前からその対策がされている。
これは不正利用防止関連だろう。
で、今販売されているもの(古い在庫品はわかりませんが)はETC1.0でもETC2.0でも対策済。
2030年以降セキュリティ未対応ETCは使えなくなる、とアナウンスされているが2030年時点では相当数の未対応ETCがあるはずで、
ゲートが開かないことによる事故発生を考えれば絶対に実施できない。とくにその理由であるセキュリティの問題が発生していないのであればなおさら。
いずれにしても今買い替える必要なまったくない。
ということで、規格の話は忘れていい。
では、ETC2.0にはそのほかの利点があるのか?ということだけど、それはこの記事の後半部分の歯切れの悪さを見ればよく分かる。
高速道路の電波ビーコンが来年廃止され、ETC2.0に一本化されるのは事実。電波ビーコンの情報がとても貴重だと思ってる人はETC2.0にすればいいけど、
実際それほどのものではないでしょ。おおむね道路にある掲示板と同じ情報しかでないから。というか、あの高速略図を運転中に見るのは無理。
商業施設での決済利用について最後に言及されているが、この20年間実証実験ばかり。本当にニーズがあるならとっくに実用化されてるはず。
最後の一言が示唆に富んでいる。「正直、昨今はスマホがあれば何でもできてしまう」。そうなんです。
ETC2.0は圏央道での割引があり、常用する人は高い分の元が取れるけど、それ以外の人にとっては高いだけでまったく意味がない。
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