ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

上海 光一百貨の顛末

2013年05月19日 | 上海生活
上海市中山公園地区に昨年オープンした日系ショッピングモール「光一百貨」は、ほとんど廃墟となってしまった。
検索すると未だに「中山公園に渋谷が再現される」というような上海情報系サイトの古い記事が沢山出てくるのがなんとも虚しい。

ここは地上4階のそこそこ面積のある建物で、多媒体産業園発展有限公司という上海市長寧区を母体とした第三セクターの持ち物。それを香港系の光一百貨に貸出し、さらに1階の日系アパレルモール「JYUJYU」の部分が日本のマグネット社という会社に貸し出され、マグネット社が国内アパレルのテナントを募集し20店舗程度が入居した。

しかし、光一百貨は施設の完成期限を守らず、さらに2階以上のテナントも入居せず、そのため人も集まらないから「JYUJYU」は流行らず。マグネット社は違約金相当として光一百貨にテナント料を払わず、結局光一百貨はJYUJYUをロックアウトした。
光一百貨も多媒体への支払いが滞っているため多媒体としては光一百貨とのビジネスは打ち切りたいらしい。

現在、地下一階のフードモールは辛うじて営業しているが、それもどんどん閉店している。個人的にはフジオフードシステムの「中山公園食堂」は残って欲しい。

この背景には島の問題とオープンが重なったとか、光一百貨の対応の問題とか色々あるだろうが、一番の原因はもはや上海の商業施設は完全に飽和していてこれ以上作っても無理、ということと、日本ブランドの神通力が衰えてきている、ということ。

上海のユニクロは好調と言われるが、それでも来店客数はH&MやZARAの方が多い。日本ブランドから欧州ブランドに中国人の嗜好はシフトしている様にみえる。

前にも書いたが、中山公園は若い人が多く人出も多い好立地なのだ。それでもこの有様となっている。

繰り返しになるが、上海の商業施設は完全に飽和している。
日本人が多い古北では、水城路の旧和平広場の再開発が終わり大きなビルがほぼ完成した。それと同時にその隣の洛城広場が現在解体され再開発が始まった。この2つの商業施設でかなりの売り場面積になるが、私はこれも相当苦戦すると見ている。

上海進出をお考えの小売業、飲食業の方が私のブログをご覧になるかどうかわからないが、何の工夫もなく「日本ブランドでござい」といって出てきても絶対にうまくいかないことを覚悟されたほうがいい。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿