たかたかのトレッキング

駆け足登山は卒業、これからは一日で登れる山を二日かけ自然と語らいながら自由気ままに登りたい。

秩父三滝と水潜寺

2015年03月13日 | アウトドア
セツブンソウを見ての帰り道の三叉路で見つけた「秩父華厳の滝」の看板

脱線好きな私達はハンドルを左に切ります

暫くは道幅も広く渓谷美を楽しみながらのドライブでしたが

破風山登山口を過ぎた辺りから擦れ違うにも難渋する気の抜けない道が続きました

ようやく滝入口の看板が前方に見えてきました

駐車は渓谷沿いに設けられていましたが精々7~8台分位のスペースだったでしょうか

勿論、この時期に滝見物する酔狂な人間は私達くらいなもので一台も車は有りませんでした






滝は思ったより近く駐車場から右の坂道を50mも行きますと

左側に三段になって落ちる華厳の滝は有りました

下の二段は其々3mといったところですが

右に左に流れを変える姿は滝全体を優美に引き締めています

岩伝いに細い道を高巻いて核心部に迫りますと




なんと美しい姿でしょう

長さは12mという事ですが周りの岩骨の姿も良く一見のある滝に私達は大満足、わざわざ来た甲斐が有りました

秩父三滝(日野沢三滝)、ここには2Kほど先に後二つの滝が見られる様です

見ないで帰ったら悔いが残るというもの

更に奥に進みますとこの辺り環境の良さを売り物に別荘地として開発したのでしょうか

所々に建物が見られますが殆どが廃屋状態で、そのヒッソリとした佇まいがより侘しく感じられてなりませんでした

それでも畑が耕されている所をみますと何軒かは生活しているのでしょう


暫く歩いた先で不動の滝と上空滝の立て看板を見つけます


先ずは不動の滝を目指します

降りて見る程でも無いかと上から撮影したせいか手前の木にピントが合ってしまい不作の出来ですが・・・シャーナイね






一旦、案内板まで戻り山道に歩を進めます

林床にはシャガの葉が密生し人間の気配を感じたミソサザエが慌てて飛び立ちました

恐らく訪れる人も居ないのでしょう

倒木を跨ぎ荒れた道を沢に下りますと其処に上空滝はヒッソリと流れ落ちていました

一旦、落ちた水が岩に跳ね返り その下はまるで硝子の椀の様な形状です

これで悔いは無くなりました、華厳の滝へ引き返す事に致しましょう




気が付きませんでしたが滝の上には大きなお不動様が置かれており其処から滝の落ち口を覗く事が出来ます

しかし、このお不動様、韓国の仏像を観ている様な・・・




そこへ9歳くらいかと思われる小柄な少女が歩いて来たではありませんか

良く良く見ればとても器量の良い顔立ちです

人気もない山道をこの様な幼い少女がたった一人、少々魂消でジッと見つめていますと何の警戒心もなく

「こんにちわ」と挨拶をするのでした

「一人で偉いね、お家はこの近くなの?」

「はい、あそこに見えている家の向こうです」

「今、学校の帰り道なのね、何と言う学校に通っているの?」

「国神小学校です」

「そう、一人で本当に偉いねェ 気を付けてね」

そんな他愛もない話を切り上げ再び滝の落ち口を撮影したあと少女の後姿に目を向けますと

その少女もこんな思わぬ場所で人と会ったのが気になったのか

少し行っては立ち止まり暫く私達を見つめるを繰り返し

その内、蛇行する道の影に消えていきました

バス停が近くに有ったかしら?一体どこから歩いて来たのかしら?冬には薄暗い道になるでしょうに

そんな事を考えながら華厳の滝を上から見下ろしていると

あの健気な後姿が残像となり私達二人の胸から何時までも消えないのでした




少し戻った所に水潜寺という札所があります

私はすっかり忘れていましたが雄さんは一度来た事が有るといいます

もしかしたら破風山に登った事が有るのでその時に寄ったのかもしれません




なにやら本堂前が賑やかです

躊躇う私達の為に空間を作って下さいましたが、どちらかというと物見遊山な私達

少々気を咎めながら一応のお参りを済ませ暫く話に耳を傾けていますと

側にいた巡礼の方(写真)が札所めぐりのウンチクを私達に細かに説明して下さいました

今日は秩父札所廻りを終えた人を労っての表彰式だったようです



100観音を眺めながら帰る道すがらも思い出されるのは、あの少女の事

「何だかおやげなくて(可哀相で)心に残りそうだ」と雄さんは繰り返していました

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