
ケ~ンケ~ン、あれは雉?
窓から覗きますと今年は見られないと思っていた雉が裏の梅林で鳴いていました


オナガ「どうしました?キジロベエ君 やけに寂しそうですが」
キジ「いやね、昨年の秋 チェンソウを持った人間が数人きて吾輩の住処だった藪の木を根元からバッサリ切ってしまったんですよ
お蔭で快適だったネグラが無くなっちまいましてね」
そうなのです
僅か1ヘクタールにも満たない小さな森の木々は全て伐採されてしまったのです

シジュウカラ「そう言えばガビさんも同じ事を言ってましたね
人間はひどい、自分たちの都合で我々の住処をドンドン狭めてるって」

途方に暮れるキジロベエはその場にヘタヘタと座り込んでしまいました
シジュウカラ「ところでキジロベエさん、今は何処にすんでるの?」
キジロベエ「道の反対側の笹薮に居るんですがね、何しろ狭くてユックリ寝る事も出来ないんですわ」
シジュウカラ「人間の考えてる事は理解できませんね
勝手に自然を破壊して置きながら
時が経つと環境保護だの何だのって躍起になるんですからね」
オナガ「全く呆れて物が言えませんね、自分が自然に生かされている事は忘れて利便性だけを追い求めてばかり、そのツケが何時か自分に降り懸かって來る事は全く頭に無いのですから
とにかく頑張って下さいね」
キジ「ありがとう、私も空を飛べたら文句ないんですが今は環境の良い所を早く探して平和に暮らしたい、それだけです」

こんな長閑な山里もジワジワと自然破壊の波が押し寄せ
私が越してきた時には居た狐や狸、アナグマ等は今では全く姿を消してしまいました
もしかするとキジの姿も今年が見納めとなってしまうかもしれません
