たかたかのトレッキング

駆け足登山は卒業、これからは一日で登れる山を二日かけ自然と語らいながら自由気ままに登りたい。

さようなら済州島 5/26

2014年09月12日 | 海外旅行
今日、一番にやる事は郵便局へ行く事

宿のご夫婦はチェックアウトの時間は気にしなくても良いですよと言って下さいましたが

それでも決まりは決まりですし、ご迷惑は掛けたく有りませんでしたので

郵便局が開くのを待って宿を出ました

この郵便局は下見した方では無く宿で教えて下さった歩いて5分ほどの所に有る郵便局です


荷物の量を見てピッタリな段ボール箱を用意し手早に荷造りをして下さった男性職員

手続きに言葉の不足を補って下さった見知らぬ女性

にこやかに手続きをして下さった女性職員

お蔭で問題なく荷物を日本に送るに至りました






宿に戻り残りの荷物をリュックに詰め10時チェックアウト

ご主人はフェリー乗り場まで送ると仰って下さいましたが

夕方まで時間を潰さなくてはならないし部屋のお掃除もお忙しいでしょうからと

お気持ちに対するお礼を述べ遠慮する事に致しました

すると奥さんが「一寸、待って」と奥から乾燥したワラビを一袋、お土産に下さったのです

そのワラビは二人で山へ行き積んできた物なのだとか

私達も季節になるとワラビ採りをし塩漬けしたものですが原発問題が起きてからは

そうした季節の楽しみも失われてしまいました




ガシャン

ネジが緩んでいたんですね

眼鏡のレンズが・・・・・・・


まぁ色々な事が起こるものです

でも今回は予備を持参していましたので事なきをえました

さてさて、6時半余りをどう過ごしましょうとミニ公園のベンチで相談した結果

民族博物館へ行こうという事になりました 1100ウオン


中は色々な分野に分かれていましたが私の一番興味を引いたのが柿渋染料の行程であり

何よりも未熟の青柿を使用すること自体が驚きでした

説明に寄りますと

未熟の柿の実を潰してその汁で染めた木綿の着物を褐衣と呼ぶ

日に乾かした明るい褐色の褐衣は強くて汚れにくい

水に濡れても直ぐに乾くので農事や漁、牧畜の作業に適した服である

ならば先人の知恵を戴こうではないかと売店に行ってみましたが

残念ながら小物ばかりで作業衣は置いて有りませんでした




博物館の喫茶でコーヒーを飲み時間を潰しますが、こんな時の時間の流れは遅いもので未だ12時

「それ程お腹も空いてないけど博物館の前の食堂で昼食でもどうでしょうかね雄さん」

私達は見た目それほど綺麗ではない店にオソルオソル入ります

店は見た目で決め手はいけないんですね

お願いした海鮮鍋がとても美味しかったのです

最初、緊張顔だった奥さんも次第に慣れてきて私達が食べ易い様に選り分けてくれました




もう、これ以上する事も無く

出航するまで待合室で日記でも書いていようという事になり

タクシーに乗りますと

今のスマホ(?)は便利なのですね

いきなり女性の声がしましたので会社と連絡を取っているのかしらと思っていましたら

その女性の声が私達に問いかけて来るではありませんか

要するに運転手さんが聞きたい事をプッシュすると女性の声で問いかけ

私達がそれに対して答えると韓国語に変換されて運転手さんに届くという仕組みなのです

味気ない会話ですが、これが有れば個人旅行は心配ないですよね

フェリー会社で降ろして頂きタクシーが離れた時、カメラのフィルターが無いのに気づきました

ちょっとした時に外れてしまうので気を付けてはいたのですが降りる時に外れてしまった様です

これは各カメラメーカーに、この問題改善を要求したい

「マッ、シャーナイカ」とバス停のベンチで一休みしていますと

スーッツと現れた一台のタクシー

見れば先ほどの運転手さんではないですか

私達がバス停に居るのをバックミラーで見て

送る場所が違ったのだろうかと引き返してくれたのでした

渡りに船、お蔭でフィルターは無事 手元に戻ったと言う事です


雄さんが溜まってしまった日記を書いている間、私はする事も無くアチコチを見て回りました

ふと、ロビーに展示されていた済州の良き時代の写真に釘付けになりました

目を背けたくなるのも有りましたが、敢えてそれは載せませんが

日本の昭和の頃の済州の風景でしょうかね

先ずは南北分断の地、板門店(パンムンジョン)と分断後の家族の再会の写真です




次は済州の市街地と済州港です




そして観徳亭の前の様子と五賢路(前にアップしました五賢者を祀ってある通り→石垣に名残が)




最後は西帰浦(ソキボ)の港、今とは全く異なる風景です


そうこうしている内に出航時間が迫りました

改札では警備員が厳めしく入航者をチェックしています

もしかしたら逃亡中のセオウル号の社長の関係かもしれません


17時50分いよいよフェリーは済州港を離れました

遠くに薄ぼんやりと懐かしいハルラ山が見送ってくれています


ウワッ、豪華客船

縁がないなぁ


船内でマッサージ機にかかったり市場で購入した甘いミカンを食べながら日没を待ちます




海が紅く染まり始めました、それ行け 

甲板は強い風ですが数人の客がカメラを構えていました

気持ちの高ぶりを抑え徐々に沈みゆく夕日と対峙するその時は

此処が異国である事も忘れた一時でした




やがて海は残照に包まれ淡い光景へと変わります

数分間のドラマの素晴らしい幕引きでした


予定変更で再びワンド港にやって来ますと

港では接岸を待つ係員が一人二人と集まり始めました

何だか、こうしている事が現実なのか夢なのか私自身、分からなくなってきています

きっと目の前に広がるぼんやりとした景色のせいかもしれません




宿は中程度の宿と言う事で後はタクシーの運転手さんに任せますと

バスターミナルに近い所が良いでしょうと希望通りの宿を紹介して下さいました

日本の旅の案内書などを見ますと模範タクシーを使うべしと謳っていますが

一般タクシーの方が短距離で有れば安価ですし平均的に親切な方が多い様な気が私はします

要は瞬時に人を見分ける事でしょうか

宿に着いた頃には日もどっぷり暮れ海風が冷たく感じられる時刻になりました

上衣を着込んで食堂を探して街に繰り出せば街の灯りが眩しいほど

今夜は無性にアワビの粥が食べたい夜でした





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6 コメント

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Unknown (はる)
2014-09-14 00:36:21
チェジュでのご滞在は随分ゆったり取っていらしたのですね!
自然体で往きあう人々と接するたかさんご夫婦、最初は緊張気味の
現地の方々もすぐに打ち解けられて、私の理想の旅をしていらっしゃいますね。
土地の人々が居るところに深く入り込まないとできない触れ合い、私もゆっくり現地をそぞろ歩いてきたいと思います。
柿渋で染めた褐衣は強いばかりでなく、汚れにくいのですね。
良いことを教えていただきました。
今日もありがとうございました。
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瞬時に人を見分ける力 (sisi)
2014-09-14 08:37:31
”瞬時に人を見分けることでしょうか”
と、サラリと書いていらっしゃる箇所に
読みながら思わず笑みを浮かべてしまった私です。
人は、ある程度生きていると
この力が備わってくるのではないかしら・・・と、
ある時期から思うようになってきました。
ホンの数十秒で、その人のバックグラウンドを判断できる力とでも言いましょうか。
年々、こういった力は増してくる気がします。
コレを思ったとき、年を重ねるのもそんなに悪くはないわ・・・と思います<笑。
見分けられるコチラ側を思うとコワいですが<汗。

沈みゆく太陽・・・
素敵なお写真です。
スクロールしながら見た4枚のお写真に心がキュンと感動しました。
本当に素晴らしく、素敵な幕引きをレンズに収められた事にも感動です。

自身も周りも人生の幕がこのようにひけたらどんなに素晴らしいだろうかと思います。
一昨日から法事で京都に行っていたので、
尚更そんな事を思ったのかもです。


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はるさんへ (たか)
2014-09-14 17:37:18
自然体で接すれば相手も心を開いてくれるのは
ここが異国だからでは無いんですね。
昨日、野生のエルザのドキュメンタリーを観ていまして(映画化もされてもいるようですが)
僅か5歳くらいの女の子が殆ど裸で草原に分け入り
ライオンや毒蛇と遊び、象に跨り様々な生き物と接する姿に
何故、あんな獰猛な生き物と距離が縮められるのか不思議でたまりませんでした。
動物学者の両親の教育が素晴らしいのでしょうが
先ず、怖がらない、そして自然体で接するという所に答えが有るのだろうか
そんな事を話しながら画面に見入っておりました。
幼少期から何話かに分けて有りますので、これからも観ようと思っていますが
人間も同じなんですね。
勇気を出して飛び込めば相手も快く受け入れてくれるものだと思います。
私はどちらかと言いますと元来が引っ込み思案な性格なので
人の中に飛び込む事に躊躇いがありますが
或る日、これが“損”と言う事に気づきました。
「勇気を出して人と接する」
野生のエルザのドキュメンタリードラマが今日また教えてくれました。



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sisiさんへ (たか)
2014-09-14 18:14:38
sisiさん、「さらり」とは書けますが悲しいかな私の眼力も偶には見誤る事も有りますよ。
でも
生きてきた長い年月、色々な経験を通して私自身の意識外で身に付いているものも有るんですよね(多分)
まぁ、無駄に齢を重ねない努力を怠らない様にしたいと思います。
「sisiさんの歳を重ねるのもそう悪くない」と言うお言葉が身に沁みました。

夕日を見ていまして心が高揚するのは
本来ならば暮れゆく寂しい景色のはずなのに
明日へ繋がる希望がそこに見出せるからなのでしょうか。
それとも美しさの始まりと美しさの終わりが余りにも早く展開してしまう所にあるのでしょうか。
私は良く夕景をブログアップしますが
何故、こうも心の高まりを覚えるのか未だに良くわかりません。
・・・・・素直になれば良いのかな?

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Unknown (たけし)
2021-11-23 11:37:25
>目を背けたくなるのも有りましたが

例の朝鮮戦争時の虐殺関係ですね(´ω`)
この虐殺を逃れて日本に密入国した人たちが数百万人いるそうです。今の在日朝鮮人ですね(´・ω・`)
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たけしさん、こんばんわ (たか)
2021-11-23 21:22:53
コメント有難うございます。
頂きましたコメントは天安に有ります独立記念館を見て下さってのご発言と思います。
クドクドと私も記事に書き連ねて来ましたが、その文中にも有りました
 「私にも良く解りません。ただ言えるのは何が悪いのかと言うと戦争なのです。戦争が始まれば何でもするのが国であり人間なのです」
これに尽きると今でも思っております。
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