たかたかのトレッキング

駆け足登山は卒業、これからは一日で登れる山を二日かけ自然と語らいながら自由気ままに登りたい。

定点撮影 爺と婆の語らい

2021年08月05日 | 定点撮影(雲)

八ヶ岳上空に居座った積乱雲

赤城山上空で「爺と婆の語らい」

榛名山上空に現れた奇妙な積乱雲 かなとこ雲?

西日を背に縁取りも美しく

一時の安らぎ

そんな安らぎも長くは続かずジワジワ押し寄せる黒雲に戦いの兆し

辺りは不穏な空気に包まれて

まるでモゾモゾと蠢く生き物の様です

エネルギーを溜め込んだ雲の層 断面図で見てみたいものです

戦いは膠着したまま動きを見せずその後の予見は雷神が知るのみ

 

結局この日は両者引き分けとなり雷神も軍配を下ろして退場を余儀なくされたのでした。


クサギ&ヤブガラシ

2021年08月04日 | 

今日の暑さは尋常では有りませんでしたね、一昨日、昨日と気持ち良い風が部屋を涼しくしてくれましたのでフル活動している冷房のお世話にならずに済みましたが、一転、図書館への道中は目が回る様でした。

意識しての事では有りませんが昨日に引き続き今日も不遇の花です。

先ずはクサギ、花が咲き始めましたね。

ちょっと可哀相な名を頂いたクサギですが昨日アップしたへクソカズラと同じく中々優れた効用を持つ植物なのだそうです(リウマチ、果実は染料に)

又、葉を千切った時の名前の由来になった臭いも若葉の内に茹でて食べると意外に美味しいのだとか。(そう言われても一寸、勇気が要りますけどね)

葉と違い花は甘い匂いがするんですって! シベが可愛いですね~。

ほら!その甘さに引き寄せられてやって来たヒョウモンチョウは居座ってしまいましたよ。

ヒョウモンチョウでは無くキタテハとの事です。teltelbouzuさん有難うございました。

もう一つ不遇な名前を持つヤブガラシ。別名を貧乏カズラと言うらしいですがどちらにしても当人は  こんな気持ちでしょうね。 実はこのヤブガラシ、ここへ越してきた当時、かなり悩まされた植物です。ちょっと油断をしていると地下茎を伸ばし木に絡まり放って置くと木を枯らしてしまう勢いで伸びて行きます。そんな事から付いた名前ですが抜いて抜いて抜きまくったせいか30数年経った今では偶に目を出しているのを見るくらい迄になりました。それでも根絶出来ないのですから相当したたかな植物です。アオスジアゲハを呼んだり花はと言えば可憐なのですけどね。コメント欄、夏休みとします。


へクソカズラなんて誰が付けたのよ

2021年08月03日 | 

花を見ればとっても愛らしいのにへクソカズラとは。万葉集にも屁糞蔓で載っているそうですから何方かが憐れんでサオトメバナと呼んで上げても今更、改名は難しそう。へクソカズラは不運と思って諦めるしかないのでしょうね。

 

 

でも名前とは裏腹に全草を煎じれば風邪、婦人病に生葉は炙って腫れ物に貼れば吸出しに生葉の汁は止血、鎮痛剤、毒虫の刺し傷に根を煎じて飲めば下痢止め、脚気、腎臓病に。と花も葉も根も素晴らしい効能を持っているのです。

これらを知れば花言葉の様に「意外性が有る」で愛おしくなってきませんか? コメント欄はお休み致しますがへクソカズラに新情報があれば是非、教えて下されば嬉しいです。


(3)心に残る思い出の山 明星山

2021年08月02日 | 心に残る思い出の山

続き

やがて逆さ川沿いを歩く様になると雨が止んで陽が差してきた。○○○心と秋の空ならず山の空、全くめまぐるしく変わる天候である。

   

左に大岸壁が見えて来た。ハーケンがあちこち打ち付けてあるが逆層なのでクライマーにとっては、かなり手こずりそうな岩場だ。谷川岳一の倉沢や北岳バットレス等にのめり込んでいた頃、このゲレンデを知り一度来たいと思いながら交通手段も勿論お金もなく果たせずじまいだったとルートを目で追いながら語る青ちゃんは見られただけでも満足と言った顔つきだ。

その時、さほど離れていない茂みからフーッという鋭い鳴き声(?)鼻息(?) 「何だ何だ」と実を構えると岩の斜面にカモシカの親子が私達をジッと見つめていた。母カモシカは再び鋭い息を吐きながら直ぐ上の岩へ駆け上った。残された子供のカモシカは後を追えず周辺をウロウロ。「ほらほら、お母さん、赤ちゃんを置いていっちゃ駄目じゃない」と友ちゃん。母カモシカは相変わらずフーッ息を吐き続け威嚇している。子供のカモシカはあの愛らしいマナコを私達に向けたままビクとも動かない。お蔭で疲れた体がリフレッシュできた一幕だった。

岸壁を巻くザレ場は雨が止んで石が乾いてきたので滑る事は無かったが浮石に足を取られ三人ともよく転んだ。何とか下方の逆さ川に滑り落ちそうになりながらも無事、通過すると再び足元が読めない草地に突入、濡れた石灰岩が又、待ち構えていた。足元ばかりに注意を集中するあまり私の太腿はパンク寸前、時間がかなりオーバーしたため青ちゃんが盛んに「雄ちゃん聞こえますか?」コールを繰り返すが届かない。

白い巨岩の間を勢いよく流れる逆さ川のエメラルドブルーが原生林の中に流れ落ちる様に私達も草いきれに咽ながら谷底に下り漸く小滝川に架かる橋に出た。

日本有数のロッククライミングのゲレンデを抱える明星山のその大岸壁が小滝川に落ち込んだ清流に翡翠の原産地が有る。

とにもかくにも苦しめられた道のりでは有ったが、この山に真髄を知るには下山路にとったこの道は通らなくてはならなかった道の様だ。青ちゃんは盛んに雄さんにコンタクトを取っているが応答が無い。

その時、雄さんは、なるべく下山口の近くまで行って上げようと私達が渡った橋(明星山登山口の標識が無い。ここには是非、設置すべきだ)を越え舗装が切れたその奥まで行ってしまったらしい。悪い事にここでパンク。見上げれば今にも落ちて来そうな岩の下。悪い事は重なるもので青ちゃんの車の何処を探しても工具が無くドライバー一つでタイヤを交換するものの骨折した足での交換は捗らず交換し終えるまで2時間かかったという。

橋を渡って林道に降り立ちヘトヘト・フラフラしながら最終地点、翡翠峡に着いた。観光客で賑わう翡翠峡の向こうに迫力ある大岸壁の全容が一望だった。「あの下を歩いてきたんだね」と友ちゃんと満足感いっぱいの中で暫く見入った。

70mまで掘り下げ空気の圧で水をボコボコ湧かせている。監視員の「美味しいから飲んでみて下さい」の言葉に一口。 オ イ シ イ!  この水は私の座っている(↑)の所を通り翡翠峡に流れ込んでいる。 

「ざっと眺めてどの石が翡翠ですか?」と聞くと「見える石、全てが翡翠だよ」と監視員さん。

監視員さんが「私の無線は感度が良いから」と雄さんに連絡を入れてくれた。それから暫くして翡翠峡の入り口に主人運転の車が停まった。眼鏡を手に盛んに照準を合わせている姿におもいきり手を振った。あ・あ・あ・行ってしまった・・・ここに居るのに。(後で聞いたら眼鏡が曇ってしまって分らなかったのだそうだ。「私が後を追います」と監視員さん。私達はもうエネルギー切れだったので、その言葉はとてもありがたかった。

やっと戻ってきた雄さん、虻の攻撃に遭いながら足が踏ん張れず尻を付いて手の力だけでタイヤを持ち上げて交換したとの事で顔も手も泥だらけ。川でタオルを濡らし泥を拭いてあげてやっと落ち着く。これでは持ってきた小説など読んでいる暇はなかった事だろう。

色々と世話をやいてくれた監視員さん、不動の滝(落差70m、幅4m、滝壺には竜神が住んで居ると言う)へ案内してくれると言う。そして帰りには町営の入浴施設パークイン美山まで誘導して下さった。「秋も良いので是非、出かけて下さい、その時には私の小屋を貸しましょう」・・・これほど親切な人も珍しい。残り物だったが口を開けていない幾つかの菓子をお孫さんにと渡し別れた。

美山で汗を流しサッパリした所で志乃に向かう。こうなるともう執念だ。今日も満員で断られたが一つだけテーブルが空いていたので強引に座り込む。30分ほど待つ事になったがお蔭で感じの良いご主人の握る新鮮なネタでお腹いっぱい食べる事が出来た。「これで心置きなく帰れます」と言って店を出る。23時には帰れるだろう。

軽井沢インターを抜け妙義サービスエリアまでは良かった。ところがそこからが大変。取り敢えずSAで様子を見ようとハンドルをSAに。駐車場は満杯で中にはカーテンを閉めて寝ている者もいる。

下仁田~富岡間が崩落と言う事で僅か5Kほどの道のりを3時間。家に着いたのが朝方4時だった。 こんなアクシデント続きの山行も珍しい事だが何時か思い出話として笑って語り合える日も来るだろう。(思い出の記録ですのでコメントは無理をなさいません様)


(2) 心に残る思い出の山 新潟・明星山

2021年08月01日 | 心に残る思い出の山

続き

  

長い林道歩きと別れ9時10分、ついに登山道に歩を踏み入れた。登る人も稀なのか夏草の蔓延る道は大変な労力であり露をたっぷり含んでいる為ほんの少し歩いただけで足元はグッショリ濡れてしまう。

草の繁茂から逃れると頼りないが、それでも見分けはつく登山道が細々と続く沢沿いの道に変わった。沢に沿って僅か進むと右に甘露水と書かれた木札が有り樹間の少し奥まった苔むす岩間から音を立てて流れている。量はそれほど多くは無いが名の通り極上の甘露だった。

水と言えば青ちゃんは取り敢えず口に含む癖が有り先ほどの林道でも山側から流れるどうみても飲む気にはなれない濁り水を、そして休憩地点でも濁り水を、沢に出れば沢水を。「俺はどんな水を飲んでも腹を壊した事が無い」と言うが果たして自慢できる事だろうか。

沢を離れる所まで登りあげ、いよいよ始まる急登に備え休憩。腐った落ち葉がたっぷり水を含んでいるので立ったままの休憩だ。新潟の山はこの時期、蛭が大量発生すると聞いていたので落ち着かない。

山頂まではここから50分、かなりの急坂で石が滑って踏ん張れず幾らも登らない内にまた休みたいと思ってしまう。おまけに辺りは鬱蒼とした木々に囲まれ蒸し暑い。まるで熱帯のジャングルを歩かされている気分だ。少し行くと青ちゃんは待っていてくれるが追いつくと又、歩きだし直ぐに離れてしまう。私の歩き方では友ちゃんが疲れてしまうのではないかと先に譲ろうと声掛けするが「自分のペースで行くからタカちゃん先に行って」と彼女も相当バテている様子だった。

路肩に咲く花はフジバカマ、山アジサイ、オオウバユリと地味な花ばかりだが気持ちを紛らわすには無いよりは良い。

中盤に差し掛かった頃ポツリと雨が落ち辺りがざわつく。幸い木々が傘になってくれているので濡れる心配は無かった。

しかし一体どこまで続くのか。行き交う登山者も居ないので余計長く感じられる。出るのは汗と溜息ばかり。先ほどアブに噛まれた箇所が汗に浸みヒリヒリと気になる。ふと気が付けば周辺一帯、けたたましい程の蝉しぐれ。こんな状況の中では気怠さが助長し煩いばかりだ。

やっとの思いで着いた山頂、幸い雨も上がり見渡せば山また山、自然度は満点だ。腹ごしらえは糸魚川のコンビニで買ったお弁当。丸かじりしたトマトの美味しかった事!

 

 

真綿を千切った様な雲が重なり合って雨飾山に続く。手前のゴツゴツは海谷駒ヶ岳、そして左に鉾ヶ岳、遠く米山も見える。

目を凝らせば日本海の海岸線が弧を描き水平線の彼方に佐渡がポツリと浮かんで見えた。

 

振り返ればボリュームたっぷりの山は犬ヶ岳だろうか、それとも柴倉山か。青ちゃんは雪倉岳と言っていたが位置が少し違う様な気がする。残念だったのは立山連峰が雲に隠され雨飾山が終始、頭を雲から出さなかった事だが低気圧に覆われた悪条件下、これだけ見えただけでも素晴らしい事だ。私達は青ちゃんが落としてくれたコーヒー片手に山座同定に勤しんだ。そろそろ下山をと思っている頃、再び雨が落ちてきた。

下り掛けて間もなく雨の威勢が激しくなりカッパを着用する間もなく全身ずぶ寝れ状態。こうなったら、やぶれかぶれ もうどうにでもなれと開き直り濡れるの任せて下った。

竜護尾根

徐々に稜線に岩が目立つ様になった。素晴らしい世界である。岩、赤松の老木が絶妙なバランスで配置され、まるで日本庭園を歩いている様だった。雨の中でさえ、そう思うのだから晴れて前方に立山を望みながら歩く事が出来たら、さぞや素晴らしい稜線歩きが出来ただろうに・・・

ただ明星山は前述した様に山全体が石灰岩で形成されている山なので濡れると石は氷の様に滑りやすい。おまけに走り根が多くこれもまた良く滑る。フィックスロープに助けられながら樹林帯に下り進んでも進んでも変わらない景色に飽き飽きした頃、翡翠峡まで2時間の標識が立つ分岐点に着いた。既にここまで1時間以上は掛かっている。山頂に有った翡翠峡まで110分と書かれた標識、あれは一体なんだったのだろうか。ともかく未だまだ先の長い事を知らされる。

続きますのでコメント欄はお休みです